賑やかな星12

 正直に言えば、継実は大きく動揺した。この瞬間にネガティブが攻撃を仕掛けてきたら、恐らくそのまま首を切り落とされていたであろうぐらいに。

 しかしネガティブは攻撃してこなかった。隙を見せる事もしなかったが、攻撃するために力を溜め込むような素振りすらしない。

 少なくとも、攻撃チャンスを作るために話し掛けてきた訳ではないらしい。一旦息を吐く……等という宇宙空間における贅沢はしなかったが、同じ仕草を取る事で継実は少し気持ちを落ち着かせる。

 次いで、隙など見せていないという態度を取りながら答えを返す事にした。普通宇宙空間では声など届かないが、この周囲に空気の代わりにゼロ物質が満ちている。触れると消滅させられる事以外の物性は未だ不明なものの、ネガティブの声が聞こえてきたのだから振動を伝える性質はあるのだろう。吸い込むつもりはないが、こちらが発した声を届けるぐらいは出来る筈。


「ふぅん……アンタ、喋れるんだ。でもなんで? というか日本語何処で習ったの?」


【お前、の、頭、の、波形、測定。単語、学習、した】


「頭の波形を学習? ……まさか脳波を測定して、こちらの考えを読んでる?」


 果たしてそんな事が可能なのか? まず脳裏に浮かんだのはその疑問。

 しかしこれについては考える必要もない。家族であるミドリが、ある意味似たような力が使えるのだ。ミドリだけの特別な能力、なんてものがあるほど世界は甘くない。ましてや相手は色々と怪しいネガティブ。何かとんでもない事をしてくる可能性も、ゼロではない。

 真偽は兎も角、奴が日本語を話せる理由は分かった。こちらの脳から情報を引き出しているのなら、会話に支障はないだろう。むしろこちらの『不利』を事前に知れたのだから得というものだ。

 何より、何故こちらに話し掛けてきたのか、それを知りたい。戦いのための情報収集だとかなんだとかではなく、純粋な好奇心に基づく興味として。


「……で? 今までずーっと問答無用で攻撃してきた癖に、今になって話し掛けてくるからには、特別な要件があるんだよね?」


【要件、は、ある。対象、興味、詳細を、知りたい】


「……対象?」


【我々は、地球、目指している。生まれ出た目的を、果たすため、に】


「……その言い方、まるで地球を目指すのが生まれてきた理由だって言いたげね」


【部分的に、肯定する。我々は、地球を探し、そこで目的を、果たす】


 目の前のネガティブは、継実が尋ねた事に淡々と答える。嘘を吐いている素振りはない、というより嘘を吐けるほどの知性を感じない、機械的な口振りだ。恐らく、本当の事を話していると直感する。

 だが、継実にはどうにも信じる気持ちが沸かない。ネガティブの言い分が、あまりにも情緒的な語り口だからだ。ましてや生まれてきた意味なんて……正直継実は鼻で笑いたい気分になった。

 七年前の文明全盛期、人間には「子孫を残すのが生き物の目的」と語る者が多くいた。しかしこれは間違いだ。今を生きている生物はというだけの事。「別に子孫なんて残さなくていいや」と考える個体と、「何がなんでも子孫を残さなきゃ」と考える個体が競争すれば、子孫を残そうと考える個体が生き残るのは当然である。生き物が子孫を残すための振る舞いをするのは、それが目的だからではなく、生き残った結果でしかない。

 生物ですらそんな有り様なのだ。ネガティブは生物どころか、虚無に還す力でしかない。そんなものに生まれてきた意味などある訳がないだろうに。大体消滅させる力が地球となんの関係があるというのか。

 世迷い言だと、理性は判断する。だが……


「(胸の奥がむずむずする……)」


 本能的な違和感が胸の中で渦巻く。戯れ言と切り捨てる気が起きない。


「……なんで地球を目指すの? アンタ達が生まれてきた意味って、地球でやりたい事って何?」


 継実は単刀直入に、抱いた疑問をネガティブにぶつける。

 ネガティブの答えは実にシンプルだった。


【宇宙を、本来あるべき流れに、戻す。そのために、地球の生命を、全て消す】


 宇宙のために地球生命を殺す、と。

 あまりにも壮大にして、あまりにも関係性を見出だせない答え。驚きから継実はまたしても大きな隙を晒すが、ネガティブはやはり襲い掛からず。代わりとばかりに、より詳しい話を始めた。

 ――――あらゆる物質は時間を掛けて燃焼・崩壊しながらエネルギーに変わり、エネルギーはやがて最も質の低い熱へと変わる。

 所謂熱力学の法則だ。温水が部屋を温めながら冷めていく事はあっても、常温の水がエネルギーを加えずに沸騰する事はないと説明した法則だと思えば良い。至極当然の話をしているだけだが、これこそが人類物理学の根底。力を加えなければやがて全ては拡散し、均一になっていくという絶対的な『ルール』だ。この均一になる過程をエントロピー乱雑さの増大と呼んだりもする。

 では、もしも宇宙全ての物質を燃やし尽くし、エネルギーへと変えたならどうなるのか?

 そこは全てが均一の『熱』に満たされた世界。熱力学の法則により、変化を起こすには外部からエネルギーを加えなければならないが、均一の熱しかないため何処からもエネルギーを持ち出せない。均一の熱が存在するだけで生命はおろか星すら生まれず、ただ時間が流れるのみ。

 これが宇宙の熱的死と呼ばれるものだ。

 そして宇宙はやがて、この静かな死を迎える。


「……それが本来の、宇宙の在り方って訳?」


【肯定する。宇宙はそのように育ち、成熟し、死を迎える。恒星が生まれ、燃え尽きるように。だが、否定する。その流れは今、変化しつつある】


「変化? なんでさ」


 ネガティブの話に質問を返す。が、継実は正直なところ、疑問を抱いていない。

 熱力学の法則は絶対のものか?

 基本的にはその通りだ。これが覆るなら、水が勝手にお湯になり、砂場が突然石へと変化し、大気中から石油の雨が染み出す。そんな滅茶苦茶は起こらない。

 と言いたいところだが、実は少なくとも一度は起きた事がある。

 宇宙誕生時だ。宇宙は何もない無、或いは一切の変化がない状態から生まれた。突如として莫大なエネルギーが生まれ、究極の均衡状態である無が崩れて宇宙という複雑怪奇な構造物が出来てしまったのだ。これは熱力学の法則に反する。

 しかしそれは人類物理学の根底をひっくり返す訳ではない。何故なら熱力学の法則は、あくまでも確率的なものだからだ。熱とは粒子が持つエネルギーであり、それがぶつかったり集まったりする事で温度は上下する。『マクスウェルの悪魔』と呼ばれる思考実験(粒子を観測出来る悪魔が熱い粒子だけを選別して選り分けたら、エネルギーを加えなくても温度が上がるんじゃない? というもの)はこうした理屈から生まれたもの。

 熱的死を迎えた後の宇宙で、もう一度宇宙が生まれるぐらい確率もゼロではない。無限の時間と無限の広さ、無限の試行回数を用いれば、熱力学の法則を覆すなど造作もないのである。

 そして今やその確率をある程度自在に操る生物がいる。よりにもよって、この地球に。


【お前達、だ。お前達が、作り出した力。それは宇宙の在り方を、変えてしまう】


「……成程。量子ゆらぎの力か」


 ミュータントの力の根源は量子ゆらぎ。無から湧き出す無限のエネルギーを、確率の制御により取り出している。

 さながらそれは小規模な宇宙の誕生。例え宇宙が均一になり、与えられるエネルギーがなくなろうとも関係ない。エネルギーは自分達で生み出すのだから。

 今のミュータントは、宇宙から見ればちっぽけな存在だろう。ミュータントが生み出した力など、銀河系一つが放射するエネルギーと比べれば一欠片の砂粒のようなものだ。だがミュータントが更に進化して、より強い力を出せるようになったら? 地球を飛び出して他の星に、他の星系に渡り、繁殖したなら?

