第10話 真一と優香の周りで

夏休みに入った。真一は優香と連絡をとってたまにファミレスとかで会ったり、時には優香が真一に電話して話に花を咲かせていた。

夏は暑がり、冬は寒がりの真一は、涼しい場所を好んでいる。優香も夏休み中は村田達と遊んだりしていた。


2学期が始まると、村田は2組の藤川から告白され、初対面ながらも付き合うことになった。坂本は4組の女子に告白するも断られて傷心中だった。


寺岡「坂本傷ついてるなぁ」

藤岡「回復には時間かかりそうやなぁ」

佐野山「若いっていいよなぁ」

浅田「あのなぁ、お前が言うといやらしく聞こえるわ(笑) 『若いっていいよなぁ』って、その言い方。白々しいわ(笑)」

高山「オレらみんな若いやんか❗ 高校1年やで」

真一「この間テレビで言うてたけど、『近頃の若い子は…』って中学生が言うてたって。『お前中学生やろ!』ってツッコんでたわ(笑)」


藤岡たちは爆笑した。


その頃、優香たちは村田のことで話していた。


滝川「くーちゃん、藤川くんと順調に付き合ってるって」

優香「そうかぁ。よかったなぁ」

加藤「この間、帰りの電車の中でノロけてた」

優香「くーちゃんらしいわ(笑)」

加藤「ホンマに。ええなぁ、彼氏」

優香「どうしたん、ひっちゃん彼氏欲しいんか?」

加藤「え? ええなぁって言うただけ」

滝川「くーちゃんに憧れてるんと違うの?」

加藤「別に、そんなことないよ。ただ、ええなぁって言うただけ」

優香「『ええなぁ』って言うただけということは、彼氏欲しいんでしょ?(笑)」

加藤「もう、ゆうちゃんったら、私をいじめる」


優香と滝川が笑う。


優香「いじめてないよ。ひっちゃんのホンネが聞きたかっただけやで」

加藤「ゆうちゃん、私、堀川くんじゃないから、いじらないで❗」

滝川「ところで、ゆうちゃんの方はどうなん? 堀川くんのことどう思ってるの?」

優香「どうって、普通やけど」

加藤「いや、ゆうちゃんと堀川くん見てたら、めっちゃ仲良しやし。幼稚園の時から仲良しなのもわかってる。アノ写真見てたらわかるわ」

滝川「そうそう。それに2人の息もピッタリやし、付き合っても自然やと思うで」

優香「そうかなぁ? 堀川くんとは昔からこんな感じでやり取りしてるから、特に変わったこともしてへんし、手先が不器用な所も全く変わってへんし、笑顔も変わらんし、とにかく普通やで」

滝川「その当たり前のように『普通』なのがええんやな」

優香「そうかなぁ…。別に特別扱いみたいなこともないし、日常茶飯事なんやけどなぁ…」


優香は少しため息をついた。

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