第13話「収穫祭(2)」

 収穫祭まであと二日。

 飛脚のような身軽な伝令係が、昨日国王陛下が王女を伴って出発したと報告した。


 国王と王女を守る為に中隊(150人程度)が動いているらしく、到着は夜になるだろうとの事だ。


 …てか、国王守るのに150人は少な過ぎるような気がするんだが、いいんだろうか。

 まぁ俺が心配しなきゃいけないのはそこじゃないけどさ。


「君たち、もういつ到着してもいいように心構えしといてくれよ?」


 居間でゴロンと横になって本を読んでいる師匠はいつも通りで、特に気負う様子はない。

 俺はそれを見て、少し浮ついた気持ちがなんだか少し落ち着いた。


 師匠はハピィを正式に弟子にしてから、俺にしたようにハピィにも礼儀作法を容赦なく叩き込んだ。

 運動神経が良いのか勘がいいのか知らないが、俺より後に始めた癖して俺より上手いとか褒められてるのなんか悲しい。


「キャロル、ハピィの事、宜しく頼むよ。」


 俺の考えてる事を読んでるわけじゃないだろうが、師匠からハピィのフォローを任された。

 まぁ、俺の方が精神的に年長なんだから当然だな。

 任せてください、と頷いた。

 多分特に任されるような事もないだろうけどな。


 俺達弟子は基本的に師匠の従者として扱われるとの事だ。

 やることと言えば、常に師匠に金魚の糞宜しくついて行って、師匠の指示通り動けばいい。

 師匠の指示無く動かなければならないのは主に食事の時、師匠の椅子を引き、ナフキンを後ろで結ぶ事くらい。

 ちなみに俺よりテキパキ動けるハピィは、食事を運ぶ配膳係になった。

 俺はハピィが配膳する中、師匠の斜め後ろで澄まし顔で立ってればいい。

 国王陛下や王女殿下については彼方のメイドや執事がやるらしいので、俺らがしなければならない事は何もない。


 大したことないな。

 たったこれだけのために何日も特訓したんだ。もう何も心配する事はないだろう。


 暇だったのでハピィに文字を教えていると、村長の家に立派な大理石調のテーブルと四つの椅子が運び込まれていた。

 村長の家は思いっきり合掌造りっぽい和風の家なんだが、国王を地面に座らせるのは論外なので急いで作ったものだ。


 もう一度言うが、作らせたのでは無く、作ったものだ。

 作ったのは勿論師匠。物づくりまで出来てしまうとは流石過ぎる。


 村長が隣町から呼んだ有名食事処の親方も昨日からこの村に入っていて、準備は万端だ。


 ☆


 度肝を抜かれた、というほどでもない。

 夕方、少し日が沈みかけているくらいの時間に村の入り口に到着した国王一行だが、なんという事はない、ネズミの国のパレードそのものだった。

 軽装の兵があらかじめ道を作り、その後に重騎兵が続く。

 その後ろには一際豪華な馬車が二台あり、そこを取り巻くように重歩兵が囲んでいる。

 鎧が重くて疲れそうなもんだが、ザッザッといい感じに足音が揃っていてすごい。

 その様子を見に来た人の数も、日本で言う駅伝やらに比べたら全然少ない。


 ネズミのパレードだったら馬車の上に登って手を振ったりするんだろうけど、このギリヤナのパレードは窓すら開かないみたいだ。

 防犯的な思惑があるのかもしれないけど、仮にここに国王陛下や王女殿下居なくてもわかんないよな。これじゃ。

 中身影武者だったりして。

 なんてな。


 俺は走って村長宅に居る師匠の所へ戻った。


「師匠、国王来ましたよー」

「ちゃんと国王陛下と呼んでくれよ?」


 村長と同じような事を言う師匠。

 俺とハピィ、村長と師匠で村の中心広場へ向かった。

 ここで国王を迎える事になっている。



「遠路遥々ようこそおいでになりました国王陛下。

 まずはご尊顔を再び拝見できた事への喜びと、本来ならば私から伺うべき所、態々御足労をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。」