 いずれミュータントにより生み出されるエネルギーは、宇宙で消費されるエネルギーを上回るかも知れない。

 そうなった時に起きるのは、宇宙の『成長』。ただ薄く冷えていくだけだった宇宙が、際限なく濃く熱くなっていく。あらゆるものが溢れ、飽和し、活性化していく。

 そしてもう、その宇宙が冷える事はない。


【それは、本来の宇宙とは、真逆の進み。正しくない未来。故に、法則は『補正』を行う。力を加えられたバネが、力を開放し、元の安定した状態へと、戻るように】


「安定、ねぇ」


 ネガティブの言葉を鼻で笑う継実。されど本心では、その説明に納得している。

 世界は安定に向かうもの。

 熱が均一に広がっていくのも、局所的に熱い場所があるよりもその方が安定的だからだ。積み上げたものが崩れるのも、その方が安定的だから。全てはそれで説明が付く。宇宙誕生のような『奇跡』が稀に起きるのも、安定が『確率的に最も起こりやすい状態』であるからで、低確率の状態になる事を否定はしていないからだ。

 しかしミュータントの力はこれを否定する。意図的に、そして代償に見合わない不安定さエネルギーを生み出す。

 きっとミュータントが苛烈な生存競争を繰り広げる度、いや、ミュータントが生きているだけで宇宙はどんどん不安定になっているのだろう。不安定になった世界は、安定を求めるように様々な現象を引き起こす。積み上げた積み木がやがて崩れるように。ところがミュータントの力により、積み木の山は崩れるどころか、何処からか突然取り出された新しい積み木を更に積まれてしまった。山はどんどん高く、世界はますます不安定になり……

 ついに生まれたのだ。不安定な積み木そのものを消す存在が。


「つまり、アンタ達ネガティブは宇宙を安定させるための存在って訳だ。ミュータントにより生み出された物質を消す事で……いや、ミュータントそのものを消すのが目的かな」


【肯定する。ミュータントを消せば、宇宙は、本来あるべき流れに戻る。それを行うのが、我らの、役割。我々はこれを、反動現象と、呼んでいる】


「……役割って言ってるけど、誰かに教えられたり、命じられたりしたの? まさか神様とか言わないよね」


【役割は、本能、と言い換えられる。ミュータントを消す衝動。故に我々は、ミュータントを探し、様々な星を消していた】


「ああ、本能か。それなら納得だわ……宇宙の厄災になってる事にも」


 ネガティブ達が何時何処で生まれたかは分からない。だが本能的に、奴等は察したのだ。自分達と真逆の、対になる存在がいるのだと。

 その存在を探すために、ネガティブ達は宇宙中を探し回った。道中で見付けた、目標じゃなかった星は片っ端から消していく。ミュータントが生み出したエネルギーを、宇宙の不安定さを少しでも解消するために。

 やがてネガティブは地球を見付けた。仲間から通信があったのか、自分達を殺せるのはミュータントだけという本能的確信があったのか。いずれにせよ目的地を見付けたネガティブは、総力を以て攻め込んできたのだ。

 宇宙を本来あるべき姿へと戻すために。


「なんで、私にそれを話したの? そりゃ私もミュータントだから無関係とは言わないけど、でも人間なんて別に特別強いミュータントでもないし、私自身に特別な力もないと思うけど」


【現在、我々と『星』の力は、拮抗している。勝敗は予測出来ない。そのため、緊急で新たな戦力を導入したい】


「……ああ、そっちの味方になれって事ね。で? 見返りは?」


【そちらの仲間の、安全と保護。我々は、ミュータントの繁殖は許さないが、個体が寿命を終わらせる程度は、許容出来る】


 継実が尋ねれば、ネガティブはそんな提案をしてきた。

 継実はしばしその言葉を噛み締めるように口許を動かしつつ、その提案について考えてみる。

 正直に言えば……自分と家族が無事なら、継実としてはそれも悪くないと思う。勿論自分の手で地球を滅ぼすというのは、理性的には御免被る。しかし自分の命を引き換えにしてでも守りたいかといえば、それもまた否である。継実が命を懸けるのは、自分の家族に対してだけだ。他のモノのために使うつもりは微塵もない。

