第17話




 ————



 目が覚めた。


 夢見はいつものように学校に行って、お友だちと遊んで、帰ったら皆んなでご飯を食べた。


 いつも通りのこと、夢見のたいせつ、


 ——たいせつな、もの——





 ————




「勇者ユメミ、目が覚めましたか?」


「あ、うん」


 ここは、夢の中。

 怪獣さんの頭の上で寝ちゃってたんだ。


「勇者ユメミ! 見てくださいっ、魔王の城が見えて来ましたっ!」


 怪獣さんは夢見と妖精さんを魔王の城の前に降ろしてくれた。


「ありがと、怪獣さん」


 怪獣さんは短く鳴いて、大きな翼をひろげて帰っていった。はやく帰って、たまごを守らないといけないもんね。さよならー。



 ピンポンはないみたい。勝手に入って大丈夫かな? あ、妖精さんが先に行っちゃった。

 ほんと、落ち着きのない妖精さん。


 夢見は妖精さんの大きなお尻について行く。


 たくさん歩いた。


「ティンクルスター!」


 邪魔をするモンスターはお星さまの下敷きにして動けなくしてから進む。すごく怒ってる。


「妖精さん、むてきなセッションはしないようにね?」


「無益な殺生、ですか?」



 大きな扉が目の前に。

 夢見は、その扉を、開けた——


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