霧崎さんが駄弁るだけ。カップラーメン編

長月瓦礫

霧崎さんが駄弁るだけ。カップラーメン編


『ケトルの消灯を確認。目の前の物体を開封し、熱湯を注ぐのだ』


誰だてめーは。静かに飯も準備できねえのか?


謎の声を無視し、カップ麺のフタをべりっとめくる。

中身を取り出し、かやくを投入。


立ちこもる湯気で目の前が白くなりつつ、注ぎ込む。

器に刻まれているラインより少し低めの位置で止める。


後入れスープをフタにのせ、マイ箸を取りに行く。


フタ開ける! お湯入れる! これでOK! 全自動!

フタ開ける! お湯入れる! これでOK! モンスター!


それがカップラーメンだ。我らが日本人が生み出した叡智である。

最近は後入れスープがあったりして、そう簡単にはいかないんだけどね。


さて、一口にカップラーメンと言っても古今東西、様々な種類が販売されている。


シンプルなものから超有名店が監修したもの、一回り小さいサイズに物量で攻めただけのもの、その種類は棚を見ただけで立ちくらみが起きるくらいだ。


ケバケバしいラベルがずらりと並び、とにかく情報が追いつかない。どこぞのラーメンハゲが言っていた、「情報を食っている」とはまさにこのことか。


……なんか違う気もするけど、まあいいや。

コンビニの棚にカップラーメンが所狭しと並ぶ中、私はコイツを選んだ。


寿がきや 銀座香味徳監修

鳥取ゴールドレッドスパイシー。


曰く、『チリ&ハバネロパウダーがクセになる牛骨ラーメン』とのことだ。

店名を見ただけで分かる人は分かるだろうし、味の想像もつくかもしれない。


私の場合、フタの踊り文句を見て「コイツはさぞかし辛いんだろうなあ」と判断しただけである。

いわゆるジャケ買いだ。


ごめんね、ラーメンは管轄外なんだ。


何はともあれ、今私に一番必要なものであることには違いない。


不思議なもので、人は体調によって求める味覚が変わるらしい。

コロナによる疲れもあって、私の身体は闘争と刺激を求めていた。

某ゲームではないです、念のため。


チョコレート万能説を唱えているチョコレイ党の私でも、その魅力は認めざるを得なかった。辛ウマな物に物理的にも精神的にも完全敗北したのである。


舌に走る痺れと身体中を駆け巡る刺激。

頭を空っぽにして箸を進め、欲に身を委ねるあの瞬間。


思い出すだけで舌が痛くなるが、なぜか自然と手が伸びてしまう。

まさに麻薬といっても何ら差し支えない。


たまらないね。思わず笑みがこぼれた。


本当にいろんな意味で人にすすめたい一品だ。

木を隠すなら森の中、飯を隠すなら飯の中だ。


何より、地雷は踏ませるものだろう?

どうせなら、今年食べたものの中で一番だったとか適当なことを言って、誰かに食べさせてみたい。


簡単に引っかかっりそうな奴をひとりひとり数える途中で、私は気づいてしまった。


ここで商品について細かく書いてしまっているから、辛いものが苦手な人は避けるかもしれない。見えている地雷を踏む馬鹿はいないのと同じだ。


あーもー、ダメじゃん。ぜんぶ台無しだ。

何のレビューにもなってないよ、これだと。


私の性格の悪さが露呈しただけじゃないか。

ちくせう、どうしてくれるんだ。って作品であらかたバレちゃってるか。ならいいや、別に。


作品は作者の性格を表すというし、ここで書くことでもないと思う。

細かいことは、私がこれまでに答えた質問集でも見てもらうとするか。


それでは、ご斉唱ください。

サッポロ1番電話は2番♪

3時のおやつはにっしんぼー♪


うぉっと、待ってる間になんかいろいろ混ざってしまったぞ。一周回って冷静になったところで麺をひっくり返し、硬さの確認。


ふむ、悪くない塩梅だ。

後入れスープを入れて、いただきます。


うん、美味しいです。

ご飯を入れても最高です。


辛ウマ好きのカクヨムユーザーはぜひお試しあれ。

それでは本日のお相手では霧崎さんでした。


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霧崎さんが駄弁るだけ。カップラーメン編 長月瓦礫 @debrisbottle00

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