ねむりの丘について



肌触りはあたたかい


睫毛の長さはコード進行を教えている


寝苦しい夜の 歌を教えている




たたずんでいる


あの時からこの時の脈絡などなく


まばたきを繰り返すその瞬間ごとに不安になる




ねむりはどこにも行かないまま


部屋に充満して寝苦しい




寒い丘の上に立つ猫は太陽を探している


素早い姿勢で飛びかかれるように


じっと見つめている




やわらかさをやわらかいままにしておくには


聡明な髭が必要なのかもしれない




じっと 泡立つ 地平線の 揺れを感じている



予感よりも確かなかたちで

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