第67話 はぐれ雲


川沿いの道を行く


息を切らしながら


軋む自転車のペダル


水音に溶けていく


車道よりも少し高い


橋の上立ち止まって


見上げた青の中


はぐれた雲ひとつ


届きたいと手を伸ばす


精一杯背伸びして


ほら、ほんの少しだけ


空に近づいた

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