シンプルでいて大変美しい物語だと思いました。
これは蛇足かもしれませんが、
美冬が何故美冬なのか。
秋人が名付けたので良いのではと思いました。
それと、美冬とその村の関係性ですね。
人間が社を建てたのでしょうから、何か必要でしょう。
例えば水神のような存在であったとか。
美冬を奉ることで水害から村を守ったとか。
それならば、雪が雨に変わった件は納得がいきます。
他にも、豊穣の神とか、今はやりのアマビエのような疫病退散の神であったとか。
恐らく、人間よりも先に存在していた美冬の所に人間が来た。そして関係性が生まれたと思うのです。
全部説明する必要はないと思いますが、その辺がストーリーに滲み出てくればもっと良くなると思いました。
これはあくまでも個人の感想なので、適当に聞き流してもらえれば。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
美冬の名前を秋人が付けた。素敵ですね。その案もらってしまおうかしら。
村と美冬の関係性について。二人の結びつきに焦点を当てたかったので他を極力薄く書きたかったのですが、薄すぎて美冬の存在自体が希薄になってしまったでしょうか。
ご指摘ありがとうございます。
編集済
企画から来ました!
前編と後編で視点の変わる構成が面白いと思いました。
最初、芥川龍之介の「藪の中」にも似た描き方のように思いましたが、違いました。
各々の主張が謎を呼ぶのではなく、読み進めるうち秋人と美冬、二人のリンクした情感を確かめられる優しいお話しだと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
「藪の中」みたいな複雑なことはとてもできません。
片方の視点だと話の奥行きだせないと思ってのこの構成です。
コメント残せていませんでしたが、D・Ghost works様の作品の情景描写とても参考になりました。
レビューもありがとうございました!身に余るような素敵なレビューを頂けて嬉しいです。
企画から来ました。
秋人と美冬のパートをわけた少ししんみりする優しい物語でした。
ストーリーラインも綺麗です。
あくまで私の感想で指摘という程のものでもないのですが、綺麗なストーリーが全体の説明的な文章のせいで生かし切れていないかなぁと思いました。
たとえば森の描写をはさんだ上で、木々に話しかける美冬を描けば、『ここは美冬一人しかいないので、言葉はすべて独り言だ。』の文はなくても成立します。
説明的な文章だと抑揚がつけにくく、物語全体が淡々とした雰囲気になっていると思いました。
これがふたりの物語ではなく、万之葉様が誰かに言い聞かせる物語としてこの作品を書いたのでしたらそれは成功しているのかもしれません。
あくまでわたしの感想なので気にしないでくださいね。
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そして、ご指摘ありがとうございます。
“ここは美冬一人しかいないので、言葉はすべて独り言だ。”
確かになくても成立しますね。
淡々とした文章になってるなぁとは自分で読みつつ感じてはいました。文章の抑揚難しいです。
まだまだ修行が足りません。
いろいろな人の物語を読みつつ、いろいろな話を書きつつ、作品の精度を上げていければと思います。
後半の、美冬の視点のパートが印象的です。あどけない女の子としてのカミさまの心情に寄り添った文章が、ほとんど人間と変わらないものとしてえがかれていて、それが自然描写をやさしいものにしている気がします。心地よいアニミズムの世界観です。
自らを「そうするために存在するもの」と認識する美冬のレギュレーションと、企画作品という物語のレギュレーションが、なんとなくリンクしているような気がして面白かったです。すぐに寂しがってしまう美冬が、これからも寂しくなりすぎないことを願います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
人間とは異なる存在であっても、人と交わることで人間らしい感情が得られるのではという思いで書いてみました。それが美冬にとって良いことなのかはわかりませんが。
レギュレーションのリンク、思っていなかった視点です。
美冬がどうしたら寂しくなくなるか考えていたらものすごく壮大な話が出来上がったので、いつか書くかもしれません…いつになるかわかりませんが。
切なくても暖かさを感じました。人間には目まぐるしい日常があるけれど、美冬にはずっと同じ風景が横たわっています。心は重なっても埋められないものがある切なさが見えました。雪の情景もすごく伝わってきて美しかったです。