 国王が馬車から降りて来たので、師匠がすかさず片膝を折って挨拶をした。

 勿論後ろに控える俺とハピィも同様に片膝折って頭を下げている。


「苦しゅうない。余自ら望んだ事だ。英雄ミント・メモリアよ、頭を上げよ。」


 名指しで頭を上げる事を許しているので俺とハピィ、村長は以前頭を下げたままだ。


「姫殿下、この様な場所ではございますが、お初に拝謁出来たこと恐悦至極に存じます。」

「よ、よい。わたくしもそなたに会えた事、う、嬉しく思う。」


 ん?なんか王女殿下の声幼いな。幼いのかナチュラルにアニメ声なのか…どっちだろうな。


「此度は一年の豊作を祝う祭りと聞いている。他の者も楽にせよ。無礼講だ。」


 地面に這いつくばっていた人々がその言葉で頭を上げ始めた。

 俺も村長もハピィも頭を上げた。


 目の前の男、年齢は40程か。

 既に白髪が目立ち始めているが、黒目黒髪の目付きの鋭いダンディなオヤジって感じだ。

 背はそこまで低くなさそうだが、お腹が出ているせいか少し丸く見える。

 多分若い頃はイケメンだったんだろうな。

 服装はゆったりとしたローブ。

 ただし金色メインで沢山の装飾品がついており、一眼で只者じゃないと思わせるオーラを纏っている。


 そして少し後ろに居る少女。いや幼女。

 年は…俺よりは間違いなく上だろうが、まだ小学校一年生くらいに見える。見た目年齢はハピィよりちょっと上でリーゼよりは下って感じか。

 隣のナイスガイとよく似て黒目黒髪。

 クリクリとした大きな目とスッと通った鼻、薄い唇と将来は美人になる事が約束されたような顔立ちだ。

 かなりの色白…というか最早病的なまでの肌の白さが髪色と相まって際立っている。

 黒髪は後ろで結い上げているようだがボリュームが凄く、相当伸ばしているのが前から見ていてもわかった。

 服装は純白のドレス。ただし、本人が青白いせいでとても儚い印象を受ける。


 一人だけ連れてきたって事はこの子が一人娘なのかな。もしそうならこの人は将来女王になるって事か。

 これからは姫と呼ぶことにする。


 俺が興味本位でまじまじ見ていると、ふと姫と目が合った。


 ぷぃ、と直ぐに視線を逸らされてしまう。

 というか、こっちみんなカス、みたいな空気を感じたぞ。

 お高くとまってんな。

 まあ実際にこの国ではトップクラスに偉いからいいんだけどさ。



 大勢の鎧の兵隊をぞろぞろと引き連れ、村長の家へと向かった。

 今日はそのまま夕食にして村長宅で休むらしい。


 国王陛下は村長の家を見ても特に何も反応はなかったが、姫は明らかに嫌そうな顔になっていた。

 国王陛下が入っていくので渋々その後に追従しているみたいだが、こいつ一人だったら汚いとか言って中入らなかったかもな。


 国王と姫は奥へ、師匠はそれと向かい合うような形で席につき、村長は師匠の右側の椅子に座った。


 予定通り俺とハピィは師匠の後ろに控えて食事の指示を待つ。

 彼方には、まだ二十歳にいってないくらいの若いメイドが5人と熟練の執事が一人、控えているようだ。

 多分あっちからしたら、3歳と6歳くらいの幼児を脇に立たせて自分は椅子に座る鬼畜野郎に見えてるんだろうなぁ。


「久しいな。メモリア殿。」


 皆が席についたタイミングで国王が相好を崩した。

 これまで割と厳格な顔を維持していただけに少し意外な反応だ。


「ええ。ギリヤナ卿も相変わらずのご様子で。」


 師匠もさっきまでの変な喋り方から、いつもの猫被りバージョンのような口調になっていた。

 ギリヤナ卿…というのは国王陛下の事だろうが、妙に親しげだな。


