もしも、あなたの声がきけたなら_190601

あなたの声がきけたなら、それだけでこの心は高鳴るのに。

あなたの声がきけたなら、気持ちの荒波も細波さざなみに変わるのに。

あなたの声がきけたなら、ふいににじむ視界だって晴れるのに。


――焦がれたあなたは もう居ない。


「変わっていかないで」とは言えないけれど、

「変わらないでいて」とは ずっと願ってた。

でも、変わったのは私のほうかな。

あなたは きっと、あの頃のまま。



もしも今、あなたの声がきけたなら。

この心は荒れるかもしれない。

なさけなく大泣きしてしまうかもしれない。

嬉しい気持ちも楽しい気持ちも、

落ちて、冷えて、私をふるわせるのかもしれない。


それでも、あなたの声がきけたなら。



===

もしも、あなたの声がきけたなら

〔2016.06.01作/2022.09.25改〕

=========


* 個人企画への参加でWritoneに投稿した詩作。一応『もしもの話』が旧題でしょうか。


* 解釈によって「最後の言葉に込める想い」がけっこう様変わりすると思っていて、どう朗読されるのか楽しみでした。実際は「あなたの方言で聞きたい」が主旨の企画だったのですけれども。

(2022.09.25)



===

以前のバージョンが好き、という人が

居るかは分かりませんが併せて載せておきます。

===


あなたの声がきけたなら、

それだけでこの心は高鳴るのに。


あなたの声がきけたなら、

荒波も細波さざなみに変わるのに。


あなたの声がきけたなら、

にじむ視界も晴れるのに。


――焦がれたあなたは もう居ない。


「変わっていかないで」

   とは言えないけれど、

「変わらないでいて」

   とは ずっと願ってた。


変わったのは私のほうかな。

あなたは きっと、あの頃のまま。



もしも今、あなたの声がきけたなら。


この心は荒れるかもしれない。

泣き叫ぶかもしれない。


嬉しい気持ちも楽しい気持ちも、

落ちて、冷えて、

私をふるわせるかもしれない。


それでも、あなたの声がきけたなら。

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