~結~ 前編
「…………さて、メインイベントだ」
謁見の間へと続く長く広い廊下。
あの先にある扉を開いた時、どんな光景が目に飛び込んでくるのか……
大丈夫、二人は無事だ……
自分に言い聞かせるようにと進みだした、その時であった。
「――――待っていたぞ」
柱の陰から姿を見せた者。
よく目を凝らせば、柱に寄り掛かかり気を失っている少女の姿もあった。
「…………ルクルーゼ……こんな所でどうしたんだ? 大変な事になっているんだ、お前の力も借りたい」
「…………」
俺は何を……笑っちまうぜ……この状況でルクルーゼがこっち側な訳ないだろうに……
「……ルクルーゼ、ミスティ……ミスティリアはどうしたんだ?」
「……安心しろ、気を失っているだけだ」
「そうか……そりゃ安心。……ところで彼女はどうして気を失っているんだ?」
本当は聞きたくない。
ミスティが無事だと分かり心に余裕が出来た俺は、友も失いたくないと言う欲で満たされてしまう。
「……驚いたよ、あのミスティリア王女殿下がここまで強くなられていたとは。――――俺も少し本気を出してしまった」
確定する。
理由はどうあれ、ミスティに手を出したのはこの男。
騎士が主に剣を向けた……許される事ではない。
「……そりゃ、俺が教えたからな」
「……っふ、そうだったな」
微笑すると同時に剣を引き抜くルクルーゼ。
真っすぐとシュバルトへと向けられた剣先に迷いはない。
しかし、目には迷いがあるように俺は感じた。
「……ルクルーゼ、最後に聞くが…………戻る気はないんだな?」
「……あぁ、すまない。俺にも引けない理由があるのだ」
なにか引けない理由がある。
その言葉を聞いた俺は、甘い考えを持ってしまう。
とりあえずルクルーゼを無力化し、それから理由を問おうと。
ルクルーゼの背後に転移した俺は、無防備な背に打撃を与えようとした。
しかし……己の力を過信し、なんでも出来ると勘違いした俺の肩を、ルクルーゼの剣が貫く。
「……その戦い方は聞いている。目には見えなくとも、現れる場所が分かっていれば対処は可能だ」
「ぐっ……」
肩を押さえ後ずさる。
血を流したのは久しぶりだ。
「……俺を殺す気で来い、俺はそれだけの事をしたのだ」
「ルクルーゼ! なんか理由があるんだろ!? 話してくれよ? 俺が力になるから!」
「……甘い事を言うな、俺はお前の敵だ! ……分からないと言うのであれば、分からせてやる」
ルクルーゼの剣がミスティに向けられる。
その目にも剣先にも迷いはなかった。
「や、やめろぉぉぉぉぉ!!!」
すんでの所でミスティを抱きしめ、無様な姿で転がり回る。
腹に風穴を開けられつつも、何とか大事な人だけは守り抜いた。
「あっぐぅ……」
「情けない先生だ、生徒の方が脅威であったぞ? お前は考えが甘すぎる…………全てが丸く収まり、全てを救えると思うなっ!!」
迫りくるルクルーゼ。
当初見せていた迷いなど一切ない。
俺は、甘い。
そうだな……その通りだ。
……でもいいんだよ、それが俺だ。
皆が幸せになる為に足掻く事の、何が悪い!!
