1-7
土下座した金でゲームを買った俺は走っていた。
言っちまったよおい。格好付けて大見得切っちまった。
でも胸中にあるのは反省ではなく、やる気だった。
体の奥に燃えるような炎を感じた。
もう後戻りはできない。
今から一ヶ月死ぬ気でやって強くなってやる。
そして舞姫の奴をぶっ倒して「ごめんなさい万里様。姫騎が悪かったですぅ」と言わせてやるんだ。
メイド服を着せてな!
そうとなったら時間が足りない。ゲームは買ったから家でもできるが、一人でやっても埒があかないのは骨身に染みた。かと言ってゲーセンに通ってちゃ破産する。
教えてくれる人がいて、かつ金がかからない環境を構築せねば。
そう思って俺は走った。先程下ってきた坂を勢いよく駆け上がっていく。
学校に戻ると俺は記憶を頼りに廊下を走った。先生に注意されたが笑顔で手を振る。
汗だくになって走り続けるとこの前ゲーム大会が開催されていた部屋のドアを見つけ、思い切り開き、叫んだ。
「頼むっ! 俺に格ゲーを教えてくれっ!」
部室には誰一人いなかった。
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