第23話 たっぷり虐めてあげます
僕は、ハルジオン中心街を馬で疾走するフロレンティナに何とか縋りつくようにして、ついに彼女の家に到着した。
僕がこれから彼女の家で起こるであろうムフフ展開に胸をときめかせていると、フロレンティナは言った。
「じゃあ、下僕勇者さん、入りましょうか。今日は、たっぷりとイジメテアゲル」
……!!!
フロレンティナの様子が…学校にいたときよりも、さらに女王様に近付いている……!
学校でもそのドS性癖を抑えていたのか。だから誰にも見られない家にまで僕を連れてきたのだろう。
僕は、彼女の一言一句すべてに興奮していた。もはや下僕勇者と言われようが、虐めてあげると言われようが、それらはすべて悦びの言葉となっていた。
「フロレンティナ様……!」
僕の心は、今や完全に下僕モードとなっていた。自分が勇者であることなどはとうに忘れていた。
「ウフフ、アナタ、勇者よりもよっぽど、私の下僕としての才能の方があるわね…」
フロレンティナは、広すぎる邸内をブーツの足音をカツカツと響かせながら、下僕である僕を従えて歩いていた。彼女のスレンダーな体つき同様に、邸内のインテリアも余分なもののない、シンプルなデザインであった。
「ここが私の部屋よ。お入り」
フロレンティナ様の…お部屋……!
僕は、初めて女性の部屋に入った興奮で、なんとか立っているので精一杯だった。
彼女は、部屋の中央にある大きなベッドに座り、僕を手招きした。
僕は、犬のように彼女のもとに寄ると、彼女は言った。
「さ、私のブーツを脱がせて」
ブーツを…脱がせる……だと!?
僕は、人生で初めて言われたその言葉にショックを受けてしまい、頭が真っ白になった。
「フフ、イヤがっちゃダメよ、勇者様?首輪がしまっちゃうわよ?」
フロレンティナは、放心している僕の表情を楽しむように言った。
イヤ……だと!?
…イヤな訳がない!むしろその硬質な黒いブーツに触れられるだけでも本望だというのに!
僕は、素早く彼女の下にしゃがみ、ブーツに触れた。
「フフ、そうよ」
そして、ゆっくりと、丁寧に、ブーツの靴紐を外し、彼女が少しの痛みも感じないように優しくブーツを脱がせた。
なんだ…このプレイは!脱がさせられているというよりも、脱がせて頂いているという感覚なんだが!?
みれば、ブーツを脱いだ後には、靴下をほっそりとした足が見えている。
ヤバい…美少女の足が…こんな近くに……。
僕が、なんとか彼女の足に触れようとする欲求を抑えていると、彼女は言った。
「ウフ、じゃあ、靴下も脱がせて」
……!
…いいんですか!
僕は、嬉々として彼女の履く靴下に手をやり、これまたゆっくりと脱がせた。
すると、彼女の細くスベスベの足が現れた。もはや、黒いパンツから下には何も履いてはいない。
……なんだ…これは……!
辱めでもなんでもない…これは…そう…ご褒美!!!
僕がハァハァと息遣いが荒くなっていると、さらに彼女は言った。
「そこにタオルと水があるでしょ?それで私の足を洗いなさい」
……!
いいんですか……!
僕は、タオルに水を含ませてしっかりと搾り、彼女の足に当てた。
待て…これは…もしかして……。
「あの…拭きづらいので、手を触れてもよろしいでしょうか?」
僕が多分に期待を含ませて聞くと、彼女は言った。
「当たり前じゃない。足の指の間までしっかりと拭きなさい」
…指の…間まで…だと!?
僕は、思わず頬をスリスリしたくなるほどの滑らかな肌に触れた。
そこには無駄な毛などは一切なく、いつまでもこうして足を拭いていたいと思うほどだった。
僕は、できるだけ長くこの時間を味わうために、足の裏から指、ふくらはぎまで丹念に洗った。
「……終わりました。いかがでしょうか?」
僕は、本当はもっと拭いていたかったが、さすがに不審に思われるため、切り上げて彼女を上目遣いに見やった。
「…………」
フロレンティナは、なぜか考え込んだような表情で、黙り込んでいた。
なんだ…?何か、やらかしたか…?
