第2話 本格的な訓練開始

夜中にこっそりと訓練所に向かう千春さま、実は誰もが知っていて、お咎めなし状態なのである。

それは、千春さまは救い上げられた人間の魂の転移体、罪なき魂で純血の神さまじゃないから、

前世の魂の記憶は抹消されており、特別な儀式で力を授かったのは良かったのだが今のところ、目立った特別な力は発揮されてなかった、昨日までは舞冬まふゆは昨日こっそりと千里眼で千春さまを監視していたら、訓練所で今まで壊せなかった木偶人形をいとも簡単に壊してしまった。


「これは!人形の頭のに触れていない?」


確か触れずに物を壊すことは、可能なのだろうか?


「これも長老様に報告対象ですね!」


自分の部屋でこっそりとメモ帳に記入する。


「あぁ!もう何であんなに馬鹿ぽっいのに訓練していると凛々しくなるんだろ。これは個人的なメモ帳に記入と……」


手をお祈りのポーズで舞冬まふゆはニヤニヤしながら個人的なメモ帳に記入するのが舞冬まふゆの日課なのである。


話はさかのぼり昨日、長老様に報告した理力の篭手と訓練所の手に触れずに人形の頭を吹っ飛ばした件を報告する舞冬まふゆ戦闘経験がない為

武術の類はからっきしなのだが、言ノ葉は誰にも負けない技術を持っている。


「ふーむ!触れずに木偶人形の頭を吹っ飛ばしたそれは遠当てじゃな、ここに来てやっと千春の神力が発揮されたか!理力の篭手の色の件はな、神の属性が色に出るのじゃ千春は紅色と言うことは炎じゃがまだ、火の状態だから後からもう一段階色が変化するはずじゃ!」


「なるほど!」

舞冬まふゆは千春さまのデータをメモ帳に書き写し今後の方針を長老と決めていた。


「では!明日の朝、りんごとロープを用意して遠当ての訓練を開始じゃ木偶人形を修理するのが大変じゃからな!」


「解りました!どんな手を使っても明日の朝には千春さまを訓練所まで連れて行きます。」


「しかし、舞冬まふゆお主も直接来れば良いものを千里眼同士で話すのは止めぬか?ワシが疲れるわい!」


「いえ!これは私の訓練にもなりますので、耐えて下さい」


「鬼!」


翌日、寝ている千春さまを腕だけ縛り、舞冬まふゆは念の為に神力を練って舞冬まふゆの意思でしか解けない状態にしている。


「ちょっと舞冬まふゆ何で私を縛ってるの!」


「それは!千春さまが逃げるからです、逃げたが最後私では捕まえることはできません!」


「しかも、このロープかなりの神力が練ってあるし、これは流石に逃げれない!」


千春さまは晒し者のような格好になり舞冬まふゆの引っ張るロープに引っ張れながら、周囲の巫女達についに舞冬まふゆが千春さまを捕まえたと噂される。


舞冬まふゆ流石に恥ずかしいんだけど、逃げないからロープはずして!」


「いーえ!できません!千春さま、長老様からのご命令ですので。」


たわいのない、話をしながら訓練所に着いた。


舞冬まふゆご苦労じゃった。ついに本格的な訓練を千春さまに受けさせることができる。」


舞冬まふゆ理力の篭手は持ってきたか?


「長老様、私の神具は物を圧縮して運ぶ能力ですのでこちらに……」


素手で触ると火傷する熱さなので、物同士だと熱は持たない元に入っていた箱に入れて箱自体を運びやすく小さくして運んで持ってきた。


元々、舞冬まふゆは神さま見習いで、能力が

戦闘向きではなかったので、舞冬まふゆは自ら辞退し、千春の世話係を長老に頼み込んだのだった。


「まったく!舞冬まふゆお主は抜け目がないのう」


「長老様!何をおっしゃいますか?世話係として当たり前です!!」


「私の篭手!コレをどうするの?」


「千春!お主にはコレを着けて訓練してもらう、畳1枚用意するから畳に穴を開けるまで訓練じゃ!」


畳を1枚穴を開けるまで訓練所から出れないように

外からかんぬきを長老は閉じ込めてしまう。


「千春さま!頑張ってください私は外から応援してます。」


しぶしぶ、訓練所の中に入って行く、千春さま

畳を盾代わりに持つ木偶人形、一体用意されており水や食料の備蓄も備わっている。


「まったく、もう!2人とも強引何だから!」


殺風景で床はフローリングになっており、床がひんやりして、少し気持ち良い。


「待って!他に誰かいる?誰?」


(ザーガッガッ聴こえますか1008番、潜入できたみたいね。)


声は聴こえるが、姿が見えない1008番とは誰なのか?


常に舞冬まふゆは千里眼で千春さまを監視しているが、訓練所の中では千春は1人で木偶人形を見て独り言をいっているだげのようだった。


舞冬まふゆ中はどうなっておるワシは疲れて千里眼は使えぬ壁に映せ壁に!」


「まったく!長老様、注文が多すぎですよ、解りました壁に映します!」


木偶人形と対面して、千春は固まって動かない、

ついにはフラフラして篭手を着ける暇もなく倒れてしまった。


(奴らが来たか体力を温存しておくように1008番任務遂行の為に!また来ます。)


千春さまが倒れてしまった為、訓練は中止になり、訓練は3日後になった。


夜中に訓練をしていた為、疲れが出たのだろうと医者が3日は休むようにと診断が下された。


翌朝、千春さまは目が覚める。

「何で布団で寝てるの私?確か変な声が聞こえて!うっ」


思い出そうとすると、ズキズキと頭が痛くなり、頭を両手で頭を押さえる。


「千春さま、訓練所に入って木偶人形を見つめていて倒れたんですよ!覚えてますか?」


そう!千里眼で訓練所にいる、千春さまを壁に映し長老と2人で見ていた、声は何を言っているのかわからなかったが数分後、千春さまは糸が切れたように、倒れてしまった。


「ダメだ!何も思い出せない、訓練所に入ってここに運ばれて何日目?舞冬まふゆ早く訓練しなきゃ奴が来る?」


自分でも何を言っているのか、わからなかった


「どうやら?気が動転してる様ですね。千春さま!訓練はともかく、誰がどこに来るのですか?」


舞冬まふゆは食事を用意してテーブルの上に置きもう1度聞く。


「千春さま!倒れたんです身体は大丈夫ですか?」


舞冬まふゆ私は大丈夫、篭手を用意してもう一度訓練所に行く!」


パンを齧りながら、心配する舞冬まふゆの話を聞いてなかった。


「ダメです!まだ、倒れて1日目ですが無理をされては医者から3日は休むように言われてます!」


本当はやる気のある、千春さまには自由に動いて欲しいが、また倒れてしまっては意味がない。


パンを食べ終わった、千春さまはスープを飲みほして、出かけようとしてドアノブに手を掛けた瞬間ブーブーと警報がなる。


「長老様が3日までここで過ごすように結界を張っていかれました!話を最後まで聞くように。」


ほっぺたをつねりながら、舞冬まふゆは話す


「痛い!痛い舞冬まふゆわかった!わかったから〜」


「千春さまは、物事を軽く考えすぎです!今日は言ノ葉を勉強してもらいます!いいですね。」


1日目、言ノ葉の勉強が始まった。

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