第6話

前回までのあらすじ

天使によりお尻が癒やされた三十路。


とりあえずいろいろな説明を聞いてお開きになった。あと、下っ端ローブの金髪お兄さんに俺の目の前にあったステータスを消す方法を教えてもらいました。ありがとう。下っ端って呼んでごめん。

我々異世界転移組はというと、早速戦闘の訓練をしましょうと言うことになった。

イケメン高校生とモジモジジャージちゃんくんは金ピカ鎧に、ゆるふわ(爆)巨乳ちゃんと黒髪ロングロリータはシールド張ってた魔法使いおじさんに連れて行かれた。

・・・俺?俺は職業的に誰が教えるのか決めかねたらしく放置されました。あー、レア職業つれーわー。まじつれーわー。・・・レア職業なんだよな?運転手ってレア職業なんだよな?前世で俺が勤めてたコモンクラスの職業じゃないんですよね・・・?頼むよ神様?

ただ真面目な話、魔人と金ピカさんがやり合ってるの見たがこの世界にかなりのハードモード味を感じるんです。三十路のオッサン童貞がレベルを上げてもついて行ける気がしないのですが。とりあえず、金髪お兄さんに消し方も教えてもらったのでステータスみて現状把握。


―ステータス―

【名前】 久留米寅三(くるめ とらぞう)

【職業】 運転手

【体力】 20

【魔力】 100

【力】 20

【知力】 50

【運】 5

【スキル】 運送 レベル48

【スキルポイント】 100


うん。若干魔力のある村人Aみたいなステータスだなという印象が拭えないんですが、大丈夫ですかねコレ。高校生組にステータスの値聞いたら絶望しそうな予感しかしない。お、スキルポイント上がってるな。ただ、運送スキル上昇には足りないらしい。100で足りないとか、この運送スキルどうなってんねん。神様にクレーム入れていいですか?しかしスキルポイントが上がった理由が謎だが、スキルポイント上昇の条件はスキル使用ってことでいいのか?前回の戦闘では俺がファイアボールで自分のケッツを焚き火しただけだからなぁ。あのやり方じゃ俺のケッツが持たないから、なんとか他の方法を探したい。今ある運送スキルを使いこなせないようじゃ、このまま窓際族ルート直行ですしね。お暇を与えてくださってるので、スキルの練習がてらすこし散歩でもしますかねぇ・・・。


・・・・・・・・・・・


お城の中庭に来たぞ。緑の綺麗なお庭です。現在進行形で庭師のおじさんが丁寧に手入れしてるぞ。剪定して出来た木の枝と木の葉の山があるな。・・・・あー、おじさんの顔が元の職場の係長に似てるなぁ。えびす顔って言うか、人の良さそうな感じがすげぇ出てるわ。係長、俺が配送から帰ってくるといつも缶コーヒー奢ってくれたんだよなぁ。係長元気にしてっかなぁ・・・。とおじさんを見つめてると、此方に気がつき振り向くおじさん。三十路の童貞とおじさんがしばし見つめあう。

「どうも、こんにちは初めまして。」

「ああこれはこれは。」

お互いに会釈。挨拶は大事。

「この度、こちらの城でお世話になることとなりました久留米寅三(くるめ とらぞう)と申します。よろしくお願いいたします。」

「久留米さまですな。ご挨拶して頂き恐縮です。私は庭の管理を任されております、ルジャンと申します。よろしくお願い致します。」

笑顔が素敵なルジャンさんだぜ。見れば見るほど係長に似てるぜ。

「ところでルジャンさん、そこの木の枝の山を自分に片付けさせてもらうことは出来ますか?」

「え?いや!そんな、城のお客様にそんなことはさせられませんよ!」

「城のお客っていっても多分雇われのようなもんですよ。実は、昔世話になった恩人にルジャンさんが似てるんです。今後も長い付き合いになると思うんで是非手伝わせてください。」

「そうでしたか・・・。実は、最近腰を痛めてしまいましてな・・・。もし可能であれば手伝って頂けると助かります。」

ルジャンさんには、木の枝を運んで処理する場所を教えてもらった。次に手入れをする庭があるそうで、またきますと言い残して次の仕事場へと向かった。

よし、スキルレベル上げてこう。とりあえず、目の前の山に運送スキルを発動する。枝の山は目の前から消えた。次の瞬間俺の尻に痛みが走る。

「いてぇ!?」

おい、この運送スキル届け先が俺のケツに固定されてるんだが、どうなってんだマジで。


―ステータス―

【名前】 久留米寅三(くるめ とらぞう)

【職業】 運転手

【体力】 20

【魔力】 100

【力】 20

【知力】 50

【運】 5

【スキル】 運送 レベル48

【スキルポイント】 101


スキルポイント上がってるじゃねぇか。というか、どうにかならんのか。この運送スキル役立たずすぎない?とりあえず、目の前の木を目的の場所に運びてぇだけなんだが!?