 何よりネガティブに協力する事は、恐らく世界のためという観点では正しい。

 生命はエントロピーを増大させるための『装置』である、という考えを継実は昔何処かで見た記憶がある。七年前の文明全盛期、生命はエントロピーの増大、つまり熱力学の法則に反しているという話をよく耳にしたが……実際には真逆だ。生命は自己の状態を維持するために多くのエネルギーを消費している。つまり自己のエントロピーを減らすため、それ以上に周りのエントロピーを増大させているのだ。熱力学の法則が当て嵌まるのはあくまで『全体』の話であり、局所的に反している事はなんら問題ではない。生命活動により恒星の光エネルギーは炭水化物の結合エネルギーに変換され、その結合エネルギーは生体維持の名目で最も質の悪い熱エネルギーへと変えられていく。

 そう考えれば、エントロピーの増大、宇宙の熱的死を促進するのが生命の役割とも言えよう。それに逆らうミュータントは、宇宙の法則のみならず、生命としての役割にも反している。神様なんてものがいるとすれば、全力で滅ぼしに掛かる存在に違いない。

 そして何より……


「(私達ミュータントの存在が、ミドリの故郷が滅びた原因でもある訳で)」


 ミドリだけではない。宇宙の厄災と呼ばれるほどに、ネガティブは数多の星を滅ぼしてきた。今までに何千億、何千兆、何千京の生命が消された事か。

 ミュータント達はただ生きているだけ。しかし生きているだけで、宇宙全ての生命に迷惑を掛けている。死んだ方がマシとは正にこの事か。癪ではあるが、ネガティブの言い分の『正しさ』を継実は理解する。

 宇宙のためにも、ミュータントはここで滅びた方が良いのだろう。


「……アンタの言い分は理解した。確かに、私らはここで消えた方が良さそうだね」


【我々の提案に同意するか】


 確認のためだろうか。ネガティブがそのように尋ねてくる。

 継実はその問いに、静かに手を前に出す。

 ネガティブは最初、その手の意味が分からないのかじっと見つめるだけだった。しかしこのネガティブは継実の脳を読み取り、日本語を話せるようになった個体。握手の意味も読み取れた事だろう。

 ネガティブもまた片手を前に出す。触れれば互いに消し合うその手を、継実は笑顔を浮かべながら近付けた。ネガティブの顔は窺い知れないが、敵意は一切感じられない。二人はゆっくりと手を近付け合い――――


「ふんっ!」


 継実は自らの手を素早く握り締めるや、ネガティブの顔面目掛けて放った!

 ネガティブはこの攻撃に、反応すらしなかった。継実の拳はネガティブの頭部を直撃。周りに満ちる『何か』を吹き飛ばすほどの衝撃を撒き散らす。

 手加減なしの一撃。ネガティブも身体が大きく傾いた事から、それなりのダメージは入った筈だ。されど致命傷には程遠いらしく、ネガティブは即座に膝蹴りという返事をお見舞いしようとする。

 継実はこれを予見済み。バク転の要領で空中宙返りを行い、ネガティブから距離を取る。空中での姿勢コントロールはそう簡単な行いではないが、継実の運動神経ならば造作もない。

