第2話
バーに行く前に、桂は少し寄り道をした。バーはラーメン屋から徒歩10分ぐらいのところにあるが、その途中にドラック&ドラックという薬局がある。そこで桂はおむつを手に取った。やはり同じことをまた繰り返すわけにはいかんと思い、念には念をとおむつを買うことにしたのだ。羞恥心より大事な何かを感じた桂はレジに向かった。すると、レジの店員さん、おそらく女子大学生が顔をほんのり赤らめていたのだ。何故だろうと思い、レジの前にいる男を見ると、なんと男が0.3mmのコンドームを買っていたのだ。その男がまた、高身長でオシャレで美少年みたいな感じだったのだ。なるほどねー。店員さん心の中で「恥ずかしいよぉ〜」って言ってそうだなあ。羞恥心も女の子の場合は、可愛いもんだなあと思い、レジの上にオムツを置いた。すると、さっきまで顔を赤らめていた店員さんが、ちょっと不思議な顔をして、僕の顔を覗き込んできた。「そんなに見られると恥ずかしいじゃないか」と桂は思った。でもよく考えたらしょーがないか。どう見ても俺は彼女がいるようには見えないし、結婚して子供がいるようにも見えないからな。「店員さんは今どんな気持ちなんだろ〜」と気になったが、そのまま会計をして店を出た。店を出てしばらく歩いてたが、すれ違う人達が俺を変な人を見る目で見てくる。「何故だ?」「もしかしてすれ違う人達に俺が今日お漏らしをしたことがバレているのか?」とすごく不安になってきた。すると、前を通る親子かだろうか小学生ぐらいの子が、「ねぇ、ママあの人オムツまだ履いてるのかな?」と言ってる声が聞こえてきた。「賢太、みちゃダメ」とママが言ってるかのように、その親子連れはそそくさと去っていった。そういうことか。桂は慌てて、リュックの中にオムツを隠した。それからは、バーに着くまで変な目で見られることはなかった。
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