あまのじゃく
好きな人の好きな人になりたいと散々言って来た。
大変ありがたいことに、あの人に「好意」を察してもらえる(と推測)ほど
毎回毎回しっぽを振っている私は、世の悪しき例に洩れず面倒なやつなのだ。
自分ばかりが必死になっていると感じるときに、
相手が余裕を見せてきたら惨めな気分にさせられる。
自分のことながら大概にしろと言ってやりたい。
勝手に好意を寄せているのだから(もはやそれがバレているのだから)
真っ向勝負しかないのに、無駄に足掻く。
そんなに大層な戦略も持ち合わせていない。だたの阿呆だ。
今までしっぽふりふりワンワンと犬のようにくるくるしていた私は
急にあの人への態度を変えた。
「興味なんてないわ」とでも言うように澄ました顔をして、
必要以上の話もしない。
もう一度言う。
ただの阿呆だ。
冷静に考えなくても笑い者だ。滑稽以外の何者でもない。
分かり易すぎる。
そんな天邪鬼な私に、あの人は少し時間を置いて2人きりになってから言うのだ。
「今日は何だか元気がないね?」
私も大概だと思うが、相手も相手だ。
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