第2.5話 温泉デート1 〜ビャッコ〜

料理屋から出たぞ?だが…な?


「…そこにいるんじゃろ?オレンジ、タイリクオオカミ」


「嘘ォ!?バレた!?」


なぜ…


「何をしにきたのかしら?私たちの監視かしら?」


「いや、そういうことじゃなくてね?」


「じゃあそなたらはなぜここに?」


「いや、僕たちは今日は2人っきりでね?久しぶりにデートでもするか!ってなってお昼食べにいくかって話をして来たらプラムがさ?」


「…なるほど。じゃが監視する必要は無かったんじゃ?」


「いや、デートって聞いてね?でも実際来てみればみんなと一緒にカレーを食べてるじゃん?聞いてる事実が違うから見てみたかったんだよ?」


「なるほど…事情はわかった。だが…質問がある」


「ん?」


私がカエデに恋の心を感じていることともしその時になったらつがいになってもいいのか…聞いておかなきゃな…


「実は…私はカエデのことが…好きなんだ…///」


「へ!?今なんて!?カエデのことが好き!?」


…そうだよな…驚くだろうな…


「あぁ…あの時は冗談で言ったつもりが本当になりそうだ…そこでだ…もし私とカエデがつがいになりたいって言い出したら…許可してくれるか?」


「…うん!もちろんだとも!ていうか拒否する理由がない!お互いが好きなら好きにつがいになって!ね!オオカミ!」


「あぁ!これは大事なことを聞いたよ!」


「…本当に…いいのか…?」


「うん!何度も言わせないでよ!でもね?一つお願いがある。…僕たちはカエデの親だからカエデを守って…幸せにする義務がある。だから…もしカエデがビャッコのことを好きにならないならそこは…こんなこと言いたくはないけど…諦めて?ビャッコがどんなフレンズのことを好きになるのも嫌いになるのも自由。でもカエデもその自由はある。だからその自由が一致するなら…好きにして?」


「…ありがとう…」


「あ、ひとつ聞いていいかな?」


「ん?どうしたんじゃ?」


「ビャッコ?今晩は…カエデと一緒にいるの?」


「あぁ…そのつもりだが…」


「…おっけ!ありがと!」


「どうかしたのか?」


「いや?カエデは今日のうちに帰ってくるのかな?って思っただけだよ?その様子だと多分帰ってこないだろうなーって思ってたからさ?カエデに僕たちのことは言わないでほしいな?だから…今晩、?」


「…あぁ!ありがとう!」


オレンジのおかげで自信が持てたな!


「さ、我らはそのまま火山に戻る。ビャッコはカエデと楽しくやってくるとよい」


「…心配かけたな…では…行ってくる!」



「自信が持てたとは言うが…やはりカエデと2人きりはちょっと…な…///」


自分が好きなフレンズ、カエデと今晩は2人きりと思うとな…だがさっきオレンジが言っていた今晩楽しんできてってどういう意味だ…?


「…だめだだめだ!カエデと2人きりだ!カエデに私を好きになってもらわなければな…」



さあ…今からは私とカエデ2人きりの旅だ…

もう歩く前にはカエデとヘラジカが話してる。…行くぞ…!


「待たせたな…///」

「おっ!来たね!…じゃあまた来るね!」


「あぁ!またな!」


「さて…ビャッちゃん?」


「なんだ…?///」


ダメだ…素の感情が…表に…


「ビャッちゃんがなんでこんなに恥ずかしそうにしているか、教えてくれるかな?」


「教えられると思うか…?///」


こんなところで教えるわけにはいかないからな…しばらく経ってから教えるぞ…


「そっか…じゃあ探っていく必要があるね?あ、言えるようだったらいつでも言っていいからね?さ、どこ行きたい?」


行きたい場所…考えてもないぞ…


「カエデとなら…どこでもいいぞ…///」


「んー…じゃあさ…ゆきやまの温泉宿で泊まって行こうか!」


「泊まっていく…!?///」


初めてカエデと一夜を共に…!?


「ん?ダメかな?」


「その…なんだ…?恥ずかしいっていうか…なんだ…?///」


「恥ずかしいかぁ…まあさ?今日はどうせ逃がさないつもりだからさ?」


「逃がさゲホッ!?」


逃がさない!?…カエデ…明らかに本気だぞ…!?


「…ねぇ」


「な、なんだ…?」


「何逃がさないって言葉に反応してるの?」


「そっ、それは…!?///」


「まさかだけどさ…?僕のこと…好き…?///」


…!?バレるのが早いぞ…!?


「…どうだと思うんだ…?///」


「僕はね?ビャッちゃんは僕のことが好きだと思うよ?自分で言うのもアレなんだけどさ?」


…早いがもう…隠し続けることなんてできないな…4年前からずっと好きだってことを隠し続けていたこと…


「…そうだな…私はカエデ…お前が好きなんだ…///」


「そっか…ちょっと照れるね…///」


…そして、私がカエデとになりたいことを…


「好きだからこそ…私はカエデと…つがいになりたいんだ…///」


「…え?ちょっと待って?ビャッちゃんは…そこまで本気なの…?僕のために一生のフレンズ生をかけて…子供も作ったりしたいってこと…?」


…もうそれしか考えられない…。カエデとつがいになることが意味することくらい、わかる。


「そうだ…お前と子供を作ったりしたいんだ…このことはもう4年前からずっと考えてきたことだ…///」


「…カエデ…私はカエデと一生を共にしたい…だから…私と…つがいになってくれるか…?」


「…そこまで本気なら受けてあげたいけど…一週間欲しいな…?僕だって一生を共にするフレンズはしっかり考えたいんだ…それともう一個条件がある…」


「なんだ…?」


「…さっき言った一週間…毎日会いにいく。何があっても会いに行く。だから…その時はしっかり僕と会って…色々やりたいな…?」


一週間毎日カエデとなにかをするのか…わ、悪くないな…///


「わかった…」


「…ビャッちゃん?」


「なんだ…?///」


「実は…さっき可愛いなって思ってた…///」


カエデが私のことを可愛い…だと…!?初めてだ…!


