第17話

「あ、お母さん。勇斗どこいったか知ってる?」


「確か友達とカラオケ行くって言ってたわよ」


「カラオケ!?」


「ええ」


「なんでそれOKしちゃったのお母さん!!」


「なんでって、折角お友達から誘われているのに断っちゃいけないでしょ。それにあの子にもやっと休日に遊ぶような友達ができたのよ? 喜ばしいことじゃない」


「それはそうだけど…………お母さん勇斗がカラオケで歌った時のこと覚えてる?」


「ええ」


「だったら行かせちゃダメでしょ! 実際あれ以来家族の中でカラオケには行かないって言う暗黙のルールができちゃったんだから」


「あれは昔の話よ。今はもう少しマシになってるはずよ、きっと」


「いやいや絶対にありえない。だって勇斗自身が自覚したことが無いんだもの」


「まぁでもいいじゃない。きっとお友達も分かってくれるわ」


「勇斗の歌はそんなもんじゃないわ。私なんかしばらくあの声が悪夢になったことだってあるんだから」


「あらあら」


「軽いよお母さん」


「そうねぇ〜一体誰に似たのかしら。お父さんもどちらかと言えば上手な方なのにね」


「燈ちゃん達大丈夫かしら?」










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