とくべつ

思えば会うのはもっぱら夜、飲み会が多かった。


3回に1回くらいの割合で、あの人の家へ行くことが多かった。


本人には絶対言わないが、根っからの寂しがりやなのだろう。

残念ながらそこにキュンとはしないが。



焼肉、鍋、たこやき、餃子、お好み焼き、すき焼き


パーティーと付きそうな家飲みは大体制覇した。

過ぎ去った学生の思い出を、再び掘り起こすような

そんな感覚だった。


早く来た二度目の青春。

そんな感じだった。



あの人と私で買い出しだってした。


2人で行くスーパー。

並んで食材を選んだ。

カゴも袋の重い方も持ってくれた。


片思いのままで、やりたいことは叶っていく。

不思議な気持ち。

こんなに近いのにあの人に私への特別は何もない。

心に渦巻くグレーな気持ち。



1つ言うとすれば。


私の手作り餃子はあの人しか食べたことない。



なんだか負けた気分。

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