人生ゲーム 2
不幸な部長を横目に僕はサイコロを振る。
出た目は5、
「えっと《ハッピーマス、結婚しているならサイコロを振り出た目の数だけ子供が生まれる、していない場合は100万円ゲット》」
「こっ子供!?ふしだらだ!不純異性交遊だ!
キラキラネームはやめるのだ!」
「いや部長これゲームですから、あと僕は子供にキラキラネームなんてつけませんよ」
ピカチュウなんて名前にされた子供の事を考えると目も当てられない。
そんな事を思いながらサイコロを振る
出た目は6、ということは6人の子供が生まれるようだ。
「いやぁ大家族だねぇ子沢山だねぇ、正宗くんがんばったねぇ」
「ちょっと先生なんて事言うんですか!そのがんばったにはよくない意味が含まれてる気がするんですけど!」
「先輩そんなに作って経済的に大丈夫何ですか?」
「鈴ちゃん生々しいこと言わないで!?僕だって現実だったら計画的に、、。何でもないです」
焦ってやばい事を口走ってしまった。
「正宗のバカーー!お前なんか離婚して6人分の養育費と慰謝料取られてドン底に落ちろ!」
「部長ひどくないですか!?何度も言いますけどこれゲームですから!」
部室の中はかなりカオスな状態となっていた。
結局終盤になっても部長の不幸は続き、
鈴ちゃんはお金を稼ぎ続け、
僕と先生には追加で3人の子供が生まれ、
ゲームは終了した。
「わっはっはーみんなお金の前にひれ伏すですよ!」
お金の集計をするまでもなくどう見ても鈴ちゃんの一人勝ちのようだ。
そう思っていた時、
「どりぁーーー!!!」
部長が勢いよく机をひっくり返した。
机からはゲームのお札が宙に舞う。
「こんなものはわたしの人生などではなぁい!
私の人生はもっと楽しいものなのだ!オンボロな家に住んで、お金もなくて、もやしと山菜で生き延びる生活なんて送らんのだ!」
それは、その生活をしている安井さんに失礼だと思う。
「あぁ私のお金が!これまでの努力が!ひどいですよ部長!」
鈴ちゃんが抗議する、
「ひどくない!部長の権限だ!ここでは私がルールだ!」
何てこと言うんだこの人はヒトラーにでもなるのだろうか。
もしくはローランドなのかもしれない。
「楽しかったねぇ、じゃあ先生仕事あるから
戻るねぇ」
「いや、この不毛な喧嘩を止めてからにしてくださいよ!」
僕がそう言い終わる前に先生はそそくさと部室から出て行ってしまった。
部室では部長と鈴ちゃんの不毛な争いが続いている。
この人たちは普通にゲームができないのだろうか。
僕が呆れて窓を見ると雨が上がった空にきれいな夕日が見えていた。
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