「……はぁぁぁぁ!!」
ルクルーゼの剣と俺の刀が交差する。
俺は頬に切り傷が作られただけ、腹は痛むが、動けなくはない。
「……ぐぅぅぅぅうっ!!」
倒れたのはルクルーゼ。
剣を持つ為の手の筋と、立つ為の足の筋を切断した。
見た目は大した事のない怪我だが、もう彼はしばらく立つ事すらままならない。
「……甘いな……その技術があれば、俺の命なんて簡単に奪えるだろう?」
「……甘くて結構。……最後まで足掻いてやるよ」
「……それは、迷惑な事だな……」
ルクルーゼはそう言うと目を閉じる。
シュバルトは腕に抱いているミスティを揺さ振り覚醒を促した。
「おい、ミスティ! 大丈夫か? ミスティ!!」
「う……う~ん…………あれ……ここは…………先生!?」
目の前に愛しの先生の顔がありテンパる少女。
外傷はなく、元気そうだと俺も安心する。
「……大丈夫そうだな? 立てるか?」
「あ、うん。……別にもっと抱いていてくれていいのに……って先生!? どうしたのその傷!?」
自分の事より俺の事を心配する彼女が愛おしい。
怖い目にあったはずなのに、いつも彼女は気丈であろうとする。
ミスティがお姉さんって話だが、実際はセレスの方が肝が据わってる感じがするがな。
「これは~ちょっとなぁ、ルクルーゼと遊んでたらヒートアップしてしまって……」
「……ルクルーゼ!! そうよ! あいつ、急に私に襲い掛かってきて……って、あぁぁぁあ!?」
隣に倒れているルクルーゼを見つけ、大声を出すミスティ。
ルクルーゼの体がビクっとなったのを俺は見逃さなかった。
「ルクルーゼ!! なにこんな所で寝ているの!? 私を襲ったのは許せたとしても、先生を傷つけた事は許せないわ!! ……なんとか言いなさいよ!?」
ばつが悪そうな顔をするルクルーゼ。
こんな顔は初めて見た、面白そうだし黙って……ってそんな時間ないんだった。
「ミスティ、それ所じゃないんだよ……実は――――」
今までの経緯、そして現在の状況を説明してやる。
徐々に驚愕の表情に変わっていくミスティ、そりゃ驚くよな……
「……貴方!! 先生を騙したの!? 信じられない! クビよクビ!!」
「……ミスティ、人事権を発動させている場合じゃないんだ。……俺はセレスを助けに行く、お前はここで――――」
「――――嫌です先生……こんな奴と二人でいるなんて……先生の傍に居させて下さい!」
「……随分と嫌われたものですね……仕方ありませんが……」
「黙りなさいっ!! 誰が口を開いていいと言いましたか!?」
謁見の間にセレスはいる。
それは間違いない。
扉の向こうから強大な魔力を感じる……今は安定しているようだが、何故ずっと放出しているのかが気になる。
「……その扉の向こうにセレスレイア王女殿下はいる……
ミスティの罵詈雑言を流し、ルクルーゼは静かに声を出した。
隣でギャーギャー言ってるミスティ、少しだけ静かにしてほしい。
「……アイツ……なるほどね。……お前、人質かなんか取られているんだろ?」
「っっ!!??」
「……図星か。悪の親玉……その思想に共感したってんなら、アイツ呼ばわりなんて普通はしない。……敬意を感じない言葉に迷いを覚える目、何か弱みを握られているのは明らかだ」
となると……アイツしかいねぇな……
あの演習場で感じた憎悪ある視線、信じたくはないが……
「ずばり!! 犯人は何とか大臣の何とかだ!!」
「「…………」」
二人が何言ってんだコイツ? みたいな目で見てくる。
ルクルーゼの表情に変化はないが、ハッとした表情をしたミスティが俺にそっと耳打ちをして教えてくれた。
「…………オッホン!! ……犯人は防衛大臣のる、る、る……」
「先生、ルビートスです、ルビートス」
またも可愛い小声で教えてくれるミスティ。少し恥ずかしくなってきた。
「犯人は防衛大臣のルビトースだ!!」
「っもう! 先生ったらぁ」
また間違ったか? でもミスティは最高の笑顔で俺に拍手を送ってくれている。
間違いだとしても問題ないな。……しかし、典型的な男をダメにする女かもしれん……
「……違う……ルビートスは俺の父上だ……」
「え……父上が悪の親玉なのか……?」
なんてこった! こりゃあ……やるせねぇぜ……
「そんな訳あるかっ!! 父上はこの国のため身を粉にして働いている!! その父上の命が掛かっているから俺はっ…………あ」
えぇぇぇぇ……人質はお父様?
普通は異性じゃん? 彼女とか……奥さんとか……ナタリアだろ? お前の彼女。
「……今から変えてもらえよ、人質」
「なっ!? 何を言うか!? 失礼な奴だ!! 家族を大事にして何が悪い!?」
ルクルーゼがお怒りだ。今までで一番怒っているかも。
確かに、俺が悪い。
しかしなんだろうな……どうしてか急に同情出来なくなった。
「……よっし分かった! 気が乗ったら父上も助けてやる! でもセレス優先だから……どちらか片方とか選択迫られたら、セレスを選ぶので……悪しからず……」
「……分かっている……俺は負けたのだ、これ以上口を挟むつもりはない……」
あら、物分かりのいい。
俺なら絶対嫌だけど。セレスやミスティとその他大勢の命だったら、前者選ぶよ絶対。
「……じゃ、行ってくるな……ミスティ、行くぜ?」
「はい! 先生っ!!」
そう言って腕を絡ませてくるミスティ。デートじゃないんだけどな……
それに血でドレスが汚れるぜ? それを言ってもお前は笑うんだろうけどな。
「――――待て」
扉の方の歩き出したカップルに制止の声が入る。ルクルーゼからだ。
「もうっ! ルクルーゼ!? なんなのよ、口を挟まないと言っておきながら! デートの邪魔しないでっ!!」
「おい、本当にデートだと思ってたのか? この状況で……」
「……聞け。近衛騎士の中に、アイツの息のかかった者が潜んでいる。……何をさせるつもりか知らんが、王達が危ない……」
近衛騎士……いや、王達は無事だよな? 魔獣から王達を守ったくらいなんだ。
殺すならとっくに殺しているはず…………あの時は生かしておく必要があった?
「…………まずい、結界術式を壊すつもりだ……」
「む? 結界術式を? しかし近衛騎士が術式部屋を知っているはずが……」
「……結界に揺らぎが出たんだ。それを補強する為に王妃達を術式部屋まで連れて行った。……数人の近衛騎士も一緒にだ……」
まずい、まずい、まずい!! もし息のかかった近衛騎士が複数、もしくは全員だとしたら……
急いで窓の外を見てみるが、まだ結界は発動しているようだ。
「……術式部屋に行かないと――――」
「――――先生、私が行きます」
いつの間にか腕を放したミスティが、俺に力強い目線を送って来る。
本当に、強くなったよ……
「……分かった、ミスティに任せる。場所は分かるか?」
「もちろん! 王家の人間ですから。……でも、一つだけお願い……聞いてくれますか? ……最後かもしれないから、ご褒美が欲しいです……」
「最後なんて言うなよ……これが片付いたら、いくらでもくれて――――」
「――――今すぐ欲しいの……」
精一杯背伸びをし、俺の唇に自分の唇を重ねるミスティ。
ほんの一瞬。
だけど時が止まり、永遠のように感じられた口づけは、少女の方からゆっくりと離れ時が動き出す。
「えへへ、ファーストキス……あげちゃった。……先生は?」
「…………あ、はい、初めてです……」
「やったっ! じゃ先生、また後で。セレスの事、よろしくお願いします!!」
小さくガッツポーズを決めたミスティは、惚けているシュバルトを置いて術式部屋の方まで走り出していった。
