第5話 第二のつがい
「…片付けるとこんなに広いんだね…」
「…この荷物はどうするの?」
「もちろん持っていくよ?」
「ベッドは?」
「…どうしよう」
「…私と一緒に寝てくれないか?」
「…うん、じゃあそうするよ。ベッドはいらなくなっちゃうね…」
「おっけー?こっちで処理しておくから安心して?」
「ありがと!じゃあ…この荷物…どうしよっか」
「あ、ついていくよ?」
「え?」
「どんな部屋になるか気になるしさ?」
「あぁ…じゃあついてきてもらうか!」
…
レオ宅前…
「やっほー!」
「あ、カエデ!その他大勢も!」
「その他大勢って…」
「今日はどうしたの?」
久しぶりにレオを見たよ!
「ちょっとね?挨拶を…」
「そっか!とりあえず上がって?あと…ニカちゃん忙しいから困らせないでよね?さ、どうぞ?」
あ、忙しいんだ…
…
「こんにちはー…」
「あ!こんにちは!よしよーし…!」
「…えっ、今ニホンオオカミさんが抱えてるのって…」
「驚いた?実は驚かすためにわざと報告しなかったんだよ?」
そう、ニホンオオカミさんが抱えていたのは1人の赤ちゃん…!つまりレオとニホンオオカミさんの間に子供ができていた…!
ちなみにその赤ちゃんの髪色は…あれ?特殊じゃないかな…?濃い緑…?
「…おめでとう…!」
「わー…!可愛いー!」
「うー…」
「キェァァァァ!?喋ったァァァァァ!?」
「なにお父さん奇声あげてるのさ…」
「…可愛いでしょ…?」
「そうだね…!あ、本題入ってもいいかな?」
「あ、話があるんだったね?なんの話なんだい?」
「いや、あのね?昨日から僕とビャッちゃんはつがいになったことを報告しにきたんだよ?」
「えっ!?カエデとビャッコがつがいに!?」
「うん…そうだよ…?」
「おぉ…!おめでとう!」
「おめでと…!」
「キャッキャッ!」
「ほら、「ツバキ」も祝福してるよ…?」
あ、赤ちゃん、ツバキって名前なのね?
「ふふ…ありがと…!」
「この子はなんでツバキっていう名前になったの?植物だよね?」
「ツバキは木なんだけど…木みたいに大きく成長してほしいっていうことと、椿の花って散るんじゃなくて落ちるんだよね?だから何かがあっても自分の特徴を無くさないで欲しいっていう意味を込めてツバキっていう名前にしたんだよ?」
「あぁ…僕たちも産まれたら名前考えなきゃね?ビャッちゃん?」
「そうだな」
名前…何になるんだろ。楽しみになってくるね!
「さてと、そろそろ行こうかな?」
「え?早くないかな?」
「早く家の改造を済ませないとだからね!」
「そっか…じゃあまた今度きてよ!その時にはしっかり色々するから!」
「うん!お願いね!」
いや…まさかレオとニホンオオカミさんの間に子供ができるなんてびっくりだよ…!でもそのうち僕たちにも赤ちゃんができるんだからね!(断言)
…
割とすぐついた。プラムさんっち。
「たのもー!」
「おっ、オレンジか?入れ?」
…やっぱみんなで机を囲んで色々してるよ。
「やっほー!シン!シキ!」
「おっ!カエデじゃん!」
「どうしたんだ…?」
「ふふっ、ちょっと挨拶にね!ね?ビャッちゃん?」
「あぁ」
「あれっ、今日って仕事の日じゃないのか?」
「今日は免除!…いや、そうじゃないな…なんで言えばいいんだろうね?ビャッちゃん?」
「素直に言えばいいんじゃないか?」
…僕としては考えさせたかったんだけどね…まあいいや!
「そうだね…!僕とビャッちゃんはつがいになったから…お願いしにきたんだ…!」
「「「は!?」」」
「えー!?カエデくんがビャッコとつがいにー!?」
みーんな驚いてるよ。そりゃそうだよね。
「…まあつがいになってのお願いは…家具の具現化…そうだろう?」
「はい!お願いできますかね…?」
「…みんな、いけるか?」
「うん、任せてよ。お父さん」
「カエデのためならってやつだよ!」
「こりゃみんなで何かしてあげないとねー!」
…みんな手伝ってくれる…嬉しい!
「…ありがとう…!」
「さて、まず聞くが住む場所はどこにするつもりだ?」
「火山のビャッちゃんの住んでいた洞窟をそのまま改造して使いたいんですけど…」
「なるほど…つまりあの時のレオくんみたいな家にしたい…そういうことだな?」
…そう思ってみればそうなるね!
「…はい!」
「あいわかった!…だが山となるとちょっと登るのがな…」
「またお父さん忘れてる…。傘、あるんじゃないの?」
「おっと、そうだったな!すぐに行けるな!」
そうだった。プラムさんはワープ可能の傘を持ってるんだった…便利だよね!
「…みんな、ひとついいかな?」
「ん?どうしたんだ?シキ」
「またお父さん忘れてる…来るんでしょ」
「ははっ!そうだったな!…少し待っててくれないか?もうすぐ来るはずだからな…」
誰がくるのかな?
