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仰向けになっているユリィの体勢はまさに無防備そのもので、俺の手はすぐに二つのふくらみに到達することができた。ぷるんっ! 俺の手が触れたとたん、それらはプリンのように震えた! おおおう……やはり素晴らしい感触!
しかも、前にドノヴォンの王宮のベッドでこっそり触った時とは違って、今はユリィはちゃんと起きていて、ちゃんと俺のやることを受け入れてくれている。これはすごいことだ。ユリィは俺がおっぱいをさわることを許してくれている! 合法おっぱい! ハッピーターンの周りの白い粉よりもずっと尊い合法の幸せだ!
しかもしかも、俺がちょっと指を動かすと、
「あ……」
ユリィのやつ、恥ずかしそうに顔を赤らめ、身をくねらせるのだった。そう、このおっぱい……動くんだ! 生きてるおっぱい! かわいいリアクション付き! これはもう盆と正月とリオのカーニバルが一緒に来たあげく、阿波踊りしながら光の彼方にフェードアウトするぐらいお祭り騒ぎと言っても過言ではない……。もみもみ! もみもみ!
「だ、だめです……そんなに激しくしちゃ……」
「え、なに?」
聞こえない! なんか止められてる気がするけど、聞こえない! 俺はさらにおっぱいを揉み続けるっ! なぜなら目の前に揉んでいいおっぱいがあるから! もみもみ!
もちろん、ただやみくもに指を動かしている俺ではなかった。そう、乳というものは単にまあるいだけではなく、その頂には乳首という魅惑の突起がついているのだ。男ならやはりそのテッペンを目指すべきではないだろうか。というか、自然と指がそこを目指して動くわけで……すぐにローブの布地越しにその場所を探り当てることができた。
そして、当然そこをぐりぐりしてみるわけで、
「やっ、そこは――」
ユリィはとたんに体をびくっと震わせた! おおおおっ! ユリィの体の押しちゃいけないボタン押しちゃった! わあい!
「ト、トモキ様、そこはあまりさわらないで――」
「え、そこってどこ? 別に何もないけど?」
ぐりぐり。また聞こえないふりをしながら、その突起を指でいじりつづけた! この状況でダメって言われたら、アクセル全開にするに決まってるだろうがよ!
「あっ、や……」
と、ユリィはさらに身をくねらせ、自分の口を両手でふさいだ。変な声が出てしまうのが恥ずかしいのだろうか。年収低すぎのポーズだ。
そして、その状態で俺が指を動かし続けると、
「んっ……ふ……」
手でふさいだ口から、くぐもったあえぎ声を上げるユリィだった。な、なんだこの、背徳的なプレイ? 俺、なんか、めちゃくちゃいけないことしてるみたいで、興奮しちゃうんですけど!
い、いや、落ち着け俺……。今やっていることは、あくまで、キャゼリーヌの人造おっぱいと、ユリィの本物おっぱいとの違いを確かめる作業にすぎない。いやらしいことは何もないはずなんだ。だから、俺はただ、乳首をいじり続け乳を揉み続ければいいんだ。あくまでこれは検証作業なんだから! もみもみ! ぐりぐり……。もみもみ!
と、そこで、
「トモキ様、わたし、もう限界です……」
ふいに、ユリィが潤んだ瞳で俺を見つめながら言った。
そして、口から手をどかし、目をつむってしまった。
こ、このシチュエーションは、まさか――。俺ははっとした。そう、これはまさに「キス待ち顔」! 少女漫画とかドラマとかでこういう顔してるヒロイン見たことあるもん! ユリィは今、俺にキスされたがっている!
ま、まさかこの俺が、そんな顔をされる立場になるとは……。しかもこんなかわいい女の子に! おおおっ! もはや何も迷うことはない! 目の前に「キス待ち顔」があるのなら、俺はただそこに唇を近づけるまで――、
だが、その瞬間、
『マスター? アンタ、そんなことして幸せになっていいんですかネー?』
忌まわしい声が頭の中に響いた!
こ、この声は! はっとして、周りを見ると、すぐ近くにゴミ魔剣を口にくわえたシカが立っていた。
くうう……。あの遺跡の地下に捨ててきたはずなのに、もう戻ってきやがったのかよ。しかもこんなタイミングで! もうちょっとで俺のファーストキスだったのに!
いやでも、こいつの忠告はもっともだ。ここで今、俺がユリィにキスをしてしまったら、幸せ過ぎてマジで呪い発動してしまうかもしれん。すでにおっぱいでだいぶ幸せになってしまったし。
クソッ、仕方ないがこれ以上はあきらめるしかないか。くそう、くそう!
「ユリィ、キャゼリーヌとお前のおっぱ、胸の違いはだいたいわかったし、そろそろ寝ないか?」
「…………」
あ、あれ? 返事がない。
「ユリィ?」
「…………ぐぅ」
よく聞くと、ユリィのやつ、寝息を立てている! 眠っている!
つまり、こいつがさっき「限界です」って言って目を閉じたのは、眠気が限界だったってことか? つまり「キス待ち」で目を閉じたわけじゃなく、寝落ちしただけだったのか……。
「なんだよ、それ」
俺は体からどっと力が抜けた。なぜこの状況で寝落ちするんだって気もするが、ユリィはなんせ、眠気にはとことん弱い体質だ。むしろ、今までずっと眠気に負けないようがんばっていたんだろう。それなのに、俺が押し倒したもんだから……。
『よかったですネ、マスター? キスを断って気まずい空気になるのは避けられましたヨ?』
「うるせえ! お前は最初からこいつが寝落ちしてるってわかってただろうがよ!」
俺はシカの口からゴミ魔剣を取り上げながら怒鳴った。俺がそれを回収すると、シカはすぐに森の奥へ逃げて行った。
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