 ましてや継実以上の身体能力を持つネガティブにとっては、殊更簡単であろう。だが、ネガティブは動じているらしい。僅かながらではあるが、気配が揺らいでいた。

 その様を見た継実は不敵に笑う。


「ふぅん。脳内を読んでるから思考も読まれるかなって思ったけど、そこまではいかないか。なら、思ったよりは強くないねアンタ」


【……理解不能。我々に同意したのではないか】


「うん、話には納得した。ミュータントが宇宙から消えた方が良いのも同意する」


 宇宙の秩序に反しているミュータント。その存在は消えた方が、この宇宙の法則に則っていて正しい。これまで消えてきた生命への贖罪としても、命を賭すべきだというのは理性では頷く。

 だが。


「だから何? んだけど?」


 野生的には、微塵も納得していない。


【……宇宙がこれ以上不安定になった場合、何が起きるか予想が付かない】


「かもね。ネガティブなんて訳分かんない奴が生まれるぐらいだし。もしかしたらビッグリップ、宇宙がビリっと裂けていきなり何もかもがお終いになったりして」


【その不安定さの被害を受けるのは、お前達ミュータントだけではない】


「だね。アンタ達も地球以外の星を幾つも滅ぼしてる訳だし」


【それを理解して、何故抗うのか】


 ネガティブは心底不思議そうに尋ねる。

 宇宙の不安定さから生まれ、その生まれた理由に従って動くネガティブには理解出来ないだろう。宇宙を正常な流れに戻す行いを邪魔するなんて。

 そして恐らくミュータント以外の全ての生命が同意し、ネガティブに協力するだろう。ミュータントさえ消えれば宇宙に平和が戻るのだ。悔いるどころか嘘を吐いて反撃するミュータントに怒りすら募るかも知れない。

 しかし継実に言わせれば、何もかもがちゃんちゃらおかしい。


「私らはね、生きたいから生きてるんだよ。宇宙のために生きてる訳じゃない」


 生命の役割がエントロピーの効率的な増大だとして、どうしてそれを律儀に守らねばならない?

 秩序だとか法則だとか、ネガティブは好き勝手に語っているが、そんなものになんの価値があるというのか。生き物は自分の役割を果たすために生きているのではなく、生きたいから生きているのだ。子孫を残すのも残したいから残してるだけ。自らの役割なんて誰も自覚していない。

 宇宙の不安定化、他の星への被害……どれもこれもくだらない。生き物は常に自分の事だけ考えるものだ。神様や宇宙秩序なんてものがあったところで

 そもそも、あんな話で説得出来ると考えている方が腹立たしい。


「あとさー、アンタ交渉下手過ぎ。自分の要求を通したいなら、有利なのは自分だって言わなきゃね。今の戦いが互角なんでしょ? なら、アンタを潰せば……私らの勝ちって事でしょ?」


 継実の指摘にネガティブは答えない。されどその沈黙こそが如実に語っている。ここでこのネガティブを叩き潰せば、ネガティブ側は一気に劣勢に陥り……地球は救われるのだ。

 しばしの沈黙の後、ネガティブの周りを漂うゼロ物質が揺らめく。さながら、ため息を吐くように。

 例え顔が見えずとも、例え感情を滲ませる事がなくとも、何を思っているのか察するのは容易い。

 話し合うつもりはなくなったのだ。


【宇宙の秩序を正すため、ここでお前達には消えてもらう】


 ネガティブは宣言と共に構えを取る。

 隙のない立ち姿に加え、放つ闘志は圧倒的。これまで戦ってきたどのネガティブよりも強大で、完璧な戦闘技能を持ち合わせている。数多の戦闘経験を積んだ歴戦の戦士なのか、それともネガティブという存在の『核』なのか。正体は不明だが、一つだけ確かな事がある。

 まともにぶつかれば勝ち目などない点だ。それこそ物理法則にケンカを売るが如く。

 しかし継実は一歩も退かない。怯えも見せないどころか、不敵に笑ってみせる。

 そして自称宇宙の不安定化を止めるために生まれた正義の存在に、人差し指を向けながらこう告げるのだ。


「何時か必ず滅びる秩序ルールなんてクソ喰らえよ。そっから生まれたアンタをぶっ倒して、私らミュータントが新しい秩序に成り代わってやるわッ!」

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