「あ、お昼近いしご飯食べてくか?」
「…そうさせてもらおうか!頼むね!」
「よっしゃ!だが料理得意なオレンジにも手伝ってもらうぞ?」
「エェ!?」
「おいおい…まさかこんな大人数の料理を俺1人で作るとでも思ってたか?まあライオンもいるが…」
「だからさー、お願い!」
「…よしわかった!オオカミ!行こうか!」
「あぁ!」
プラムさんが作ってくれる料理…割とあまり食べたことがないかも。
…
「〜♪」
隙があれば絵を描く。
「…いつも思うけどここから見る景色は格別だね…」
「そうか?いつも見慣れてるから気にしてないが…」
「うーん…でもなんでそんなにうまく描けるんだ…?」
「慣れとお母さん譲りの技術ってところだからね!」
ガラッ
急に扉が開く!誰だよ!?
「オカピ参上だゾっと♪」
「あっ!?やっと来た!待ってたんだからなー!」
「えへへっ、脚のケアをしてたら遅れちゃって」
「許す!」
…どういう関係よ。シキとオカピさんって
「…えっと?現状説明をお願いしたいんだけど?」
「あぁ!すまないな!俺とオカピは恋人同士だな!」
「「…えっ」」
いや…初めて聞いたんだけど。ていうか意外すぎる!
「びっくりした?ねえねえ?」
「…いやびっくりするよ!?」
「…またつがいが突然できたらそりゃびっくりするよ!?羨ましいよ!」
「ははは!だろうな!」
「でもなんでオカピさんとつがいに…」
「主に脚に惚れた」
「「脚?」」
「いや、脚意外にも惚れてるよ?でもその綺麗な脚に惚れたんだよ。…悪いか?」
「いや、悪くも何もないし。ていうかつがいになるまでのルートは」
「いや…じゃんぐるちほーで色々歩き回ってたら転んで結構な傷ができたときにわざわざおんぶして家まで送ってくれたことから始まったな」
「そこで脚に気づいたんだゾっと!」
「そう。気づけばその脚に見惚れていた。暇さえあれば見に行きたい。その気持ちがあった。その気持ちが気づけば俺だけのものにしたい。俺がその綺麗な脚とか体を持つオカピを独り占めしたいって思ってる。つまりずっと一緒にいたいっていう気持ちに変わってたって言うことで恋人同士になってるな」
「なるほど…」
「そういうお前らはなんでつがいになったんだ?」
「あのね…これはつい昨日の出来事なんだけど、実はお互いにちょっとは気になっていたんだよね?で、昨日は四神のみんなとセーちゃんと一緒に料理屋に食べに行ったんだけどそこで突然ビャッちゃんが顔を赤くし始めたから何かと思って探るために今日だけは一緒にいようって話したらすぐに言ってくれたよ」
「え?つまりお前らはつがいになったばかりってことか?」
「そうだな。私たちは昨日つがいになったぞ?」
「そんなド直球な…」
「でもお互いに愛し合ってるなら割といけるよ?」
「…その言葉、信じていいんだな?」
…なにそれ。怖いんだけど。
「え?なんで?」
「…俺は信用するぞ!」
だから何言ってるかわからないんだって。
「…オカピ、今の話、聞いたな?」
「…だから何をしたいのかな…?」
「…俺はオカピとつがいになりたい。オカピはどうだ…?そっちもいいなら…今からつがいになるぞ…///」
「えっ…!?///」
「さあ…どっちだ…これもお前次第だぞ…///」
「…じゃあつがいになるゾっと…好きだもの…///」
「…!いよっしゃぁぁぁ!」
あれま、おめでとうござんす!
「おっ!おめでと!」
「はっ!ありがとな!」
…せっかくだし絵を描いてあげようか!
「ねぇ、記念に2人を描いてあげるよ!好きなポーズ取って?」
「えっ!?…どうするんだ…///」
「…どうしよう…///」
「そうそう、僕がいいって言うまでその体制でいてよ?」
「ちょっ!?それってある意味苦痛じゃないか!」
「…こっち向いてほしいな…」
「ん?どうしたんだ…?///」
「…好き…///」
「!?」
おっと!ここで突然のキス!僕もあまり見てられない!
「んー!?」
「離さないゾっと…これ、絵にしてほしいな…///」
…嘘。まあ依頼されたら描くっきゃないっしょ!
「…いいね?」
「…あぁ…俺は諦めた…///」
「よし!ちょっと待ってて!」
形見さえ写せれば解放されるんだからね!急いであげようか!
「ご飯できたぞ…って!?」
「おぉ…プラムから話は聞いたけどまさかここまで恋が…でカエデは何しているのかな?」
お父さんたちが帰ってきちゃったね!
「2人がたった今つがいになったからその記念に絵を描いてあげてるんだ!」
「何っ!?つがいになっただと!?許せる!おめでとう!」
「昨日に続いてまたつがい!ほんとすごいね!おめでと!」
「わー!シキがつがいになったー!すごいねー!おめでとー!」
「…よし!形見完成!離れていいよ?」
「…ここまで来て離れられるか…!」
「んんっ!?」
…これは止まれなさそう。まあ僕は僕の任務を遂行するのみ!
「…カエデ」
「ん?どうしたの?」
「…家…できたら私を描いてくれないか?」
「もちろん!任せて?」
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