憧れ

出会った頃まだまだお子ちゃまだった私は、

大人の余裕を見せつけるのに誰よりも子供のような無邪気さを持つ、

圧倒的立場にいるあの人を憧れの眼差しで見ていた。


この憧れというのは面倒くさいもので、いつしか恋愛感情と慕う気持ちが

ぐちゃぐちゃになって、恋と錯覚していくことがある。


冷静になれば分かる事かもしれない。

ただ好きという感情が突っ走る。

その真理を見て見ぬ振りをする。

頭の中でチラつくその事実から目をそらす。


かく言う私もどの恋は憧れでどの恋は本物だったのか、

未だに自信を持って言い切れない。




きっと死んでも分からないのだろう。





本物の恋なんて。

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