第五章 MURDER
に、相川一哉
……ノリ重視の軽い遊び人。悪気はないが、相手の気持ちを軽く見てやり過ぎてしまうことがしばし。自分で思っているほど人から好かれてない。
月曜。
前日事故を起こして死亡したのが麻倉尚樹とはまだ判明しておらず、ただ「若い男性」としか報道されていなかった。
それで例のグループの他の男子三人も麻倉の死を知らなかった。彼らの通うN大学ではいつもと変わらぬ学園生活が始まっていた。
相川一哉は非常に苛立っていた。あのような出来事があったのだから当然だ。自分たちは女性を置き去りにしたという犯罪者の後ろめたさもある。一哉はあれから誰とも連絡を取っていなかった。大門マリイがあれからどうなってしまったのか、敢えて無関心を決め込んだ。
だってしょうがないじゃないか、あれはどう考えたってもう手遅れだっただろう?
しかし今一哉が感じている苛立ちはその事情によるものばかりではなかった。
胸がムカムカと生理的な不快を感じ、頭の中がモヤモヤとした不愉快な妄想でいっぱいになっていた。
一哉の頭を占める妄想、それは、
「ちくしょお………、人………、殺してええ…………」
という危ないものだった。
馬鹿なことを考えるなと頭を振る。理性が自分は今おかしくなっているのだと警告する。あまりに強烈な物を見てしまって、拒否する気持ちが圧倒的なのに、強烈過ぎて拒否し切れないで、…………受け入れようとする気持ちが働いてしまっている。
駄目だ、それは危険だ。
忘れろ、忘れるんだ。
あんな女のことは知らない。どうでもいい、あんな女。
清野病院も、忘れろ。あんな所、知らない、行ってない。
そうだ、あんな所、行ってない。行ってないんだ!
・・・・・・・
今、一哉は校舎裏手のアゴラ……古代ギリシャの集会所をモチーフにした屋外舞台の、扇形の客席の中程に座っていた。次の講義までの時間つぶしで、一哉の他にもパラパラ座っている者がいたが、表の学食ほどではない。
尻をずり落ちさせ、両腕を広げて背中を後ろのベンチにぐったりもたれかからせた。目がドロンと閉じてきて、ツー……と口の端からよだれが垂れてくる。
そうすると、
耳腔を圧する豪雨と共に、怒号渦巻く「あの」光景がラッシュフィルムのように甦り、一哉をハッと覚醒させた。
気分が悪くて吐きそうだ。あの夜からずっとこれが続いている。
妙に視界が暗いのはこの眩しすぎる太陽のせいだ。穏やかな室内に入ってぐっすり休みたいが、きっと悪夢にうなされるだけだろう。
我慢しろ、今は、とにかく我慢だ…………。
むっつり目を細めていると、客席の間の通路を舞台向かって降りていく者があった。
大きな図体に、あれ?と思うと、それは麻倉尚樹だった。
麻倉は下まで降りると、ひょいと舞台に上がった。振り返り、
『よお』
と手を上げて一哉に笑いかけてきた。一哉も手を上げて応えながら、
(何やってんだ、あいつ)
と思った。
麻倉は両手を後ろに引いて膝を曲げると、
『よっ』
とバク転した。しかし着地した腕が開き過ぎなのか、顔面を床に打ち付けて、棒立ちの体をバッターンと倒した。
おいおい、と一哉は呆れた。
(そういうキャラじゃねえだろ? おまえも変な方向でイっちまってんなあ)
麻倉は肘を立てて起き上がった。
一哉は(あっ)と驚いた。
麻倉の顔面は血まみれだった。
一哉は、そこまでひどく打ったか?、と戸惑った。せいぜい鼻血を出すくらいだろうに……
麻倉は失敗を恥じるようにへらへら笑った。すると、ばっくり傷口が開いて、ドクドクと赤黒い血が噴き出した。
ヘラヘラ笑いながら、顔面をズタズタに切り刻む傷口から、ガバガバ、ドクドクと、血を噴き出し、首から下、シャツを赤黒く染めていく。
目を見張っていた一哉は、
ガクン、
という衝撃にビックリして、目が覚めた。
ベンチからだらしなくずり落ちていて、ポツポツいる学生が(ダッセー)とニヤニヤしていた。
(クッソ)
と一哉は座り直し、目を乱暴にこすった。
舞台に麻倉の姿はない。また悪夢を見たのだ。
そうと分かっても、ヘラヘラ笑いながら血を噴き出させる麻倉のイメージがしっかり脳裏に焼き付けられている。
ほとほとまいった。
医務室に薬をもらいに行こうと思った。夢なんかいっさい見ない、泥のような深い眠りに陥る、強力な睡眠薬を。そんな物、大学の医務室で出してくれるか分からないが、これでは本当に身が保たない。
