第6話間違いなく君だったね

 怪我はしなかった。この学校半地下があって、屋根が多い。すぐ下に降りられた。授業中だったんだからいない生徒が犯人。いない生徒がいつも3人以上はいるこの高校じゃすぐにはばれないと思った。なんともない風を装って騒がしい教室に戻って、友だちになにがあったのか聞いた。


「いつものあのこが飛び降りたの!ヤバイよね。あれ?なんか髪ボサボサじゃない?」


「ほんとだ、ちょっと直すね」


 いつもの位置に戻して、下の方におとなしく髪を結ぶ。心臓が破裂しそうなくらい脈うってる。ここまでばれないと思わなかった。まあでも目撃者がいれば、いつものあのこが自分じゃないと言えばそれまで。


 そう思ってたのに彼女も言ってこない。同じ教室、派手な彼女。そのうちに私は嬉しさが薄れてしまった、なんで誰も気づかないの、先生ですら友だちですらこんな狭い教室であんな大胆なことをしたのに。怒りすら覚えるようになった。



「そういえば君だったね」



 嬉しくて顔をあげたら、



「この写真、写真部の君が撮ったんだろ?」



 先生が見覚えのない私が飛び降りた写真を持っていた。先生はそのあともきれいに撮れてる、やっぱ写真はうまいひとが撮るのが間違いないな。と話している。



「先生、実はその写真に写ってるのが私なんです」


「なに言ってるんだ写ってるのは○○○だろ、間違いなく」


「違うんです!」


「大丈夫だ、授業サボって写真撮ってたのは怒らないから」



 違う!違うのに!

 間違いなく私なのに

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間違いなく君だったよ 新吉 @bottiti

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