第7話




 景色は真っ白、雪しか見えない。


「ねぇ、妖精さん。なんでマオーさんのいる場所に行かないの?」


「それはまだ勇者ユメ——」


 言いかけて、


「くちゅんっ!」


 くしゃみ可愛い。寒いし仕方ないよね。



 ん、何か音がする。


 ゴゴゴ、って上から。


「た、大変ですっ! 雪崩れです!」


 うわ、雪が迫ってきた。


 妖精さんを握りしめて反対側に走って逃げた。


 駄目、追いつかれちゃう!



「わぁーー!」






 目が覚めた。でも、まだ夢の中みたい。


「勇者ユメミ! 良かった、生きてましたね」


「ここは?」


「わかりません、でも、生き埋めにならずに済んだので、不幸中の幸いです」


「でも、寒いよ……」


 それに眠いや。


「勇者ユメミ、寝たら死ぬぞ! ですよ!?」


 痛い痛い、妖精さんひどいよ、夢見の頬っぺそんなに叩かないでよ。


 むぅ、目が覚めちゃった。


「このままここにいても凍えてしまいます」


「死にたくないよ~」


「……は、はい。そうですよね。何か策を」


 洞窟の中に雪が入ってきて冷たい。


 お尻のところに変なボタンがある。とりあえず、押してみよう。



 穴が開いた!

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