第4話 初夜

「…さ、できたよ?」


「ありがとう…」


あれから泣き止んで、ちゃんと着させたよ!


「…お揃い…だな…?///」


「そうだね?綺麗だよ?」


「そうか…?だが…着たのはいいんだが…服…どうするんだ…?」


「…僕が預かっておこうか?どうせ2人きりで暮らすんだしさ?」


「…下着も…か…?///」


…えっいや、その…そういうわけじゃ…


「あっ…違う…」


「じゃあどうするんだ…?///」


「…じゃあ明日も家に戻らないよ…?明日さ、プラムさんとかに家具を具現化してもらってさ?これから過ごす2人きりの生活を充実させていこうよ…」


「あぁ…改めて言うが…好きだ…さっきは泣いていて聞きにくかったな…すまない…///」


「ううん…泣いてるってことだけで僕のことを本当に愛してるってことくらいわかるよ…僕だってビャッちゃんのことを愛してるよ…僕はパークの中でビャッちゃんのことを1番愛してるよ…奪わせて…口…」


「あぁ…奪われたいんだ…早く来い…」


そして再び、ビャッちゃんの口を奪う。そしてさっきよりも長く、深く奪い続ける。それもビャッちゃんは逃げようとも何もしない。ただ僕に奪われるがままにされている。ただ僕を受け入れる。


「…はぁ…」


「カエデ…私は何もしなくてもいいのか…?」


「…自分で考えてみて…?もうかれこれ7年はずっと一緒にいるでしょ?」


「そうだな…だがこれからは離れることない…ずっと一緒だ…わからなくてもこれからも探していけばいい…」


「そうだね…さ、似合うしさ?部屋に戻ろうか!」



ギンギツネさんからもらった夕食のどん兵衛を食べてとりあえず絵を描いてるよ!


「〜♪」


「…私も描いていいか?」


「あぁ!どうぞどうぞ!」


「道具はどうすればいいんだ?」


「ふっふっふ…!こういう時のためによく2人分持ってきてあるんだ…!そこの袋に入ってるからね?」


「本当か!ありがとうな!」


…こうやって依頼で教えるわけじゃなくて自分の愛するビャッちゃんと一緒に絵を描けるのかぁ…そしてこれがこれからもずっと続くんだ…絵師として嬉しい限りだなぁ…


「…夜景を描く、そうだな?」


「うん!よかったら描き方を教えようか?」


「困ったら頼む。景色の描き方は前に教えてもらったからな」


「おっけ!」


このまましばらく2人で描き続けるよ!



「…よしっ!半分完成!」


「半分?」


「今度は色を付けていくんだよ?」


「あぁ…頑張れ?」


「うん!頑張るよ!」



「…」

「…」


2人で無言で描き続けているけど…せっかくつがいになってるのに…


「あぁぁぁぁ!つまらない!」


「…どうした?」


「せっかくビャッちゃんとつがいになったのに!こんな無言で絵を描き続けるのはつまらない!」


「…正直私もつまらないと思っていたところだ…」


「…やめよっか」


「…やめたとしても何をするんだ?」


「…どうしよっか?」


やることが…無いね…


「せっかくなら…つがいになったからこそできることをやらないか…?」


「…だとすると?」


「…交尾か…?///」


ちょっとちょっと!?つがいになりたてでそれはないでしょ!?


「嘘ォ!?つがいになったばっかなのに!?」


「…ダメか…?私は…その…繋がりたいぞ…?しかもオレンジから伝言をもらってきてるんだぞ…?」


「お父さんから?」


えっ、いつ会ったの?


「…実は…今晩、楽しんできてねって言われたんだ…その楽しんできてって多分…交尾を楽しんでこいってことじゃないか…?///」


「本当にお父さんから…言われたの?」


「あぁ…」


お父さんはお母さんとよく交尾していることくらいわかるからね…それくらいいいことなのかな…?


「…して…みたい…?」


「…非常に言いにくいが…確かにしてみたいな…///」


「…本当に?後悔しない?僕は一応こっそり見ちゃったりしてたから方法は知ってるけど…」


「カエデ…割と悪いオスだな…」


「ふふっ…オスだからね…知っておかなきゃ実際にするときに足を引っ張っちゃうでしょ…?」


「…頼む…つがいになった今日だからこそ…カエデのことが欲しくなるのかもな…///」


「…わかった…ビャッちゃんの覚悟は僕にもひしひしと伝わった…いいよ?そこまでしたいならしようか…///」


…まさかの初夜で交尾。まさかこうなるとは思わなかったけど…これもビャッちゃんが望んだことかもね…まあお父さん…ありがとう!





