8. 朝まだき鳥と私が森林浴
五月、朝五時半、快晴。
工兵橋を渡って対岸の林の中を行くと、清々しい木の香りでいっぱいだ。
鶯のさえずりも川を渡ってくる。
この木の香りはフェトンチッドといい「植物が発する殺菌作用のある揮発成分」のことをいうそうだ。
このフィトンチッドを森の中で浴びることを森林浴というが、今では医学的裏付けもなされ、「森林医学研究会」も発足している。
それによると森林浴には「がん細胞を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞を活性化させる効果」があり「「不安な気持ちや落ち込み、疲労が改善され」また「アドレナリンやノルアドレナリンといったストレスホルモンの値が低下し」かつ「血圧や血糖の改善、生活習慣病の予防にもつながる」そうな。
とすれば、散歩をすることによって私は日常的にミニ森林浴をしていることになり、私の「生活習慣健康」はそれに負っているところが大きいのかもしれない。
ジョギング中の女の人、自転車の男性から「おはようございます」と声を掛けられる。
いずれも未知の方だ。
今日の私の背中には声をかけたくなるオーラのような何かが漂っていたようだ。
ひょっとするとこれもまだ発見されていない森林浴効果の一つかも。
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