1膳、されど2本。_210513
長年にわたり愛用してきた
それも1本ずつに、です。
箸を胴体としたカマキリちっくなものではなく、頭が箸の、世に言う〝
ところで、体のほうはというと。
『おい! 俺らってものがありながらヨソの男を使おうだなんて、見損なったぜ!』
『そうですよ! 僕ら、貴女の愛があってこそ体を持てたんですから、使ってください!』
口は無いので実際にそう言っているかは分からないが、ジェスチャーから察するに、大体こんな感じで間違いないだろう。
じゃあ、体がジャマで持てなくなったというのに、どう使えというのか? 答えはシンプル。そう、食べさせてもらうのだ。
――そこまで書いて、手を止める。
なるほど、異形頭もまた擬人化には違いない。だが、求められているものはそこか? 自分の書きたいものも、これなのか?
箸同士のBL、使用者・女との三角関係にも展開できる便利な設定。ニッチなファンには受け入れられるだろうが、何かが違う。
抱き合ってご
長年にわたり愛用してきた菜箸に、このたび手足が
それも、1本ずつにではなく
頭にあたる部分が箸。つまり、キングなギドラに1つ足りない
「ゴ主人、ゴハン、食ウ?」
モジモジクンよろしく、ピチッとした黒タイツを
――それだけ書いて、また手を止める。
なぜこちらは菜箸なのかと言えば、
いやいや待て待て、そういうことじゃない。
擬人化しようとした対象が箸だから悩んでいるんじゃなかったか?
異形頭にこだわるのがいけないのだろうか。だって、完全にヒトにしてしまったら
おっと。これ以上は自主規制だ。
===
〔2018.09.05 作/2021.05.13 改〕
=========
* 黒井羊太さん主催「ヤオヨロズ企画」参加作
* 手足を生やすだけでも「擬人化」なんでしょうが、どうしてヒト型で書かないのかなと思っての今作。角刈り頭を丸坊主にしていこうぜ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます