魔法学院は楽園か
第8話 お着替えの時間です
ピロリ♪ピロリ♪ピロリ♪
マクドナルドの音…?
な…なんだ……?
僕は怪訝な顔をして辺りを見渡した。
ティアラは先ほどまでアストレアがいた窓の方を眺めているだけで何も起きてはいない。
……お?
灰色の半透明のステータス画面が僕の目の前に現れた。
おっ?なんか……変わってる……。
そうか今のはレベルが上がった効果音なのか……ふざけた効果音のチョイスだ……。
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夜立郁人 Lv2
HP: 35/35 SP: 10/10
職業: びびりエロもやし
スキル:
【
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んん?何だろうすごくイライラするぞ……?
まずHPとSPが微増している。文字通りほんの僅かだけ。これは喜んでいいのだろうか?
こんな低スペックで一体魔物を倒せるのだろうか?
おじいちゃんになってもスライムすら倒せないのではないだろうか?
それに職業!『エロもやし』が『びびりエロもやし』に進化している!
悪口が増えただけじゃないか!しかし、的を射ているだけに余計にイライラする。
美少女にびびり彼女らの姿に興奮し戦闘能力の低い僕のことをあざ笑っているのだろう。
注目すべきはスキル【臆病者の白昼夢】に説明がついたことか。説明の内容に関しては大体考えていた通りだったな。
…じゃないよ!ふざけんなよ!最初っから書いといてよ!
何でレベルが2になってから見られるんだよ!レベル1のときに死んじゃうじゃん!
使い方が分からないからティアラに危うく殺されるところだったよ!
誰だよこのステータス書いてるの!?悪意しか感じられないぞ!
「何を考えているの?」
ティアラが『絶対コイツ頭おかしいな…』と言いたそうな顔で僕に聞いてきた。
いつの間にか彼女は窓から僕の方へ視線を戻していた。
「いやいや…なんでもないよ!」
僕は慌ててかぶりを振った。
そういえばティアラはなぜまだ僕の前にいるのだろう?
案内役の確認に来ただけじゃないのか?
僕がそう疑問に思っているとティアラは話を続けた。
「今日から魔法学院に行ってもらうわ」
……まじか。
「あなたは勇者で
魔法学院で魔法の使い方を学んで能力をあげるのよ。魔王討伐に出かけるのはその後ね。
あ、そうそう、勝手にこの街から出て魔物討伐とか行ったらダメよ。アナタはまだその資格さえないのだから」
そういえば勇者だったし魔法騎士ってことになってたな…。
ティアラやアストレアにヤられそうになってばかりで、全くその自覚がなかった。
というか魔法騎士に関してはウソである。先ほど『びびりエロもやし』に進化を遂げたばかりである。
……しかし。
しかし、それはそうとして、魔法学院とはいいイベントがやってきたものだ。
最強の魔法を学べれば、今はクソザコの僕にもようやく無双モードに入る展開がやってくるのかもしれない!
そして魔物に襲われている美少女を助けちゃったりして、『大丈夫かい?』『勇者様……(キュン)』なんていうラブストーリーを繰り広げるのだ!
それだけではない!
きっと魔法学院にも美少女たちがいらっしゃるに決まっている!
今度こそハーレムだ!
僕の華麗なる魔法を美少女たちに見せつけて『さすが勇者様…』『いやいやこんなの
悪いことばかりじゃなさそうだ。なんだかウキウキしてきた。ちゃんとした意味でヤってヤられる関係が構築できそうだ。
僕がそうニヤニヤしていると、ティアラは唐突に言った。
「そろそろ学校が始まる時間だから出かけるわよ。立って。着替えさせてあげるわ」
……………。
……ん!?
今、信じられないコトバを聞いたような……
僕は今しがた聞いた言葉の衝撃から身動きを取ることができないでいた。
「聞こえなかったの?着替えさせてあげるから立って?
そんなみすぼらしい姿では学校に行くのに私が笑われてしまうわ」
………!
ついに…来たのか!?
うぉおおおおキタァァァアアアアア!キタコレ!キタコレ!KITAKOREEEEEEEE!
ついに、ついに、ハーレムだぁあああああああ!
今まで生き延びた甲斐があったぞぉおおおお!
着替えさせてくれるってどんな風に?優しく脱がせて?着せてくれるの?
やっぱり下着も?下着も脱ぐのかな?その下にある僕のモノをどうするのかな?やっぱりああするのかな?
あ、もしかして『立って』ってそっち意味の『立って』かな?『立って』、『立つ』のかな?いやらしい、いやらしいぞティアラ!
興奮が止まらない。脳汁が留まることなく出続けている。あっという間に僕の下半身は東京タワーと化した。ティアラを迎える準備は万端だ。
幾度もティアラにはヤられそうになってきた。
だが過去のことは水に流そう。大事なのは今だ。今さえ気持ち良ければそれでいい。
寛大な僕はティアラにヤられてやろうじゃあないか。さぁ僕を昇天させてくれたまえ!!!
僕は悦びのあまり勢いよく立ち上がった。
さぁ来い、ティアラ!いやらしく着替えさせておくれ!
僕は真紅のミニスカートを身に着けたティアラを見つめ大の字に立って、これから起こることに期待を膨らませた。
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