第十四話 ドキドキ 正義の大ピンチ!


              ☆☆☆その①☆☆☆


 首に巻かれた悪の鞭に、苦しめられる零ダッシュ。

「ぁああっ–く、苦しぃ…っ!」

「ホラホラどぅした? この程度の締め付け攻撃など、今の俺にとって 指二本程度の力なんだぞ?」

「そ、そんな…ぁぅうっ!」

 苦悶しながらも、正義少女の瞳は、絶望に追い詰められてゆく。

 同時に、帝太郎怪人の「指二本程度の力」という設定説明に、葵のピンチセンサーがドキドキと高鳴り始めてもいた。

 苦悶する少女の大きな瞳が、被虐的な艶を湛えてゆく。

 そんなコスプレ葵の美しく愛らしい姿に、帝太郎はつい、芝居を忘れて魅入ってしまった。

(…なんて Hで魅惑的…!)

 ピンチアピールのポーズもツボを押さえていて、鞭に苦しむ両腕はきちんと脇を閉めていて、両膝も軽く内股でグッド。

 綺麗な眉根は八の形に弱り、しかし怪人を見上げる視線は、屈辱と苦しさの中でも意思強く正義の闘志を燃やす、誇り高い表情。

 まさに、天然天使な被虐の姿だ。

 黒く透き通った葵の瞳が、更なるピンチへの期待で熱っぽく揺れているのを、もはや帝太郎は見逃さない。

(よ、よしっ! も、もっと葵ちゃんが追い詰められるようなっ、責め方を…!) 

 オタク怪人と被虐少女の願望が、交わった視線で一致した。

「ではまずは、そのドライバーからエネルギーを戴くとしようか!」

「えっ!?」

 エネルギーを吸われる→力を奪われる。

 という図式を一瞬で理解した葵の表情が、ドキっと焦燥。

 悪の右手がドライバーに宛がわれると、悪の技が発動した。

「喰らえ! エナジィ・ドレインンンンンンンンンンっ!」

「ああっ–っきゃああああああああっ!」

 帝太郎怪人のセリフと動きに合わせて、変身葵が悶絶をする。

 二人の頭の中では、ベルトの周囲で稲光が轟き、ベルトから悪の右手へとエネルギーが吸い上げられていた。

「ち、力が…奪われてぇ…っ!」

 パワーを失ってゆく零ダッシュは、ドレインの間ずっと感電するように全身を硬直させて身悶えして、責め苦に耐える。

「むんっ!」

 帝太郎怪人が、ドライバーのスイッチをさりげなくオフにして、悪の右手をベルトから離し、技の終了を伝える。

「あぁ…っ!」

 次の瞬間、戦闘の力を奪われた零ダッシュが、ゆっくりと膝から崩れ落ちた。

 肩で息をして、屋上に両膝をつく。

 鞭を掴んでいた両手も、左手が床についてしまっていた。

 対するダーク・メタルは、奪ったパワーでダメージも完治。

「お前から奪ったパワーで、お前から受けたダメージも完全回復したぞ!」

「はぁ、はぁ…そ、そんな…!」

 仁王立ちする怪人の鞭を首に巻かれたまま、膝をついて悪を見上げる、ドライバー零ダッシュ。


              ☆☆☆その②☆☆☆


 戦闘の力を奪われるという絶望ながらも、正義の少女の表情は、いまだ闘志を失ってなどいなかった。

 そんな姿に、帝太郎の心も身体も、グっと熱を上げてしまう。

(あ、葵ちゃんっ…なんて正義のヒロインっぷりっ!)

 少女の強い眼差しは、しかしピンチに興奮している被虐の光で、陽光に輝く程まで濡れていた。

「それではお前も 今までの女戦士たちのように、可愛がってやるとしようか…クックック…!」

「えっ–あぐぐっ!」

 優しく鞭を引かれて立ち上がらされた変身葵は、屋上に放置されていたデッキチェアへと転がされる。

 四隅に設置されている持ち運び用の取っ手へと、左右の手首と足首を開いた姿でチェーン拘束。

「お前の手足は、悪のバインド・チェーンで完全拘束したぞ。今のお前では無論、引き千切る事など、夢のまた夢」

 チェーンに関する設定を伝えると、×字に捕らわれた羞恥責めのヒロインは、弱々しくも必死な抵抗を見せる。

「こ、こんな…手足が、動けない…くぅ…っ!」

 自らの状況を説明して、ピンチシュチュに更なる味付け。

 悪の戦士に捕らえられて、手足を開いた姿で拘束される。

 葵自身も予想していなかったピンチシーンに、被虐の期待感が刺激をされて、ドキドキが高鳴っているのが、ハッキリと解った。

 緊縛に使用しているチェーンは、百均で購入してあったプラスチック製で、軽くて適度な長さもある。

 黒系の塗料でまんべんなく塗装して完成させた、悪の拘束具であった。

 正義の変身少女は、悪によってそのパワーを奪われて、仰向けの開脚拘束という恥ずかしい姿。

 両腕は頭上位置なのでバストが上がり、しかも仰向けだからタプんと上向きで突き出されていて、形も丸く自己主張している。

 開脚させられているムチムチな両腿の間では、ミニスカートがギリギリな感じでショーツを隠していた。

 少しでも藻掻くとズリ上がって下着が露出し、ショーツだけでなくアクションで食い込んだ感じまで、怪人の目に晒されてしまうだろう。

「く…っ!」

 足下に位置するダーク・メタルの視線を意識してしまい、懸命に足を閉じようと藻掻くものの、両足を(優しく)拘束されていては、それすらも叶わない。

 という、辱めのシュチュと弱々しい抵抗。

 そんな変身ヒロインに、悪の戦士は更なる辱めを宣言した。

「その惨めな敗北の姿、世界中の人間どもに晒し、絶望させてやろうぞ!」

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