第20話



 妖精さんがやられちゃった。


 許さない。夢見はステッキを出してティンクルスターを撃った。


 お星さまはマオーに当たる前に黒い炎で消されちゃった。それなら、


 両手を突き出して、心の中でスプラッシュビームを思い浮かべた。


 水のビームが魔王に当たった。


 びくともしなかった。


 苦しい。もう、力が出ない……妖精さん……



 夢見の頭の中に、負けないで、頑張って、夢見は強い子、そんな言葉が浮かんだ。


 大好きな、こえ、




 ママ? パパ?




 良く、頑張ったね。


 今までよく、頑張ったね。


 泣きながら、褒めてくれた。


 そんな姿を、




 ——天井から、見てた——




「勇者ユメミをっ、はなせぇぇぇっ!!」


 身体が軽くなった。

 妖精さんが、マオーに体当たりしたみたい。


 首を絞められていた夢見は自由になった。


 マオーは妖精さんを弾き飛ばす。妖精さんは夢見の前に落ちた。羽も一枚しか残ってないし、傷だらけだ。妖精さんは、夢見がちゃんと出来るように頑張ってくれてたんだ。


 だから、ちゃんといかなきゃ。


 夢見は妖精さんを両手ですくった。妖精さんは、また金色の剣になった。


 しっかりと握りしめ、



 マオーを刺した。

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