翌日…


目を覚ませば掛け布団と自分たちの和服がその辺に雑に投げられていて、僕とビャッちゃんはお互いに裸。ビャッちゃんには昨日までには無かった新しい傷もある。…やっちゃったんだなぁ…


「ふわぁぁぁ…」


「あ、おはよ?」


「あぁ…おはよう…昨日は…よかったぞ…?///」


「僕も…そのビャッちゃんの油断しきった顔を見ると…その気になっちゃうね…」


「…本当の最後のもう一回戦…行くか…?///」


「…ふふっ…食べちゃうよ…?」


「食べてくれっ…!私の体も…細部も…骨の髄まで全部…!///」


そこからはもう一回戦。たまたま朝食を持ってきてくれたギンギツネさんもこれを見た瞬間空気を察して素早く置いて出て行ってくれた。



事後…


「私の服から見えてるじゃないか…カエデのやつが…///」


…はい。ちょっと漏れてます。やりすぎたかな…///


「ごめんね…?」


「激しくやりすぎだ…だが…気持ち良かったぞ…?///」


「そりゃよかったよ…」


「やっと叶った…カエデと繋がりなりたかったんだ…」


「つがいになって初日だったのに…もうしちゃったね…もう逃げようとしても逃げられないよ…?もう繋がったんだから子供も作って…幸せに暮らすよ…!」


「あぁ…好きだ…!」



「あなたたちってつがいだったのね…」


「ごめんなさい…」


「別にいいわよ…?つがいはそういう関係じゃないといけないらしいわよ?」


「うん、わかってるよ?」


それくらいわかってるって!


「じゃあ…そろそろいくね?ありがと!」


「また来るといいわよ!」


さて、予定通りお父さんとお母さんに報告しにいかないと!



「お父さん!お母さん!ただいま!」


「おお!お帰り!…ビャッコもいるのか…」


「…連絡だ…」


「うん、なんか連絡かはわかってるつもりだよ?まず、つがいになったでしょ?」


「なぜそれを!?」


お父さんは嘘を見抜くことが得意なんだよなぁ…


「その2人の距離感でもうわかるよ…!そして、これは報告するはずないと思うけど…」


「ん?」


「2人とも、交尾したでしょ?」


「「!?」」


なんでわかるのー!?


「ふふっ!その様子だと図星かな?」


「なんでわかるんだ…!?///」


「…なんでだと思う?ふふっ♪」


「…大丈夫だ…乾いてる…」


「じゃあなんで…」


「ヒントはね…コ・コ☆」


鼻…まさか!?


「…臭いか…!?」


「そう…!ていうかすごいよ?シャワー浴びる?ここに来たってことは色々挨拶しにいくんでしょ?」


「…そうするか…!」


「オレンジ、聞いてもいいか?」


「ん?どうしたのかな?」


「2人分、入れるか?」


「えっ!?」


「ん?2人で一緒に入るのかな?」


「あぁ…そうだ…」


「ビャッコ…デレッデレじゃないですかやだー!どうぞどうぞ!余裕であるよ!」


「カエデ…いくぞ…///」


「えっ!?待ってよ!?」


「カエデー、行って来なよー!」


「イナァ!?」


「もぉ!何私より先につがいになってるのー!羨ましいなー!それも昨日の夜はお楽しみだったんだってー?」


「うっ…確かにそうだったけど…!」


「だったらなおさらじゃん!もっとその愛を深めてくればいいじゃん!あっ、2人の愛、見せてよ!」


「はっ!?」


「キスしてってこと!さ、早く!」


「なんで!?」


「カエデ…」


「ん!?」


ビャッちゃんもダメだって言ってくれるのか!


「キス…するぞ…///」


「ビャッちゃんまで!?」


おいおいおいおい!?待て待て!?


「すまない…本当は断るところだが…好きなんだ…この思いは止められないぞ…///」


「…はいはい…諦めますよ」


「ほんと!?」


…イナがみるメリットってあるのかな?


「好きだ…///」


「一生愛する…ずっと好きでいたい…///」


こうして唇をお互いに奪い合う。


「おぉ…」


「…ん?どうしたんだい…って!?」


「ん…おかあひゃん…」


「だめだ…私ひゃけをみてふれ…」


「ん…」


…しばらくキスを続けてたわけだよ…


「…どう言う状況なんだい…?」


「黙ってみてあげて…?カエデが恥ずかしくなっちゃうからさ…」


…もう恥ずかしいよ。家族の前でキスしてるんだしさ。



「…はぁ…」


「カエデ…すごいよ…」


「…えっと、どういう状況か、説明してくれるかい?」


「あ…えっとね?僕とビャッちゃんは昨日つがいになったわけでね…?」


「!?…それは本当かい!?」


「うん…///」


「…じゃあこの臭いがするのも…」


「夜…楽しんじゃった…///」


もう白状します。言わなくてもバレるし。


「…もうここまで…これは赤ちゃんが楽しみだね?」


「うん!そうだね!産まれたら顔見せてよ?」


「気が早いって…まあそうするよ」


「…カエデ…シャワー…浴びにいくぞ…?」


「うん!じゃあ…ちょっと借りるよ?」


「そうそう、部屋も片付けるんだよね?」


「うん!そのつもりだけど?」


「じゃあ先片付けてるからさ、ゆっくり入ってきな?」


「うん!ありがと!」


いや…こういう優しいお父さんでよかったなぁ…



まあね?シャワー浴びてるわけよ。…もちろんビャッちゃんと一緒に。


「念入りに洗うよ?これからレオに会ったりプラムさんたちに改造をお願いするんだからさ?」


家はビャッちゃんの家を改造して使うよ。ちなみにだけど僕の部屋はアトリエ的存在だったから僕とビャッちゃん2人の意見が一致したことからあっちにもアトリエを作るつもりだよ。


「…お互いの体を洗い合わないか?」


「…マジで言ってる?」


「マジだ」


…まあビャッちゃんの願いならね…?


「…わかったよ?そうしようか」


…まあ、じっくり2人で体を洗いあって出た時にはもう片付けは終わってたみたい。早いな!?

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