第18話 女子のお茶会

 女子達は紅茶をゆっくりと飲みながら会話などをしていた。


 「リサっちてさぁ、何でジョセフを好きになったの?もしかして一目惚れ?」


 「どうなんでしょ、ジョセフ様の素顔はあまり見たことがありませんので少なくとも一目惚れではないと思います」


 「へえ、じゃあもし私がジョセフのこと好きって言ったらジョセフは私を選んでくれるのかなぁ?」


 「ジンジャー、あまりリサをからかうな…」


 「ごめんごめん、テレサ、冗談だって」


 「実際、王女様が冒険者を目指していた少年と結婚だなんて普通は…」


 マリーはリサに関して疑問を抱いていたのだが、それ以上は何も言わなかった。


 「私は人の心を読んだり相手の真実を見抜くことができます」


 「てことは嘘とかついていたらすぐに分かるってこと?」


 「はい、ジョセフ様には下心が全くなく、とても暖かい心を感じることができましたの」


 リサはジンジャー達に必死に好意を持つまでの経緯を語っていたのだが、マリーやテレサは苦笑いをしている様子でかなり微妙だ。


 いわゆるテレパシー能力なのだが、これは魔法ではなく異能力の一種で呪文を唱えずとも発動できているのだが、いまだにその謎は解明されていない。


 「それでジョセフとの出会いがきになるな~」


 「うふふ、それはですね」


 リサは初めての出会いを思い出しながらクスッと笑っていた。


 「そんなにおかしい出会いだったの?」


 「はい、私は森でゴブリンに襲われ、護衛の兵隊が一人負傷を追い、このままでは全滅すると思った矢先にいきなりジョセフ様が現れ、ゴブリンを我武者羅に後先考えずに討伐してくれたのですが、それがきっかけでゴブリンの持ってた武器に塗られていた毒で瀕死の状態になったのですわ」


 「ええっ!」


 マリー、ジンジャー、テレサは思わず声を出してしまい、やっぱりなぁ…と頷いた。


 「ジョセフ君らしいわね…」


 「前からそんな無茶ばかり…」


 「普通そこまでして助けますかね?」


 三人はため息をつきながらかなり呆れていたようだ。


 「でもジョセフって見た目はマジで何考えてるか分かんないけどあの独特な発想のおかげでここまで辿り着いてるわけだしカリスマ性?はあるよね」


 「私もそう思う」


 「ただやっぱりジョセフ様にはもう少し無理のないやり方で頑張ってほしいです」


 「あたしも人のこと言えないけどそれは賛成かな」


 「「「うん、うん」」」


 「ジョセフと結婚するってことは王位も継承ってことなのか?」


 「いいえ、他国に留学している弟がいますので王位は弟が継ぎますわ」


 「リサっち、弟いたんだ!」


 「はい」


 それを聞いた3人は驚きを隠せずにいた。


 「でも絶対ジョセフ君王位とって継ぐ気なさそうよね」


 「私もジョセフに限っては王位継承目的でリサを連れてるとは思わないな」


 「私はそうだとしてもジョセフ様を選んだことに後悔はありませんわ、ジョセフ様と婚約することによって好きでもない他の誰かと結婚せずに済んだのですから…」


 リサの話しによれば、婚約者候補の男性の殆どが王位継承が目当てでしかも、リサのことをいやらしい目で見る変態ばかりだったとか、まああの両親のことを考えれば本人が今まで婚約を拒否し続けてたのを許してくれてたのは親心としては当たり前なのかな?これも聞いた話だけどリサの両親もお互いを愛し合った結果、結婚に発展してるみたいで、リサもその遺伝子を受け継いでいるというわけだ。


 「ジョセフ様はやっぱり年下は嫌いなのかなぁ…?」


 「多分嫌いではないと思うよ、ジョセフは年上のお姉さんが好きだったり」


 「何でジンジャーはあたしを見ながら言ってるの」


 マリーはジンジャーに対し、疑問を抱きながらもまあいいかという表情だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る