第74話 チートすぎるだろ!(その4)
ジョセフと誠の戦闘をただ茫然と見ているだけのテレサ達は援護しようとするも誠が魔法で一気に殲滅しているため殆ど誠の一人勝ち状態でジョセフは誠が仕留め損ねた雑魚を処理する流れ作業感覚でゴブリンを名刀陸奥守吉行で一刀両断したりとソロでクエストした方がいいんじゃないかとツッコミを入れたくなるレベルだ。
誠はどうもわざと一部仕留め損ねたふりをしてジョセフの技量を試しているような気がしてジョセフは誠の行為に対して少し癪に障るがリサ達が危険な目に遭うことはないのだが悪く言えばハードモードでもチート状態で無双するヌルゲーをプレイするようなものだ。
「誠、これなら俺達必要ないんじゃないか?」
「そんなことはないよ。仕留め損ねた魔物はだってジョセフが倒してくれてるんだからちゃんと必要だよ。実際君がいなかったら味方に犠牲者が出るだろうし」
「やはりな……誠は俺が確実に仕留められることを分かってわざと逃している部分があるな。もし俺が後処理できなかったらどう言い訳するつもりだったんだ?まあ今はそんなことを考えている場合ではないな……」
(ドラゴン討伐が今回のクエストというわけだからそれさえ無事にこなせればいい)ジョセフはそれだけしか考えていなかった。それで終わりだと思っていたからだ。
「なんかあたし達の活躍全然なかったんですけど……」
マリーは誠を睨みながらぐちぐちと愚痴を言い出すがマリーも依然は誠と同じようなことをしていたことを完全に忘れておりテレサ、ジンジャー、佐藤夏樹、リサにジョセフは(お前が言うな!)と内心ツッコミを入れたいほどで、アイリスはこの状況を理解していなかった。
誠のギルドメンバーのトキ、リン、マギー、レイラは苦笑いしながらも「流石は誠」と褒めちぎり誠は「それ程でもないよ」と謙虚になる。実際神様から授かったチート能力であるわけだから「どうだ!俺様の実力は凄いだろ!」とドヤ顔なんてできるわけではなかった。
佐藤夏樹はあまりにも暇すぎて鼻くそをほじり欠伸をしたりとかなりの怠惰ぶりを周囲に披露していた。
「正直これさ、俺達いらねえじゃん!あのハーレム野郎が殆ど活躍しているしこれならマリーやジョセフの方が全然いいよ。ジョセフはちゃんと活躍の場をくれたりとしてくれたし」
「活躍の場って……俺そんなに佐藤夏樹と一緒にクエストこなした回数多い方じゃないんだけど言いたくなる気持ちも分からなくもないんだがね。女の子に囲まれて無双してりゃ不満の一つや二つ言いたくもなるさ……」
マリーはあまりにもチートすぎるため後衛での援護に集中させているが誠もサポートをする感じで戦闘している方が物語的には面白いのかもしれない。今いるこの世界はラノベでもアニメの世界でもないため確実に仕留めるなら一気に殲滅できたことに越したことはないのだ。
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