「おやおやあ、アイカワくんじゃありませんか。おはようございまーす!」
陽気な声に呼びかけられ、おっくうに振り返った。留学生のジョージが校舎脇の通路からわざわざこっちにやって来た。彼も今待っている次の講義をいっしょに受けている。図体の大きなおっさんくさい奴だが、人なつっこいので友人は多い。
日に照らされた白い肌が赤く見えて、麻倉の顔面のイメージが重なった。
「オー、どうしました? ずいぶんお顔の色がお悪いですねえ?」
ジョージは一哉の顔を心配そうに覗き込む仕草をした。
「ああ、ちょっとね、気分が悪いんだ」
一哉はジョージの視線を避けるように立ち上がりながら横を向いた。
「オー、いけませんねえー。ドクターに診てもらいましたか? カゼはマンビョーの素、いいますね?」
「ああ、そうだな。これから医務室に行くところだ」
「心配ですねー。おくっていきますよ?」
「いや、いいんだ、気にするな」
通路を上がっていった一哉はジョージの横を通りながら『サンキュー』と言うように手を振ると、早足で歩き出した。歩く速度はどんどん速くなっていく。おしゃべりしながら歩いてきた女子と跳ね飛ばす勢いですれ違い、白い目で見られた。
やたらと急いで歩きながら、一哉は胸がドキドキ激しく鳴り、何かしらひどい興奮に両腕がブルブル震えていた。
人を殺したいという欲求が、はっきりと、感じられる。
おっさんくさいジョージの、ニコニコ親切そうな笑顔が、
はらわたが煮えくり返るほど、憎ったらしい!!!
一哉は自分は本当にどうしてしまったのだろうと思った。自分は元来陽気な方で、楽しいことが好きで、友だちと笑い合うのが好きで、人を憎むとか、殺したいとか、そんなこと思う人間ではないはずだ!
いけないと思った。
ここにいては、自分は、
誰かを…………
畔田はその時N大学に来ていた。
つい先ほど、被害者の身元が判明した……被害者とは言えないだろうが……。
麻倉尚樹、十九歳。N大学の一年生だ。
事故当時、麻倉は身元を示す物を何も持っていなかった。若者の必需品である携帯電話も身につけておらず、所在不明だった。
昨日、尚樹は前日遅く帰ってきたようで、朝は起きてこず、昼の間ずっと自室で寝ているようだった。麻倉は市内の実家に両親と住んでいた。もしアパートで一人暮らしをしていたら身元判明は更にうんと遅れただろう……。呆れた母親が夕刻、晩ご飯はどうするのか訊きに行くと、尚樹は「いらない」と答え、やがてようやく部屋を出てきたと思ったら、家を出ていった。そしてそのまま帰宅しなかった。
翌朝、つまり今朝、息子が帰宅していないのを知り、昨夜の事故のニュースを見た母親は、「まさか……」と思った。息子の携帯に電話してもつながらない。夫は会社に出勤していった。パートに行く時刻が迫っていたが、母親は心配で居たたまれず、警察に問い合わせの電話をかけた。警察に息子の特徴を訊かれて話すと、遺体の確認に来てくれと要請された。
県警本部におもむき遺体と対面した母親は、悲鳴を上げ、パニックに陥った。それが息子とは確認できなかった。顔面の損傷が激し過ぎたせいだった。
父親が呼ばれ、遺体を確認した結果、
「息子だと思います」
と証言を得た。自宅に鑑識官がおもむき、尚樹の自室から指紋を採取し、遺体の指紋と照合の結果、本人と確認された。
以上の事情を、畔田は芙蓉の電話で知らされた。報道はまだされていない。紅倉は警察に顔が利く。そのコネでいち早く情報を得たのだろう。
芙蓉と紅倉もこれから車で出発するそうだ。到着は……紅倉のことだ、最短でも……丸三日は見なければならないだろう。それまでにどれだけ食い止められるだろうか…………
ホテルにタクシーを呼んでもらい、N大学に向かった。距離はさほどない。
市街地から緑の丘陵地に入り、その中に建つカラフルなビル群を眺める。子どもがおもちゃのブロックで作った町のようだ。
ぐるりと敷地を巡り、駐車場を控える正門前に着き、タクシーを降りた。
心臓がドクドク鳴っている。急がねばならない。
欧州風の仁王門と言った趣の正門をくぐろうとすると、
「ああ、済みません」
と、制服の警備員に手で押しとどめるように立ちふさがれた。
「どちらにご用でしょう? お約束はございますでしょうか?」
融通の利かなそうな若い警備員だ。テロの警戒される昨今、大学も入場者のチェックが厳しいのだろうが、一方で学食のレストランなど一般にも開放されている。