僕は、自分が何か失態を犯したのかと心配になっていると、彼女はゆっくりと口を開いた。
「おかしいわね…アナタ…なぜ…動じないの……?」
……?
何を言っているんだフロレンティナは…?こんなに嬉しいことをさせて頂いて、むしろ感謝しかないが……。
僕が、そう疑問に思っていると、彼女は、やがて気を取り直したように顔をあげて言った。
「では、次よ。そこにオイルが入ったビンがあるでしょう?それを手に塗って、私の足をマッサージしなさい」
……!?
オ…オイル…マッサージだって!?
そんなエロすぎる展開があっていいのか!?何かのワナじゃないのか!?
僕は、動画でしか見たことのないオイルマッサージという言葉に衝撃を受けて、再び体が硬直してしまった。
すると、難しい顔をしていたフロレンティナは、ようやく小さく笑みをこぼして、言った。
「フフ、驚いているようね。早く手をオイルまみれにして、足を揉みなさい。でないと首輪が締まるわよ」
…オイル…まみれ!!!
僕は、再びその言葉に衝撃を受けて、動くことができなかった。
手をオイルまみれにして…美少女の足を揉むだなんて…なんて…卑猥すぎる!
今や僕の興奮は絶頂に達していた。正常な思考を保つことが難しくなっていた。
……すると。
「がっ…はっ…!」
僕の首輪がキュッと締まり始めた!
「ウフフ、急がないと窒息死しちゃうわよ?」
フロレンティナは呼吸ができずに悶える僕を楽しんで見ているようだ。
僕は、すぐに手をオイルまみれにして、彼女の足に塗り始めた。
……!!!
スベスベだ…!ただでさえスベスベなのに、オイルを塗ったら…もう…。
スベスベのスベスベ…。スベスベにスベスベ…。スベスベ×スベスベ…。
つまり、スベスベの2乗だ……!
僕は、オイルを彼女の足に塗り込む感触があまりに刺激が強すぎて、僕の頭はおかしくなりかけていた。
形のよいほっそりとしたふくらはぎ…。いつまでも触っていたいくるぶし…。否応なく淫らな指と指の間…。舐めたいほどの柔らかい足の裏…。
僕は、まるで夢の中にいるようだった。それでもこの幸福を感じ続けるために、なんとか意識を現実に繋ぎ留め、彼女の足をマッサージした。
モミモミモミ……。
僕は、あまりの幸せに、時間を忘れて黙々とマッサージに集中した。
こんな幸福に包まれたのは、いつぶりか思い出すことすらできなかった。
モミモミモミ……。
さらにマッサージを続けていると、不意にフロレンティナは言った。
「……もういいわ。洗ってオイルを取って」
僕は、言われた通りに、先ほどのタオルを入念に洗ってから、彼女の足からオイルを取り始めた。
もう…終わりか…もっとしたかったな……。
僕は、幸福の時間が過ぎるのはとてつもなく早いことを知った。
「終わりました、フロレンティナ様。…これで…よろしかったでしょうか?」
僕は、よろしくないからもう1度やりなさいという答えを期待して聞いた。
「ええ、大丈夫よ、ありがとう……」
美少女の足を揉んだという悦びから満ち足りた表情の僕と対照的に、フロレンティナは浮かない表情だった。
なんだ…?機嫌でも悪いのか…?
なにか…僕はやらかしたか……?
僕は、彼女の思案するような表情に不安になっていると、彼女は独り言のようにつぶやいた。
「なぜかしら…なぜイヤがらないの…?抵抗しないの…?」
……?
先ほども、同じようなことを言っていたな…?
僕は、彼女が何に引っかかっているのか分からなかった。
僕は、彼女の部屋に足を踏み入れてから薄っすらと漂う、彼女の思惑と僕の反応に差異があったことを思い出していた。
な…なんだ……?
彼女は…何に悩んでいる……?
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