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ユリィはすぐに学校指定の水着を脱ぎ終えた。
そして現れたのは一糸まとわぬユリィの裸……ではなかった。ユリィのやつ、学校指定の水着の下に、さらに違う水着を着ていたのだ。
そう、さっきルーシアが着ていたような、ビキニタイプの水着を……。
「あ、あの……どうですか、これ?」
ユリィは恥ずかしそうに顔を赤らめながらも、俺にそれを見てほしいようだった。ピンク色の、花柄のついたビキニだった。布地の面積はいい感じに小さく、胸はぱつんぱつんで、いまにも乳がこぼれそうだ。
「ど、どうって……」
いいに決まってるじゃないか! 最高に似合ってるよ!
などと、ストレートに言えるはずもなく……。
「ま、まあ、悪くはないんじゃないか?」
目をそらしながら早口で言うしかなかった。なんかめっちゃドキドキしちゃうし。
「ありがとうございます」
ユリィはほっとしたように笑った。相変わらず無垢な、かわいらしい笑顔だ。乳が水着からこぼれそうになってるくせに。そんなにいやらしい恰好してるくせにぃ!
「どうしたんだよ、そんな水着?」
「ルーシアさんにいただいたんです」
「あいつに? なんで?」
「このあいだわたしたちがお家におうかがいしたとき、ちゃんとお相手できなかったお詫びだそうです」
「あー、あのときの……」
確かに、お客様に対する礼儀もクソもなかったな。あの家の家族は。
「でも、なんでお前にだけそんなのやるんだよ? 俺は何ももらってねえぞ」
「え? みなさんそれぞれにお詫びをしたと聞きましたけど?」
「俺はもらってない! 一切何も!」
「き、きっと、トモキ様は後回しになっているだけですよ」
ユリィはおろおろしながら俺をフォローした。まあ実際は、あの女が俺のことを普通に嫌ってるだけなんだろうけどさ。俺もあの女のこと嫌いだし、別にいいもんね。バーカバーカ!
「それで、せっかくいただいたものですし、今日の水泳実習の時に着ようと思ったんですけど、実際着てみると、その……意外と肌の露出が多くて」
ユリィは再び恥ずかしそうな顔になった。
「でも、今日をこれを着ないのもルーシアさんにすごく悪いですし、でもでも、こんな肌の露出の多い恰好でみなさんの前に出るのは恥ずかしいですし、なので、そのう……」
「いったんそれを着たあとに、上から学校指定の水着を着ることにしたんだな」
「は、はい……」
なるほど。ユリィなりに悩んだ結果がこの重ね着ってわけか。
「ただ、こういうのはやはり、誰か一人には着ているところを見せないと、着た意味がない気がしたんです。それで今、こうしてトモキ様に――」
「見ていただいているわけなんだな! なるほどなるほど!」
俺は全力でうなずいた。なんという素晴らしい考えの持ち主なんだろう、ユリィは。俺にだけ、こんないやらしい水着を着ているところを見せてくれるっていうんだから。俺にだけ!
「すごく似合っていていい水着だと思うぞ、ユリィ! もはやお前の肌の一部なんじゃないか? それぐらい自然でさまになっているぞ!」
「あ、ありがとうございます……」
俺の誉め言葉にまた顔を赤くするユリィだった。くうう、いやらしいのに、かわいいやつめっ!
「ただ、もともとはルーシアさんのものだったらしくて、サイズがちょっと小さい感じなんです。ルーシアさんはわたしよりずっと細くてきれいな体をされていますから」
なるほど、だから布地が足りてない感じなんだな。俺だけお詫びとやらがもらえなかったのにはむかつくが、それにしてもあの女の贈り物は素晴らしいな。こんないやらしい水着を真面目で純真なユリィに着せてしまうとは!(まあ、世間知らずでちょろいだけなんだけどな!)
「ユリィ、女ってやつはルーシアみたいなやせた体型に憧れるんだろうが、男にしてみればああいうのはただ貧相なだけだぜ。お前ぐらいの体型がちょうどいいんだ」
ユリィがなんだか自分のスタイルに自信がなさそうに見えたので、力強く持論を説いた。
そして、
「ま、まあしかし、水着のサイズが足りてないのは確かだな? 背中の方とか大丈夫か? ちょっと俺に見せてみ?」
と、言って、素早くユリィの背後に回り込み、尻を見た。
それは俺の予想通り、いや予想以上に水着が食い込んでぱつんぱつんだった! おお、なんという尊い尻肉! さらに布地の足りなさゆえに、尻の谷間がわずかに水着からのぞいていた。こ、この神聖なゾーンに指を入れたらいったいどうなってしまうんだ……。
「だ、だめです! お尻は見ないでください! わたし、人より大きいみたいなので……」
ユリィはすぐに身をよじらせ、俺の視線から逃げた。
「ユリィ、尻が大きいってことはいいことだぞ。安産型ってやつだ。気にするな」
俺はそんなユリィの反応に笑った。
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