「見ての通り、こんな田舎なものですから提供出来るものにも限度があります。

 それが国王を迎えるもてなしか、と怒らないで下さいね?」


 師匠が軽口を叩くと、国王はカッハッハ、と豪快に笑った。

 思いの外和やかな雰囲気で驚いたが…まぁよく考えたらわざわざ自分から師匠に会いに来るくらいだから顔見知りでも全然おかしくはない。


「いいや許さん。余を迎えるには相応の対応があって然るべきだ。

 不足した分は卿に補っていただけるのだろうな?」

「なるほど。ではまず食事でも取りながら、私が何を補えば良いのかご教授頂ければ。」

「うむ。そうしよう。」


 どうやら今のが食事の指示らしい。

 俺はハピィにアイコンタクトを取って、準備に行って貰った。


 俺は決められていた通り、涎掛けみたいにナフキンを師匠の首にかけた。

 はい、俺の仕事終了。


「して?その者が卿の弟子なのか?」


 なんの話を始めるのかと思えば、まず最初に俺の話かよ。

 ドキドキしてきた。

 いや、こんな時こそ澄まし顔だ。


「ええ。まだ3歳でありながら、既に青年と見紛う程の稀に見る天才です。」

「なるほどな。確かに村の生まれとは思えぬほど気品があるようだ。

 立ち振る舞いや挙動にも余裕があり、この私を前にしてまるで場慣れしているかのような風格すら感じる。」


 それは言い過ぎだ。

 俺だってやっぱりそれなりに、いや結構緊張している。

 ただ師匠に動き方を叩き込まれたお陰で、自然とそれっぽく振る舞えるようになっただけだ。


「やはり卿の他にはいまい。」


 国王陛下はそう小さく呟き、本題を切り出した。


「余が自らこの村へやってきた目的は分かっているだろう?」

「確証はありませんが、予想はつきます。」


 メイドとハピィが次々に食べ物を運んで来る。

 フレンチのように皿にちょこんと乗っているタイプのコース料理みたいだ。

 どれも美味しそうだが、お互いまだ手はつけない。


「余はな、卿にこの大切な一人娘のことをお願いしに来たのだ。」


 …なんだ?姫をお願い?

 まさか婚姻って事はないだろうし…

 家庭教師的な感じってことか?


「…成る程。やはり。」


 師匠はどうしようか、と悩んだようなそぶりを見せた。

 姫はそれを祈るような視線で見ている。


「本来なら卿を正式に宮廷魔術師として召抱えたいところなのだが…卿の場合それも叶わぬのでな。

 臨時の特別契約になってしまうのだが…。

 勿論その分報酬は弾む。」

「…既に私には弟子が二人居ります。

 ここで安易に引き受けてしまいますと、結果的に姫殿下を蔑ろにする事になるやもしれません。」

「二人…?卿の弟子はそこの一人では無かったか?」


 国王が尋ねたタイミングでちょうどハピィが別の食べ物を運んできた。

 丁度いいとばかりに師匠がハピィを呼んで紹介した。

 そうであったか、と驚く国王。

 俺の時は驚かなかったのに、なんでハピィの時は驚くんだろ。


「…まぁ良い。卿は一度引き受けたら最後までやり遂げる男だと余もわかっておる。

 幾ら報酬を積んでも娘一人を観てくれる訳ではないのだろう?」

「ええ。言葉は悪いですが、報酬で教え子を売るような真似は死んでも致しません。」


 オイオイ!

 そんな喧嘩売るような事国王陛下に言って良いのかよ!

 焦った俺は、澄まし顔するのも忘れ、国王陛下の顔色を伺った。

 しかし意外にも、国王陛下は楽しそうに笑うばかりだった。


「そう言う男でなければ!やはり娘は卿以外には任せられん!

 出来る範囲で良いのだ。なんとか引き受けてもらえぬか?

