第6話 帰るべき場所

さすがはお母さんとお父さんとプラムさんとライオンさんの料理。ものすごいおいしかった!


「…さて、とりあえず山頂にワープするからそこで案内を頼む」


「わかりましたー!」

「あぁ、わかった」


案内ねぇ…



「ただいまー」


「ふぇ!?」


「久しぶりー」


「オレンジ!?」


まあそりゃ驚くよねぇ。石板は…6つとも動いてないね!


「ちょっと部屋を改造するからビャッコの住処にいるね?」


「待つんじゃ!」


「ん?」


「その、どうなったんじゃ?」


「見てわからないか?」ギュ-


「うん、つがいになったんだよ?」


「おお!?それはよかったの!」


「すごいわね!」


「そなたらの行動には感心するぞ…」


「おめでとう。子供、楽しみにしてるね」


セーちゃん早いね!?


「う、うん。楽しみにしてて?」


「あ、夜たまにうるさくなると思うけどそこも配慮するつもりだから安心して?」


もう学習したよ。さすがに。


「なんじゃ?子作りに励むつもりなのか?」


「いやなんでわかってるのさ…」


「いや、我はいいんじゃぞ?2人の子供を想像するだけで楽しいからの!その楽しみにしている子供を見れるならそれで満足じゃ♪」


「私もいいわよ?2人が愛し合う大切な時間を邪魔するわけにもいかないわよ?」


「わしもそうだな…2人がつがいになったのに愛し合う時間無しはおかしいと思うな」


「私はうるさくても寝れるからいいよ」


「よし!ありがとね!あ、見にくる?まあみんな来るでしょ?さ!ビャッコ、案内お願い!」


実際僕はあまり知らないんだよね…?



ビャッちゃんの家に来たんだけど…なんか地味。


「…初めて来たけど結構殺伐とした部屋だね…」


「そうだな…」


「つがいとして暮らすんだろ?料理場は必要だろ?」


「そうですね…後お風呂もできますかね…?」


「風呂か?任せておけ!だがな…カエデ、部屋の想像した見取り図を書いてほしい。どのように穴を開けるかとか決めたいからな」


「わかりました!さて、ビャッちゃん、どうする?」


「部屋とかよくわからないから…オレンジの家を参考にするとかどうだ?」


「…そうだね!お父さん、お母さん!」


「ん?どうしたんだい?」


「家の見取り図を書いてほしいんだけど…」


「え?この家に二階を作ったら崩れるんじゃ…」


「あくまでも参考だって!」


「そっか!なら書くよ!」



「はい!できたよ!」


「ありがと!さ、ここから考えていこうか!」


「あぁ!」


「…ビャッちゃんの願望はある?」


「そうだな…服はお互いにたくさん持つのか?」


「うーん…どうだろう?」


「じゃあ空き部屋をいくつか作っておくか?」


「そうだね!客室も用意しておくか!いつ、誰が来てもいいように!」


「寝室に使うベッドはもちろん…2人用だよ…な?///」


「もちろん…耐久性も上げてもらわなきゃね…」


「私たちがどれだけ子作りをするかわからないからな…///」


「子作りするってことはそれだけ愛し合ってるってことだからね…レオとニホンオオカミさんなんか毎日やってたらしいよ?」


「なっ…!?昨日のあんなことを毎日やってるのか!?」


「そうらしいね?…僕たちもそうする…?」


「あ…時々の楽しみで…頼む…///」


「そっか!…お願いしたいことがあるんだけどいいかな?」


「ん?どうした?」


「お父さんもレオもイナもみんなそうなんだけど…発情期があってね…?」


「発情期…!?」


僕たち以外のフレンズさんって割と発情期は無いらしいね?なんで僕たちだけ?


「そう…僕はまだ症状は出たことがないけど…発情期は結構ひどいことになるらしいんだよね?」


「そうなのか…?」


「そ。で、治す方法…わかるよね?お父さんが言うに、発情期に入ったら子供を産ます気で気が落ち着くまでしないといけないらしいね?」


「…つ、つまりカエデが発情期になったら私に子供が必ずと言ってもいいほどできるということか…?」


「そう言っても過言では無いね?あ、お腹の中に子供がいるときに交尾するわけにはいかないからその時は自分で処理するから安心して?」


「そうか…カエデの発情期をちょっと楽しみにしている私はおかしいのか…?」


「さあ?どうだろうね?」


「おーい、できたかー?」


「はっ!すっかり忘れてた!急いで書こうか!ビャッコ!」


「そうだな?」



はい完成!結構広めだけどさ?ビャッちゃんは子供は結構欲しいかもって言ってたからね。ちょうどいいかも?


「お願いしますねー?」


「…なるほど。…オレンジ、頼む」


「おっけ!イナ!頼むよ?」


「はいはーい!」


あの時見たことがある。お父さんは空間をねじ曲げて空間を作ることができる。



「こんな感じでいいかな?2人とも!」


「おお…!ありがと!」


「よし、部屋の製造は完成したな?ここからは俺たちの出番だ!」


「そうだね!お父さん!」


「私もやるゾっと!」


「さて、釘を使って木を岩に打ち込んでいくぞ!」


「うぉらー!」カ-ン



「でき…た…な…?ゼェ…ゼェ…」


「お父さん疲れすぎ…」


「歳は取りたくないものだな!さ、具現化していくからみんなで運べるものは運んでいってくれないか?大型の機械とかは俺たちでなんとかしておこう!さ、カエデとビャッコ、ついてきてもらいたいんだが?」


「はい?」


「風呂とキッチン、リビングとかの編集を頼みたい」


なるほど!そりゃ重要!


「はい!」


「じゃあわかっている風呂の編集から入るぞ?」



「…」


「ん?どうしたんだ?固まって」


…壁と床、もう完璧じゃないですか…!


「もう…壁と床はできてるんですね…!」


「なんだ?悪かったか?」


「いえ!すごい嬉しいです!」


「そうか!よかった!…あのな?俺たちも長い付き合いだろ?敬語じゃなくていいんだぞ?」


あっ、そうなんだね?


「えっ、でも…」


「そういうのは無し!俺たち…仲、いいだろ?フレンズの意味を知っているか?」


えっ、フレンズの言葉に意味があるんだ。


「いや…」


「フレンズの意味は「友達」って意味だぞ?だから俺もカエデくんも産まれた時から友達な!」


「…うん!じゃあ…よろしく!」


「あぁ!これからもよろしくな!さて、俺が具現化する機械を別の機械の線を繋いでほしいんだ。色に合わせてな?」


「うん!」



設置完了!


「よし!あと少しで完成だぞ!」


「え?もう完成したんじゃ?」


「いや、試運転するんだ。ちゃんとあったかいお湯が出るか、確認するんだ」


「なるほど!」


「だがその水は一旦流してくれよ?汚れてる可能性があるからな!」


「はい!」


…やっぱプラムさんはすごい。こんなにすごい機械を作っちゃうなんて…これだけで生活がかなり便利になる!



リビング予定地!


「さて、どういうものを置くんだ?」


「…ビャッコ?さっき決めたやつでいいよね?」


「そうだな!」


「よし!じゃあここに描いた位置に書いたものを置いてほしいんだけど…」


「…なるほど!任せておけ!その間に寝室をどうするか行って考えてくれないか?」


「わかった!ビャッコ?行こっか!」



「そういえばカエデ」


「んー?」


「なぜビャッコって呼んでるんだ?カエデならビャッちゃんと呼ぶはずだが?」


あぁ。そりゃあそう呼ぶでしょ。


「せっかくつがいになったんだしさ?その愛を示す役割も込めてあだ名なんかじゃなくて本名で呼ばないとね!」


「そうか?私はあだ名で呼ばれるのも嬉しかったぞ?私だけの2つ目の名前があるのは嬉しいからな♪」


「うーん…でも僕は本名で呼ばせてもらうよ?」


「そうか。…で、どうするんだ?」


「ベッドは1番奥に置きたいよね…」


「クローゼットは個別にする?」


「いや、一緒がいいな…」


「なんで?」


「カエデの…匂いがつくからな…///」


「そっか…まあこれも嬉しいかもね…?じゃあ一緒にするか…」


僕の匂いが好きなのかな?じゃあ一緒にしてあげないとね!


「ありがとう…///」


「でもさ?これからもずっと僕が隣にいるんだよ?繋がることもあるから大体僕の匂いはいつでも嗅げるんだよ?」


「いや、まとっている感じがするんだ。…なんだか安心するんだ」


「そっか!ならいつでも僕の匂いを嗅がせてあげるけど?」


「…頼む///」


「…今嗅ぎたい?///」


「あぁ…頼む…///」


えぇ…まあいいけど…


「どこ嗅ぎたい…?」


「汗…かいてるか?」


「え?結構かいてるけど…」


「…脇、いいか…?」


脇…結構汗溜まりやすい場所じゃん。匂いフェチどころの話じゃないぞ()


「…いいけど…?」


「脇…見せてくれ…」


「ほら…」


一応これでも体の発達はあるからね?


「…蒸し暑そうだな…///」


「うん…結構暑いよ…」


「…」ペロッ


「ひゃいっ!?」


ちょっと!?舐めるとは思わないけどくすぐったいな!?


「…くすぐったいか…?」


「そりゃそうだよ!」


「…ふふっ、美味しいな…///」


「美味しいとは言ってもさ…!さすがに汗を飲むのは…」


「しょっぱかったがな…///」


「でしょ!健康に悪い!やめてよ!」


「でも好きだからこそ…舐めてみたかったんだ…///」


…やり返してやるか…!


「…ねぇ、ビャッコが汗を舐めたんだからさ…僕も舐めさせてよ」


「なっ!?」


「いいよ…ね?」


「ど…どこを舐めたいんだ…?///」


「あ、じゃあさ、服の中に入れてよ。頭を入れたくて…」


「それがカエデの願望なら…///」


ビャッちゃん…素直すぎだなぁ…


「…ほら…いいぞ?///」


「ありがと…」


ビャッちゃんの服の中に入る。確かに蒸し暑い。


「…どうだ…?///」


「暑いね…体温すごそうだよ…」


「…実はまた昨日みたいにカエデに欲情してるからな…///」


…そっか。ならちょっといたずらしちゃおうか!


「…」ス-


「ちょっ!?」


「んー…?」


「す、吸うなぁ…///」


「…じゃあお願いがあるんだけどさ」


「な、なんだ…///」


「ちょっと僕も我慢できないかも…だから夜…いいかな…?」


「今日もか…?いいぞ…楽しみにしてるぞ…///」


よっしゃ。2日連続。でもレオには負けるね!


「今日…子供作る気でやっちゃう…?」


「は…早くないか…?///」


「…それもそうだね…今は愛し合う時間にしよっか…お互いが満足いくまでやるよ…」



このあと普通にみんなに手伝ってもらって住居完成!


「さて、別れる前にオレンジから言葉があるらしいぞ?」


「おっ?」


「…結婚おめでとう!正式な結婚じゃなくてもこれは結婚でいいよ!裏で実は用意していたんだ!」


「え?何を?」


「ほら、お父さんとお母さんって指輪つけてるでしょ?これは結婚してますよっていう証でね?ほら…2人分、密かに用意しておいたんだ!」


「えっ…!?」


「ほら…ここで指輪、渡しちゃいなよ!これしないと結婚できないよー?」


「…!よし!…ビャッコ?」


「…あぁ…///」


「…僕はこの残りの人生、全部ビャッコのために尽くしたい。共に過ごして…一緒に幸せを見つけたい。どんなに小さい幸せでも…2人で絶対に取りたい。だから…ビャッコ、これからもずっと一緒にいてくれる?」


「あぁ…!もちろんだ!」


「…じゃあカエデ、ビャッコの左手の薬指につけてあげて?お互いにつけた瞬間、晴れて2人はつがいでもあって夫婦でいられるよ?」


「さ…じゃあ左手を…」


「…///」


お父さんたちが勝手に用意してくれた指輪はお父さんたちの物よりも特別綺麗。


「…さ、通すよ…」


「…」ウルウル


ビャッちゃんの涙が手に当たる。


「…ふふっ、何泣いてるのかな?そんなに泣いてるうちにほら…つけ終わったよ…?」


「…ぎれいだ…!」


ビャッちゃんって涙もろい?でもそんな彼女の一面も好き。


「さ…僕のもつけて…?」


「わがっでる…」


「…ふふ…そこ、薬指じゃなくて中指だよ?」


「あ…ずまない…」


「いいよいいよ…ゆっくりでいい…」


「…ごごが…?」


「うん…そこでいいよ…」


指輪が通っていく。それはビャッちゃんの涙もあってするする通っていく。


「…これで…いいか…?」


「うん…」


「…これで晴れて2人はつがいでもあって夫婦でもある!おめでとう!」


「…!カ゛エ゛デ゛…!私゛は゛… 嬉゛し゛く゛て゛嬉゛し゛く゛て゛仕゛方゛が゛な゛い゛…!あ゛り゛か゛と゛う゛…!」


「ほら…泣き止んで…ビャッコのその綺麗な顔がもったいないよ…」


「エグッエグッ…カエデ…好きだっ…!愛してる…!」


「僕も…!」


こうして僕たちは晴れてつがい兼夫婦になりました。これから2人で幸せに生きていこうと思います。

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