すると目の前から再度枝の山が消える。え、またお尻に・・・・?と思っていたが、しばらく経っても枝が出てこない。枝の山はどこ行ったー?


―ステータス―

【名前】 久留米寅三(くるめ とらぞう)

【職業】 運転手

【体力】 20

【魔力】 100

【力】 20

【知力】 50

【運】 5

【スキル】 運送 レベル48

【スキルポイント】 101

【亜空間コンテナ】木の枝の山


お?なんか木の枝収納されてるんだが。これで持ち運べる感じか?というか、木の枝元に戻せる感じ?そう思うと、目の前に木の枝が出現した。尻じゃなくて良かったわ。ようやく運送スキル君が言うこと聞き始めたぞ。よしよし。前回使ったときはそういう使い方出来ないような説明文だったからなぁ・・・。とりあえず、これを処理しに持って行きますか・・・。

ゴミ処理場へ向かい、木の枝を出現させる。これでお仕事終了っと・・・。


―ステータス―

【名前】 久留米寅三(くるめ とらぞう)

【職業】 運転手

【体力】 20

【魔力】 100

【力】 20

【知力】 50

【運】 5

【スキル】 運送 レベル48

【スキルポイント】 120

【亜空間コンテナ】なし


お、さっきよりスキルポイントが上がってる。その場で出し入れしたときはそんな上がらなかったから、距離に関係している感じか?雑用こなしまくれば運送スキル君のレベルが上がってく感じか。そうと決まればルジャンさんとこ行って、仕事だぜ!


・・・・・・・・・


城の中でメイドちゃんに庭の場所を聞きつつ、ルジャンさんのところに向かっているぜ。ついでに言うと、この城のメイドちゃん達マジでレベル高い。メイドちゃん達を雇ってくれた面接官と熱い握手を交わしたい。

・・・ん?なんか庭の方が騒がしいな・・・。


「おーい!庭師のじいさん!手伝ってやろうかぁ?」

「やめてくだされ!この花は咲くのに10年も・・・!」

庭師のじいさんがなんか兵士に囲まれてるな。あんまりいい雰囲気じゃないですね・・・!少し急ぎますか・・・!

「おいおい、この国の騎士様は人をいじめるのが仕事なんですか?」

「あぁ?オッサンなんだテメェ。」

「く、久留米さま・・・。」

うん。チンピラ感満載の3人だ。これからテメェ等は騎士とは呼ばねぇ。

「失礼しました。私はこの国の食客として招かれた、久留米寅三と申します。とは懇意にさせて頂いております。」

うん。嘘は言っていない。チンピラ君達の悪行をチクることなど容易い。

「あぁ!?この俺様を前にでまかせいってんじゃねぇぞ?俺は、プサイル家の息子だぞ!?」

ん?ブサイク家?知らない子ですね・・・。どっかの貴族だったから遠巻きで見てる皆さんも手が出せなかった感じか・・・!?というか3人とも、剣抜いてるやん。どうなってんのここの騎士団。

「おっさん。痛い目見る前に土下座してくれていいぞ。」

・・・ちょっとスキル試してみて、駄目だったら金ピカ鎧さんに説教してもらおう・・・よし、運送!!


―ステータス―

【名前】 久留米寅三(くるめ とらぞう)

【職業】 運転手

【体力】 20

【魔力】 100

【力】 20

【知力】 50

【運】 5

【スキル】 運送 レベル48

【スキルポイント】 120

【亜空間コンテナ】(一般騎士の鎧、一般騎士の鎧、男性用の服)×3、ブリーフ×1、トランクス×2


よし!生まれたままの姿になったな!

「「「は!?なんで鎧が!?」」」

「きゃぁぁぁぁ!裸の男の人達におそわれるわぁぁぁぁぁん!(野太い声)」

チンピラ君達、お疲れ様でした。中庭から全裸で駆け抜けて行きなさい。

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