10: アカペラで川岸に立ち朝の歌
早朝、薄曇り。
川岸にやって来ると木の香りが際立つ。
鳥の声だけが聞こえる林の中を、人影がないのを幸い「さあ、太陽を呼んでこい」を歌いながら歩いていたら、一段高くなっている道で高齢の男性が立ち止まってじっとこちらを見ている。
聞き惚れていたのか、それとも見とがめていたのか。
急に歌をやめるのもこちらの戸惑いを見透かされるようで、何となくシャクで、気が付かないふりをして、それでも幾分かボリュームを落として歌いながら通り過ぎた。
次からは周囲の警戒レベルを上げよう。
「さあ、太陽を呼んでこい」は若き作家時代の石原慎太郎の作詞による1963年発表の歌。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます