第8話 復活

「全く…2人は愛し合いすぎなんじゃ…」


…なんで怒られなきゃいけないのさ。


「悪いのか?」


「我らが朝ごはんが食べられないじゃろ!?」


「そういうこと…そんな理由で愛し合う時間を奪わないでほしいなぁ…」


「そうだな…私とカエデは2人で1つのつがいなんだ。これぐらいいいだろう…」


「…少し悩ませてくれぬか?」


「うん、いいよ?」


そういうとスザクは部屋から出て行ってみんなと話す。


「…全く、私たちが幸せに暮らすのになんの問題が…」


「そういう問題があるなら可能な限り修正していかないと…」


朝食…こんな話かぁ…


「私はただ…カエデと幸せに自由に暮らしたいだけなんだがなぁ…」


「…現実はそう甘くないって言いたいのかな…?」


「…はぁ…カエデ」


「ん?」


「まだ私の中にカエデのが残ってるって急に私が言って興奮するなら…したいと思うか?」


「え?どうしたの急に。まあ…したいねぇ」


「そう…だよな」


「…ビャッコ、もしスッちゃんが何か言ってくるなら…僕が説得してみるよ。2人で愛し合う時間とかをくれないかって」


「頼む。…あんな事情で私たちの愛は…止まるわけにはいかないからな…」



やっと帰ってきたよ。


「待たせたな…」


「…スッちゃん、話を聞いてほしいな…」


「どうしたんじゃ?」


「僕たちはつがいである。そしてつがいは2人で1つ。それは欠けちゃダメなんだ」


「…」


スッちゃんは僕の言葉を流さないように一言一言丁寧に聞き取ってる。


「つがいになったときの挨拶で博士と助手、教授と准教授に言われたんだ。つがいになったからには愛しあえる限界までしっかり愛し合うとなお良い。他人がどう言おうが自分たちの正義は貫いて2人の生活に集中した方がいいってね…つまり…僕たち2人の生活を優先…してほしいな?」


「なるほど…言いたいことはそれだけかの?」


「うん」


「なるほど…ではこちらからもお願いじゃ。今日の件は我も悪いと思っている。そして4人で話し合ったわけじゃが…一週間は我らと一緒に火山の頂上にいてほしい。そして何か特別な理由がない限りそっちには行かないと約束しよう。…どうじゃ?」


「…いい?ビャッコ」


「あぁ…いいぞ?」


「よし!僕からもいいよ!交渉成立ね!」


「…寂しくなるの…」


「…ごめんね…」



「…どうかしら?」


「交渉は成立した。…一気に2人いなくなるのは…寂しくなるの…」


「そうだね。でも2人が愛し合うためには私たちがここに来なければいい話だもんね」


「…賑やかにする方法は無いかの…?」


「あるよ」


「本当かしら!?」


「うん、その方法はね…」



…一週間に一回…


「…ビャッコ?」


「ん?どうした?」


「満足…した?」


「あぁ…大満足だ…」


「これで心置きなく…愛しあえるね…?」


「そうだな…」


ゴゴゴゴ…


地震!?どうしたの!?


「うわ!?」


「…噴火か!見にいくぞ!」


「どこへ!」


「頂上に、だ!」



「…ここは…?」


「ジャパリパークじゃ」


「おお!お前があのスザクか!」


「みんなー、さっきぶ」


「…!カエデ!カエデじゃないか!久しぶりだな!」


なんか親近感はあるんだけど…誰だっけ?


「えっと…ごめんなさい、どなたですか…?」


「そんな!?ひどいじゃないか!だ!」


ん!?お父さんの中にいたフェンリル!?


「あぁ〜!久しぶり!でもさっきの噴火ってまさか…」


「うん、みんなを復活させるための噴火」


なるほど!じゃあ…


「ていうことは…他は…」


「マンティコアだ!」


「ロック鳥だ…」チッ


「同様に」チッ


「キュウビキツネよ」


ロック鳥さんたちはやっぱり仲悪いね…で、見慣れないフレンズさんが1人…


「…で、あなたは…」


「ん、我か。我はヤマタノオロチ」


「…みんな!何かあったの!?」


「お父さん!」


早いね!こういうところ、尊敬するね!