 その為に余はここまで出向いたのだ!」

「ふーむ…」


 …なんで師匠は国王に対してこんな強気なんだ。

 国王もあくまでお願いって感じで下手に出ているけど、命令すれば良いだけの話じゃないのか?

 これだったら日本で言う先生と生徒、上司と部下の方がよほど身分差感じるくらいだぞ。


「…国王陛下にそこまで言わせてしまっては引き受けるしかありませんね。」

「おお、引き受けてくれるか!」


 喜色満面の笑みを浮かべる国王に向かって、調子に乗った師匠がただし、と水を差した。


「私は弟子の待遇に優劣は付けない主義です。

 それは姫殿下とは言え例外ではありません。」

「わかっておる。ビシビシと鍛えてやって欲しい。」

「ビシビシですね?国王陛下のご命令、確かに承りました。」


 国王陛下は一番の目的が叶って満足したようだ。

 あとは観光とばかりにワインを飲み始め、食事しながら師匠と談笑するのだった。


 ☆


 収穫祭前日。

 昨日国王が村に来た事もあって、既にかつてないほどの盛り上がりを見せていた。

 出店に並ぶ商品を見て回る人、客寄せをする人など、広場では朝からいろんな人が歩き回っている。

 本来ならリーゼ達と店を回って楽しめたのだろうけど、今の俺は師匠の付き人だ。

 勝手に遊びに行くわけにはいかない。

 こうやって遠くから眺めることしか出来ないのだ。


 庭に出ると、村長宅の周りを沢山の兵士が囲んでいた。

 国王と王女を守るため、一晩中守ってたんだろう。

 兵士も楽じゃないなぁ。夜勤乙。


 その中の一人の兵士と目があった。

 まだ若い、高校生くらいの兵士だ。イケメンではないが、人が良さそうな顔をしている。

 とりあえず挨拶しておく。


「あ、おはようございます。」


 すると兵士は眠そうな目を擦ってふぁーあ、とあくびをした。


「なんだお前、どうやって忍び込んだんだ?

 今ここには偉い人がいらっしゃる。

 他のやつに見つかると槍でつかれるぞ?

 ほら行った行った。」


 しっしっと犬でも追い払うように手で払い除ける動きをしたが、この人自身は俺を槍で突くつもりはないようだ。

 しかしあれだな。勝手に侵入した村の子供だと思われてるな。

 師匠の後ろにくっついてる俺の姿を見てなかったのかもしれない。


「僕はいいんです。ミント・メモリアの弟子ですから。」


 正直に話すと、ええっ、と大袈裟に驚く兵士。そのままの勢いで地面に頭をつけて土下座を始めた。

 ええ…なんだこれ…。


「そ、それは失礼しました!