畔田はいつものごとく和服を着込んでいる。若隠居の風流人に見えないものだろうかとちょっと不満に思った。
「いや、約束はないんだが……」
適当な嘘がつけないのが真面目な畔田の欠点だ。
「今ここで大変なことが起ころうとしてるんだ。君、協力してくれないか?」
「大変なことってなんです?」
畔田を見る目があからさまにうさん臭い物を見る物になった。
「では事務所の方でお話を伺いましょう」
警備員は胸の無線機を取り上げて「事務所」に連絡を取ろうとした。畔田は苛立った。
「君、頼むよ。人の命に関わることなんだよ。急がなくては手遅れに……」
ガツン、とひどい衝撃を受けて畔田はよろめいた。
「どうしました?」
ますます怪しい目になった警備員が訊く。しかし畔田はもはやすっかり度を失っていた。
「ああ、駄目だ、なんて、なんて、ひどいことを…………」
「ちょっとあなた、大丈夫ですか?」
警備員が警戒しながら畔田の肩に手を伸ばしたとき、どこかの建物からピイイイイ……、という警報が響いてきた。警備員はさっと緊張し、畔田は、ぺたんと、地面に座り込んでしまった。
「なんという、なんという……、ああ、ひどい、ひど過ぎる…………」
ガラリと戸が開いて、相川一哉が立っていた。
講義は始まっている。そこに突っ立ったままの相川に教授の上岡は注意した。
「どうしました? 講義を受けるなら、早く席につきなさい」
相川はぼうっとした様子で横長のデスクの並ぶひな壇を見上げ、教授の前を横切り中央の階段を上がり始めた。上岡教授は不愉快そうに見送りながらカツカツと黒板にチョークで英語を書き殴った。
相川は中段のジョージの座る机のところまで来ると立ち止まった。
必修科目の一つである上岡教授の講義は、最大二四〇人座れる席の半分ほどが、隣同士余裕を持って全体がまんべんなく埋まっていた。
ジョージは友人たちとグループになって並び、ジョージはちょうど真ん中に座っていた。
じっと自分を見ている相川にジョージは怪訝に思いながらも愛想よく訊いた。
「どうしました? ごキブンよくなりました?」
相川は肩から掛けていたカバンをズルッと床に落とした。カバンに隠れていた右手が現れると、そこには大型の草刈り鎌が握られていた。
相川はやおら机に飛び乗ると、驚いて身を退く学生たちの前を歩いていき、鎌を振り上げると、まさかと見上げるジョージに振り下ろした。
キャア、と悲鳴が上がり、講義室の空気が変わった。
「WAAAAAAAA!」とジョージは顔を歪めて横に倒れた。左の肩を押さえている。
相川は追いかけるように机に手をつくと、
「わあああああああっ!」
と喚いて振りかぶった鎌を再び力一杯振り下ろした。ジョージの英語訛りの悲鳴と、講義室中の女子の悲鳴が同時に上がった。生徒たちは自分の身にも危険が及ぶのを恐れて早く早くと通路に急ぎ、出口目がけて階段を駆け下りた。押された女子が転倒し、彼女は殺到する後続に踏みつけられた。呆然とした上岡教授もいっしょに逃げ出した。
そうした騒ぎの中、とっさのことに思わず逃げ腰になっていたジョージの友人はハッとして、
「やめろ!」
と、両手で思い切り相川の体を突き飛ばした。相川は二列前の机の上まで転げ落ち、仰向けになった。そこへ興奮した友人は飛びかかった。反撃の隙を与えず、一方の手で鎌を握った右手を掴んで遠くへ伸ばし、一方の腕を顎の下に当てて力任せに押さえつけた。相川は足をバタバタして暴れ、友人は逃すまいと全身で踏ん張った。友人は
「早く!」
と残っている男子に怒鳴った。早く鎌を取り上げろ!、と。
首をギリギリ締め付ける腕をのけようとしていた相川は、左手の指を二本立てると、相手の両目に突き刺した。
「ぎゃっ」
友人は悲鳴を上げて上体を跳ね上げると両手で目を覆った。痛みももちろんだが、急所を躊躇なく攻撃した狂気に対する恐怖が大きかった。
相川はむっくり起き上がると、鎌を横になぎ払った。
「ぎゃあっ」
目を覆った両手の甲を衝撃が襲った。皮膚が弾け、血がぬるっと流れ出した。友人は伸び上がるようにして机から落下した。
ジョージは机の下を這って通路に出てきた。
机の上をのしのし歩いてくる影に、ジョージは恐怖を張り付かせた顔を上げた。ヒイッと息を飲むと、喚いた。
「HEEEELP! HELP ME PLEEEEEESE!
