第3話夜会 Rosetta view

ある日、伯爵家に夜会の招待状が届いた。

宛名は私、ロゼッタ·ヴィオラ·サースシー。

どうやらレスト公爵家からのよう。

レスト公爵家のオーロラ――クリスティン嬢は、先日闇の森の神王妃になった絶世の美少女。

仲はいいから断るのもなんだし、行こうかな。

私はすぐに、自分の部屋に戻った。

この間の、王宮の夜会で着ていた黄色のドレスを取り出す。

公爵家で私がいつも入っている奥の目立たない扉から、いつもいる花瓶のそばの目立たない定位置までの光でできる影を脳内で追いながら、私はドレスに手を当て力を込めた。

いい感じに公爵家のシャンデリアの色のドレスに仕上がったかな。




そっと、誰にも気づかれないように。

私は奥の目立たない扉から公爵家の広間に入った。

でも、なんだか今日は、ご令嬢が多いみたい……

定位置に移動し、シャンパングラスを受け取って息をつこうとすると……


カツッカツッとブーツの音がした。

見ると、えーっとあれは……オーロラの3番目のお兄様かな?

って言うか、まっすぐ私の方に向かってくるんですけど!?

あ、もしかして「私はそこがいいからどけ」ってこと!?

うん、きっとそうだよね。

なら私もはけないと……

私が脇にはけようとすると、いきなり手首を掴まれた。

まあ、掴まれたと言っても手を取られたみたいな感じだけど。


そうして、彼は衝撃の言葉を告げた。


「私と……踊っていただけないだろうか……?」

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