 そんな高貴な方とは露知らず!」


 とんでもなく大袈裟な反応で困る。

 だいたい俺は頭下げられるような人間じゃない。平民だし。

 やめてください、とお願いするも、兵士は頭を擦り付けるのをやめない。


「あの!僕普通の平民ですから!村の子供ですから!」


 そういうと、やっと兵士は頭を上げてくれた。切替が早いもので、既にヘラヘラ笑っている。


「あの英雄メモリア様の弟子って言うからどんな高貴な家の坊ちゃんなのかと思ったら、ただの村の子供か。

 良かったー。クビにならなくてすんだ。」

「僕が高貴な人間だったらクビになるんですか?」


 そりゃそうよ、と若い兵士は言った。


「村の子供にゃわかんないかもしれないが、貴族ってのは変な人ばっかりでな。

 大抵偏屈で肩書きが大好きなんだ。

 加えてプライドが高いのなんの。

 平民と間違えられようもんなら怒り狂って殺されたって全然おかしくはないのさ。」


 へぇ、そんな怖いのか。俺が知ってる貴族は師匠と国王陛下、それから姫しかいないからな。

 昨日の様子を見る限り、国王陛下は実は意外とフランクで、あまりそんなことをしそうに見えない。

 …するとしたら姫だよな。

 昨日の夜もこんな汚いところで眠られるか、とか言ってメイドを困らせていたようだし。


「貴族に仕えるってのはそう言うことだ。お前も何かやっちまったら、俺みたいに土下座した方がいいぞ。」


 注告痛み入ります、と適当に返事して部屋に戻った。

 そろそろみんな起きてくる時間だ。


 ☆


「では、早速今日から頼むぞ」


 朝起きてそれなりの食事を済ませると、国王陛下はそう言った。

 勿論、昨日の姫の話だ。

 国王陛下は村長と村の実情について話をするらしく、姫が退屈するだろうから早速修行をつけてやってくれとのことだった。


 今日は収穫祭前日だが、師匠には特にやる事もないため承諾。

 初の3人での修行となるみたいだった。


 俺とハピィ、師匠は既に庭で待機している。

 いつも使っている居間では国王陛下と村長がお話ししているからな。

 錬金術大全を両手で抱え、背中に吸魔石を背負っていると、ハピィが「重そうだから持ってあげるです」と錬金術大全を持ってくれた。


 しかし、いつまで経っても外へ出てこないんだが、一体どうなっているんだろう。

 師匠は姫殿下の部屋を見に行ってくる、と言って居なくなった。

 ハピィが痺れを切らしていたので、庭のウッドデッキに座って日本語の文字を教えてやる。

 ハピィも錬金術大全を読めるようになりたいんだそうだ。




「さあ、始めるぞ。」


 しばらくして師匠が不満顔の姫の手を引いて連れてきた。

 何が不満なのかわからないが、自分から頼んでおいてあまり乗り気じゃなさそうに見える。

 やりたくないならやらなきゃ良いのに。


わたくし、お外は嫌なの!」


 駄々をこねる姫。

 ハピィがやたら大人びてるから感覚おかしくなるが、小学一年生と考えればこれくらいが普通か。

 …と俺は思ったのだが、姫の様子にハピィは眉を潜めている。

 ハピィは真面目だし、あまり良い気はしないのかもな。


「姫。修行中は姫を姫として扱いません。それは昨日約束しましたよね?」

「でも、お外は嫌よ!」


 うわーこれいつまで経っても始まらないぞ。

 なんか一昔前のワガママリーゼを彷彿とさせる。


「姫様、チョコレートはいかがですか?」


 俺はさっきたまたま兵士の人から貰ったチョコレートをポケットから取り出した。

 よくお母さんが使っていた手法。

 こういう時は他に興味あるもので気をそらすのが効果的だ。


 姫はチョコに興味があるらしく、俺の手を物欲しそうに覗き込んで来た。

 どうぞ、と渡してやると嬉しそうに包みを開けて、口に頬張った。

 満面の笑みで咀嚼する姿に思わずホッコリしていると、そんな俺の顔が気に食わなかったのかキッと睨みつけてきた。

 あーこわ。


「姫様、どうして外は嫌なんですか?」


 ちょっと落ち着いたみたいなので聞いてみた。

 しかし、やはりリーゼよりも曲者で、俺が尋ねてもフン、と高圧的な態度を取るだけで何も答えない。

 それがハピィの癇に障るらしく、珍しくハピィもイライラしているみたいだった。


「…姫はどうして外が嫌なのですか?」


 師匠がもう一度聞いてみると、王女はあっさり答えた。


「お外は日に焼けちゃうもの。」


 そんだけかよ。

 そんなことで、とか言ったら全国の女の人を敵に回すんだろうけど、そんな理由なら日焼けしない格好して来いって思ってしまう。

 それに姫は白すぎて逆に不健康な感じするから、もうちょっと焼けたほうがいいと思うけどね。


 結局、説得した結果木陰の多い林の中なら許してやる、というありがたいお許しが出た。


 まさか始めるまでにこんな時間かかると思ってなかった。

 師匠は少しだけ苦笑いしている。

 ハピィとも馬が合わないようだし。

 これは先が思いやられるな…。

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