「……おい、いつまで呆けている。……まったく、俺がいるのを忘れてないか?」
「あ、うん……忘れてないよ。じゃ……俺も行ってくるねぇ~」
「……大丈夫か? あいつ……」
ルクルーゼの心配を他所に、ついに謁見の間の扉を開け放つ。
そこはまるで魔力の渦の中。本来可視化なんてしない魔力がハッキリと見える。
その渦の中心には、セレスが感情をなくしたような表情で佇んでいるのであった。
―――――
「セレス!! 俺だ、シュバルトだ!! 聞こえるか!?」
大声を張り上げるも、セレスに反応はない。
目は開いているが、虚空を見つめるその目には生を感じられない。
「くっそ……なんて魔力だよ。……しかしこの魔力、何処かで……」
セレスに魔術を教えていた時、内包する魔力の大きさには気づいていた。
でも何処か人為的な魔力っぽくて、後天的に植え付けられた別の魔力って感じがして、関わるのを止めた。
「数日前の自分を殴りたいぜ……あの時、セレスの魔力に対して動いて入れば、こんな事には――――」
「――――本当、それには感謝しています。おかげで何とかここまで漕ぎ着ける事が出来ました」
玉座の後ろから声が聞こえた。
悪の親玉の登場か……オッサンの声じゃないのは間違いないな。
「これはアンタの仕業かい? 魔力が暴走しちまうぞ? このまま続けたらこの国は吹っ飛ぶ」
「それが目的です。この国に絶望を与える……安心して下さい、魔力暴走で気が付いたら死んでいた……なんて事にはなりません。……この魔力は魔獣をおびき寄せるただの餌です」
なるほど……道理でこの魔力、魔獣の魔力に近い訳だ。
セレスに後天的に埋め込まれたのは魔獣の魔力……本来なら魔獣の魔力は人間の器に収まるような物じゃない。
どうやったか知らないが、セレスの巨大な器は、魔獣の魔力の受け皿に選ばれちまったって訳か……
「ならもういいだろ? 外界から魔獣達が押し寄せて来ている……ミッションコンプリートだ。セレスに恨みがある訳じゃないんだろ? 放してくれよ…………なあ――――」
玉座の後ろより人影が現れる。
「――――ナタリア」
そこに居たのはミスティとセレスの専属メイド、ナタリアであった。
「あら、あまり驚きませんね? もう少し驚く姿を期待していたのですが……」
「驚いたさ、演習場であの姿を見た時はな」
そう、演習場で拍手の一つも送らないで睨みを利かせていたのはこの女だ。
「……やはりあの時ですか……あれは流石にやらかしましたね。我慢ならなかったもので……のうのうと生きて、皆から賞賛を浴びているあいつ等の事が!!」
本性が現れたな……何か理由があるんだろうが……あの憎悪に満ちた表情、異常だ。
「でもアンタ、俺に王女達を救ってくれって頼んだ張本人だろ? 黙ってりゃ今頃二人は死んでたんじゃねぇのか?」
この国で最初に出会い、声を交わしたのがこの女だ。
あの時こいつは王女達を救ってくれと俺に依頼した。
「ええそうです。……流石に焦りましたよ? 門を出て王女達の元へ向かおうとした時、目に飛び込んできたのは世界最強とも言われていた伝説の
数年……ああ、魔境大掃除していた時かな?