HE’S KILLING ME! HE’S KILLING ME!
PLEEESE、PLEEEEEEASE!!!」
ゾクリとした恐怖に駆られ、急いで起き上がろうとした。相川が飛び降り、足首を踏みつけた。ジョージはワッと前につんのめってバッタリ腹を着いた。
相川は両手で鎌の柄を握ると頭上に振りかぶり、全身の体重を載せて振り下ろした。パンパンに膨らんだスラックスのももに、ブスッ、とカーブした刃先が突き刺さった。
「GYAAAAHHHHHH!!!」
ジョージは上体を跳ね上げて悲鳴をほとばしらせた。鎌が抜き取られると、ジョージはまた悲鳴を上げ、ドクドク溢れる血に布は赤く染まっていった。
ジョージは腿を抱えてボロボロ泣きながら必死に哀願した。
「Mr AIKAWA,Whats Wrong? What Did I Do Wrong For YOU? WWhhyy? Why Do You Do Such A Terrible Thiiiing!?」
ジョージは相川がまともな心を取り戻すのに期待した。しかし。
相川は再び両手で握った鎌を振り上げた。
「HELP・・」
逃げようとした背中に、ドスン!、と重い衝撃が振り下ろされ、肉に食い込んだ。
「GGGGGGGGG、UUUUUHHHHHHHHHHH、、、、、」
沸騰したように顔を真っ赤にしてジョージはうめいた。鎌を引き抜かれるとバタバタ転がり、階段に頭を下にして仰向けになった。見ると、自分を見下ろす相川は面白そうにニタニタ笑っていた。その顔に腹の底から怒りが込み上げてきた。ジョージは「フウンッ、フウンッ、」と鼻の穴を広げ、ファイティングスピリットを全開にしてののしった。
「YOUUUUUUUU
MURRRRRRRR-DERRRRRRRR-RERRRRRRRRRRRR!!!!!」
(この人殺し野郎!!!!!)
「アハ、アハハハハハハ」
相川は喜び、鎌を振りかぶった。
「相川ああああっ!」
消化器を抱えて駆け込んできた男子がホースを構えレバーを握った。大量の泡が勢いよく噴射され、見事相川の顔に命中した。さすがに相川は顔を押さえてよろめき、その隙に別の男子がジョージを下に引っ張り下ろした。床を消化液の泡とジョージの血が白と赤にドロドロに染め上げた。泡の噴出が収まると男子は消化器を思いきり相川に投げつけた。頭に命中してゴン!と音が鳴った。
後ろにふらついた相川は踏ん張ると、凄まじく凶悪な顔で男子たちを睨み付けた。消化液で目が真っ赤に充血している。
「うわあああああああっ」
「わああああーー」
激高して襲いかかろうとする相川に男子たちは慌てて退いた。
入り口からダダダダダと警備員が四人駆け込んできた。気が付けば廊下でピイイイイイイイッ、とけたたましく防犯ベルが鳴り響いていた。学内は騒然となっている。
訓練を積んだ警備員たちが険しい顔でフォーメーションを取り、黒い警棒を構えてジリジリ相川を追いつめていった。
「うううううう、うううううううう!」
相川は手負いの獣のように目を剥いてうめき、ふと物凄い顔で笑うと、机に上り、どっかと両膝をついて腰を落とし、デニムの上着をバッとめくると、鎌の刃を両手に握って己の腹に突き刺した。
警備員が思わず「あ、馬鹿!」と口走り、慌てて駆け寄った。相川は落下し、机の下をゴロゴロ転げ回った。捕まえようと手を伸ばした警備員の顔面を投げつけた刃が襲った。眉間に当たったが、大量の血で滑り、突き刺さりはしなかった。
「ぐおおおおおおおおっ」
相川は立ち上がり、その姿に警備員たちは戦慄した。
高々と掲げた右手に、己の腹から引きずり出した腸を握っていた。腸はそのまま輪になって腹の切れ目につながっている。
「………………………」
相川は白目を剥いて痙攣し、硬直した姿勢のまま後ろに倒れ、机に仰向けになった。腰が折れ、開いた傷口からブシューーーッと、大量の血が噴き出した。
ビクビク失神していた相川の目に、ふと、まともな色が戻った。
自分が握っている赤く濡れたピンクの物体を見て、くしゃっと顔を歪めた。
「な、なんだよこれ…………」
凄まじい激痛が襲ってきて、
「あああああああああ……」
と泣きながら、相川は命果てた。
壮絶、としか言い様がない。
二人目が、死んだ。
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