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永劫地縛霊の男が手掛けたという遊具の通路は一見変わったところはなかったが、進んでいくと次々に矢の雨や鉄球などのトラップが作動していった。やはり、そう簡単には先に進めないようになっているらしい。まあ、俺にとってはこれぐらいの罠、どうってことないけどな。昔、仲間の自称盗賊エルフ女に、トラップ解除失敗のとばっちりを受けまくったせいで、慣れているというか耐性ができているというか。
「しかし、五百年前に作られたとは思えないくらいの、ピカピカの設備だな?」
と、走りながら、ふと疑問を口にすると、
「そりゃそうじゃろう。この遊具はなんせ、あの男の霊がとりついている依り代なのじゃなからな」
と、亀妖精が答えた。
「依り代か。つまり、この設備自体があの霊の本体ってことか?」
「まあ、そうとも言えるじゃろうな。やつの強い怨念により、これは五百年間の姿かたちをそのままとどめておるのじゃ」
「ふうん?」
まあ、だいたい霊ってそんなもんか。
「そもそも、なんでそんなものがここに置いてあるんだよ? あいつの話を聞く限り、元々ベルガドのものじゃねえだろ、これ?」
「他に置き場所がないからじゃ。じゃから、やむなく他の国からここに送られてきたのじゃ」
「? でかいからか?」
「それもあるが、この永劫地縛霊つきの遊具は、人をどこからともなくおびき寄せ、あそばせ、死に至らしめる性質があるのじゃ。どんな僻地に置いておいてもな。ゆえに、ここで封印しておく必要があったのじゃ」
「まるで呪いのアイテムだな」
まあ、アイテムと呼ぶにはちょっとでかすぎるか。しかし、よくこんなでかい遊具が入ったな、ここ。転送魔法でも使ったんだろうか。
やがて、俺たちの目の前に扉が現れた。トラップまみれの通路はそこで終わりになっていた。
「どうやら第一ステージ突破って感じだな。よーし、次もガンガンいくぜ!」
俺はその扉を蹴破……りたかったが、破壊行為はNGなので普通に開けて中に入った。今度の扉はすぐ先に落とし穴はなさそうだった。
だが、違う意味での「落とし穴」はそこにあった。扉に入って俺の目に飛び込んできたのは、なんと裸の美女たちがたくさんいる女風呂だったのだ!
「なん……だと……」
目の前にたちこめる湯煙のように、頭の中がとたんに真っ白になってしまった。こ、これはいったいどういう……。
「あら、男の人がここに来るなんて珍しいわね」
と、裸の美女の一人が俺に近づいてきた。ぷるんぷるんと豊かなおっぱいをゆらしながら!
「ここは混浴なんだけど、男の人はあまり来ないのよね。さあ、あなたもそんな格好してないで脱いで」
「え?」
「脱がないと、服が濡れちゃうわよ」
と、女は俺の服に手を伸ばす。しかも、他の女たちも俺のところに集まってきた。みんな裸だ!
「ちょ、待て! なんでこんなところに女湯が――」
「女湯じゃなくて混浴よ。男の人も楽しんでいいのよ」
「そうよ。ゆっくりしていってね」
と、裸の女たちはいっせいに俺におっぱいを押し付けてきた。
「ほ、ほわわあああっ!」
なんという至福の感覚だろう。こんなところにあったんだね、俺の黄金境――って、幸せになっている場合じゃない! 俺は五分以内にゴールに行かないといけないんだ!
「お、おい、そこの亀妖精! こいつらはいったいなんなんだよ!」
「そりゃあもちろん、この遊具の付属品の、ただのカラクリ人形じゃよ」
「そ、そうか。ただの人形か!」
なーんだ! みんなニセモノのおっぱいなんだ。だったら別に気を取られることはないよな。人形なんだから……ねえ?
「ねえ、せっかくだし、私たちと一緒に楽しみましょうよ」
「さあ、あなたも裸になってえ。早くう」
「え、えっと……」
やべえ。人形だとわかっているのに、リアルすぎておっぱいに目が釘付けになっちまう。こいつらを振り払って早く先に進まないといけないのに。
「ぐう……これがこの遊具の第二のステージか! なんて難易度が高いんだ!」
人形の女たちに乳を押し付けられながら、体からどんどん力が抜けていく俺だった……。
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