「貴方の話も聞いておりました。頼まれれば断れない、依頼引受率百パーセント……まったく、厄介な存在ですよ」
すみません。断りたくても、断れなくて……
「あそこで貴方をスルーしたとしても、王や騎士団から貴方は依頼を受けたはず……そして見事に王女達を救って見せたのでしょう。であるのならば、私が依頼してもしなくても同じ事……なら少しでも疑惑の目を私から遠ざけようとする行動は、おかしな事ではないでしょう?」
なるほどね……まぁ俺が依頼を受けたかどうかは……受けただろうなぁ……
「貴方のお陰で計画は遅れましたが、貴女が王女達に気に入られた事ですんなりと事が運びました。見物でしたよ? 貴方の頼みだと聞かされたセレスレイアが、騙されているとも知らずに協力してくれたのですから」
う~ん、確かに俺からの頼みって事なら、セレスなら疑わないだろうな……自分で言うのもなんだけど。
「この数年間、魔獣の魔力を少しずつセレスに送り続け、この国を吹き飛ばすだけの魔力を溜め続けました……そして今日、再び計画を実行した」
そりゃまた、執念深い事で……
「さて、計画は最終段階です。あの防御結界が崩れた時がこの国の最後……私の
「――――それはねぇよ? 俺の教え子が向かったからな?」
「……ミスティリアですか? あんな小娘が近衛騎士に勝てると思っているのですか?」
「その近衛騎士ってのは、ルクルーゼよりも強いのか? 俺の見立てじゃ今のミスティはルクルーゼと同格だぜ?」
「…………だとしてももう遅いっ!!」
ナタリアが腕を振るう動作を見せた。
その瞬間、魔力の渦が輝きだし、一部の魔力が姿を変え始める。
「うぅぅぅぅ…………」
「セレス!!」
セレスの苦しそうな声、それと同時に形を変えた魔力が俺に襲い掛かって来た。
「魔獣!? お前が魔獣を生み出していたのか!?」
「何を驚いているのです? まだまだですよ? ……行きなさい!!」
更に生み出される魔獣達、数は十匹程度か……
正直この程度どうとでもなるが、問題はセレスだな……
襲い掛かって来る魔獣達を切り伏せる。
右手に刀を持ち、左手は魔術を効率よく発動させるためにフリーとする。
「……なんだこいつ等、斬っても斬っても再生する!?」
「それはそうでしょう。この子達は肉体を持たない、魔力のみで作られた魔獣なのですから」
魔力のみ……それならば……
俺は機を窺う。魔力のみで作られた魔獣どもを無力化する方法はある。
だが無力化した所で、再び魔獣を生み出されれば意味がない。
魔獣を無力化しつつ、ナタリアの事も考えなければ……
「どうしたのです!? 逃げ回っているだけではどうにもならないですよ?」
くそ……また魔獣を生み出しやがった……セレスの表情を見るに、あまり時間は掛けられない!
「『ディメンションブレード』!!」
次元の一振り、この世界とは違う次元の亀裂を作り出す事で、相手を攻撃する。
この世界に存在している者達に抗う術はない、無属性魔術の極地の一つだ。
「なっ……!? 再生しない!? 貴方、それはなんです!?」
「答えると思うのかよっ!!」
ナタリアが驚いている隙に距離を詰める。
ナタリアさえ無力化してしまえば、魔獣を生み出される事もない。
強引になってしまったが仕方ない……傷つけたくはなかったが、腕の一本くらいは我慢してもらおう。
「————これでっ…………がぁぁっ!?」
腹部に走る強烈な痛み……目を向けると、そこにはナタリアの腕が差し込まれていた。
ルクルーゼに開けられた傷口を的確に狙って来やがった!?
「……少々焦りました。しかし攻撃が雑でしたね? ……何か勘違いしていませんか? 私がいつ戦闘出来ないと言いましたか? これでも外界を渡れる程度には、体術に心得があります」
体術……己の体を武器として戦闘を行う武術。
忘れてたぜ……そういや一人で外界を渡ろうとしていたっけな……
「ぐぅぅ……くそ……効いたぜ……」
「……信じられないタフさですね。致命傷のはずですが……まぁいいです、これで終わりですっ!!」
魔獣の群れが襲い掛かって来る。これが絶望か……
ふざけるな……こんな所で終わる訳にはいかねぇ!!
すんでの所で一体目の攻撃を回避する。しかし、僅かに生きていられる時間が伸びただけ。
「……くっそがぁぁぁぁぁ!!!」
必死に絶望に抗うシュバルト。
自分は今まで、絶望を届ける側、希望を送る側。
今まさに、人生最大の絶望が送り届けられる……
今の彼に希望はない。
――――しかし、彼にも希望を届けてくれる者達はいた。
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