異世界へ3 (第4話)

私は助けてくれた彼女に、泣きながら抱き着いてしまいました。って、私何やってるんですかぁ!

「あっ、あの、すいませんでしたぁ。」

私は、慌てて離れました。化け物に襲われたり、それをかっこよく助けてもらったせいで興奮してしまい、おかしいことをしてしまいました。顔が熱い。きっと顔は真っ赤になっています。って、何かおかしくないですか?彼女は一瞬で私と怪物の前に現れて、とんでもない量の炎を出しました。

    普  通  の  人  間  じゃ  な  い  !  !

まあ、私もただの人間じゃないんですけどね。もしかしてさっきも

『大丈夫?けがはない? じ ゃ あ 次 は お 前 だ !』

ってつもりだったんじゃ。心配になって、慌てて彼女のほうを向きました。しかし彼女の顔を見て、それが失礼な勘違いだとわかりました。彼女の方を見ると、真っ赤に染まった顔を必死に隠す、可愛い女の子がそこにはいました。

「あのぉ、大丈夫でしょうか。すごく赤くなってますけど?」

『うん…。大…丈夫…だょ』

「えぇっと、名前教えてもらっていいですか?私は沙苗。15歳です。」

空気が気まずくなり始めたので、とっさに名前を聞きました。

『私はひかり。15歳だよ。』

顔の赤さがもとに戻っています。

「ひかりさんですね。顔色が戻ってますけど、緊張はとれたんですか?」

『うん。さっきは急に抱き着かれたから、ドキドキしてただけだから大丈夫。』

「あ!それと、私道に迷っているんですよ。助けてもらっておいてなんですけど、 よければ道を案内してくれないでしょうか。」

『うん、いいよ。10万で引き受けてあげる。』

「お金取るんですか!」

『うそうそ、冗談。なんか沙苗ちゃんって反応が可愛いから、少しいじりたくなっ ちゃうね。』

それ、いつもお母さんに言われることじゃないですかぁ。あったばかりの人に言われなんてどんだけわたしはいじられ体質なんですか。

『あと君って、たぶん能力発動したてだよね。』

「なんでわかるんですか?」

『だって、あんな雑魚も倒せない雑魚なんだもん。だったら能力発動したてしかないと思って。』

「今普通に雑魚っていいましたよね。ひどくないですか。」

『ごめん。事実だったから。』

それ余計に傷つくやつです。沙苗のライフはもうゼロです。

『魔力って使える?』

「使えません。」

『全く?』

「全くです。」

『なんでこっちの世界に来ちゃったのかなぁ?』

「実はかくかくしかじかで…」

わたしはひかりさんに事情を説明しました。

『つまり沙苗ちゃんは狼族で、お母さんに無理矢理連れてこられた上に帰れないっ てこと?大変だね。』

「ほんとうにたいへんです。ていうか、めちゃめちゃ話それちゃいましたけど家に いきませんか。」

『そういえば、そうだったね。じゃあ行こうか。』

私はひかりさんに地図を渡し、家まで案内してもらいました。

『着いたよ。』

そこにあったのは大きい豪華な家の隣の、普通のアパートだった。

「何か…地味です。」

『ちなみにそこの大きい家が私の家だよ。』

「へー。そうなんですかって、えーー!!」

「そこの庭がすごい広い家が!」

『うん。』

「そこの庭にベンチがある家がですか!!」


『うん。そんなに気になるなら座ってみる?』

「座ります、座らせてください。』

やっと着いた自分の家よりも、ひかりさんの庭のベンチに興味深々な私なのでした。ベンチは座ってみると普通のベンチで、何とも言えません。

『さてと。そろそろ話そうと思ってたんだけど、沙苗ちゃんはこの世界のことを知 らないんだよね?』

「はい、まったく。」

『じゃあ私が今から、この世界のことを教えてあげるね。』

ついに、知りたかったことが知れる。私は、目を輝かせて耳を傾けた。

『それじゃあまず、第一次光闇対戦辺りk…』

「もっと前からお願いします。」

『じゃあ、ビックバンで宇ty…』

「ふざけないでください。」

『ごめん、ごめん。冗談だから。』

ホントに私のワクワク返してほしいです。

『じゃあ、まじめに言うね。まず事の始まりは、この地域の土地や生き物が突如

     こ の 異 世 界 に 来 た こ と な ん だ。』


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