「おお!昨日ぶり!」


「えっと…お酒の匂いがすごいよ?」


「昨日はちょっと飲みすぎたからね…」


だからかぁ…


「えっと…見慣れないけど…」


「オレンジか!?」


「え?そうだけど…」


「久しぶりだな!封印された時以来だな!」


「…まさか!?フェン!?」


「そうだ!久しぶりだな!」


「久しぶりー!」


「そもそもなぜこんなに酒の匂いがするんだ…」


「酒だと!?」


「昨日飲み過ぎた…」


「おぬし、酒を持っているのか!?」


「え?家にあるけど…」


「酒を飲みながら語り合わないか!」


「え!?何急に!?」


「酒が好きなんだ!」


「…今お酒って余ってたっけ?」


「まだ全然余ってるよ?あの時作りすぎたからね!」


「じゃあ…うち…来る?」


「そういうなら遠慮なくいかせてもらうぞ!」


「そういえばフィルターは大丈夫なの?」


「あぁ。フィルターはもうあいつ1人で大丈夫だ。あいつの能力は遠隔でも操作できるからそれを利用して決して崩れないフィルターを作ったんだ」


「なら…みんなも好き勝手に歩けるってこと?」


「そうだな!」


「じゃあさ、どうせだしみんな来る?みんなでお酒飲む?」


「我はもちろん行くぞ!」


「うーん…俺も行きたいとは思ってた!だから行くぞ!」


「そういえばロック鳥の2人って仲悪いんだよね?この機会に一緒に飲んで語り合って仲直りはどうだい?」


「…仲直りできる気がしないが行かせてもらおう」


「なら俺も行くことになるな」


「さ、あとはマンティコアとキュウビキツネだけど?」


「私は…遠慮しておくわ」


「俺も遠慮しておこう。…酒には弱いんでな」


へぇ…酒には強そうなマンティコアさんが酒を飲まないのか…意外だなぁ。


「あ、酒仲間1人追加していいか?」


「え?誰?」


「まあ見てろ。おーい」


…本当にそんなんで来るの?


「…どうしたんじゃー?」


「一緒に酒でも飲まないか?彼が飲ませてくれるらしくてな?」


「本当なのか!?わしはイヌガミギョウブ!ヤマタノオロチと共にフィルターの中にいたものじゃ!ちっとでいい!飲ませてくれぬか!」


「うん!どうぞどうぞ!ていうか神の部類多くない?」


「さっきの噴火でUMAのフレンズが復活したの」


「なるほど…?」


色々すごいことになりそうなんだよねぇ…


「あ、ならカエデとビャッコも来る?」


「あ、なら甘酒もらっていいかな?」


「甘酒?」


そっか、ビャッちゃん飲んだことないのか。


「あ、飲んだことない?簡単に言うと美味しい飲み物だよ?まあお酒も美味しいけどね?お父さんたちはお酒パーティーだけど来る?」


「…どうする?」


「飲んでみたいな…」


「よし!じゃあみんな来てよ!お酒じゃない飲み物もあるからさ!」


「そうなのか…」


「じゃあ行く価値はありそうね」


…つまり…僕たちも合わせて…12人くらい!?まあ実家は大きいから大丈夫だとは思うけど…


「じゃあさ、スザクとセイリュウとゲンブとセーバルも来てさ、みんなで騒ぐ?」


「そうじゃな!こういうのもたまにはな!」


「よし!じゃあ…まだ準備が必要だからみんなは各自準備ができたら来て?と言ってもカエデとビャッコ以外は準備できてるとは思うけどさ!」



準備してるわけなんだけどさ…


「…さ、準備する前にさ?」


「…ん?」


「この匂い…消さなきゃね?」


今日の朝も興醒めしたとは言えども繋がったからね。シャワー浴びないと!


「そうだな?」


「さ、浴びようか!」



とりあえず数分で済ませてきた!どうせだし、正装?で行きたいからフレンズとしての服装で行こうか!


「ふぅ…この服も久しぶりだよ」


「私は着慣れているが…いつもとは違って洗濯したからいい匂いがするな!」


「さ、準備はできた?」


一応もらえるかどうか聞きたいから水筒を何本か持っていくよ。


「あぁ!」


「さ!出発!」

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