「私が…可愛いのか…?///」


「うん…さ…向かおうか…///」


「あぁ…///」



…寒いな…ゆきやまはやはり慣れん…


「寒いな…」


「うん…でも中に入れば暖まれるよ…」


「早く温まるぞ…」


「すみませーん!」


「はーい!いるわよー!」


「お久しぶりです!」


「あら!カエデとビャッコ様!今日はなんのようで来たのかしら?」


「泊まっていっていいかな?」


「今からかしら?」


「あぁ。頼めるか…?」


「もちろんよ!部屋は好きなところを使っていいわよ?」


「おっけー!ありがと!」


「だけどよくそんな寒そうな格好で来たわね」


「いやぁ…それはこちらで諸事情があって…

ヘックシ」


カエデ…大丈夫なのか…?


「ものすごく寒そうだぞ…?大丈夫か?」


「大丈夫…クシュンッ」


「はぁ…大丈夫じゃなさそうね?部屋の用意をしておくから温泉に入ってくるといいわよ?」


「あぁ…ありがど…ビャッちゃんも入る?」


なっ…!?行動を共にし始めたばかりなのにカエデは温泉に一緒に入ろうと私に提案した…!?…確実に誘ってるな…///


「は!?私が…カエデと温泉を一緒に…!?」


「なんかビャッちゃんってすごい驚くよね?…で?どうする?」


…正直一緒に入りたい…だがオスとメスが一緒に温泉に入るなど…


「入りたい…かもな…?///」


「どっちなんだい?」


…もう迷うな…!私は…カエデと一緒に温泉に入りたいんだ!


「入り…たい///」


「よし!じゃあ使わせてもらいますね?」


「ええ!」


…まさかカエデと一緒に温泉に入るなんて…いつもはスザクとかセイリュウ、ゲンブ、セーバルと一緒に入ったりするが…



「…服…脱ぐのか?」


…正直その心配はしていた。オスとメスの体の構成は変わってくる。わかっていると思うが胸とかな…///


…でも思ってみればほかのフレンズに比べれば私の胸は少し小さい…タイリクオオカミとかライオンに聞いたことはあるが交尾する時は相手の胸を触ってきたりするらしいな…つがいになってもカエデはこんな胸で満足してくれるのだろうか…?胸目的だったらセイリュウが妥当なはず…


「当たり前じゃないの?」


「その…恥ずかしくないのか…?///」


「あぁ、それはいつもタオル巻いてるから大丈夫だよ?ほら、ビャッちゃんもタオル巻いて!」


「でも!?巻き方が…」


…わからない…


「…どうしようか」


…頼むか…


「…巻いてくれないか…?///」

「ふぇ!?」


「頼めるか…?いや、了承をお願いしたい…裸も背中なら…見つめてもいいからな…?///」


この代償は…仕方がない…


「…いいの?」


「いいぞ…でも前は見るな…?///」


前なんて…見られたらたまらない…///


「…わかったよ…?」


…そう考えれば背中みてもいいって言ってもな…改めて考えると尻も見られるのか…///


「…綺麗…だね…///」


「そ、そうか…?///」


「じゃ、失礼するよ…///」


カエデに胸あたりを一番上にタオル巻かれる…変な感じだ…


「…はい!終わったよ!」


「あぁ…ありがとう…///」


「さ、入ろうか?」



「湯煙だけで暖かいね?」


「そうだな…///」


お互いタオル1枚で体の大切な部分を隠している。そのタオルさえ外せば全てが見られる…その恐怖で恥ずかしい…///


「…背中、流してあげるよ?」


「ながっ!?///」


「ビャッちゃん…驚きすぎだって…」


そ、そうだな…だが好きで…油断しか…


「仕方がないだろ…好きなんだからな…///」


「そっか…そうだよね…まあさ?そこに座って?流してあげるから!」


「そこまで言うなら…///」


2人で桶のある場所に向かう…カエデが横にいること自身が幸せだ…私の行動によってはそれが永遠に続くんだ…///


「…背中…流すんだな…?///」


「うん、そうだよ?」


「そういうことなら…///」


流すならタオルを外さないとな…しかし…さっき巻いてもらったのに…悪いな…それにこれによって私の背中が見られるんだ…恥ずかしい///


「…頼むぞ…?///」


「うん…前は自分で洗ってよ…?流石に恥ずかしくて洗えないから…///」


「当たり前だ…///」


「それじゃ…失礼…」


カエデに触られている感触がある…手が…服の上からじゃなくて…そのまま触られてる…何かに妨げられずに…直接…///


「体…綺麗だね…?」


「そうか…?///」


「うん…」


「…ごめんね?急に」


「ん?どうしたんだ…?」


「…」ギュ-


「!!!???///」


な…!?現実が…受け止められないぞ…!?カエデが私を…抱いた…!?///


「…僕ね…ビャッちゃんのこと…ちょっと好きかも…///」


「そ…そうなのか…?///」


この一言で私は…確信した…。つがいになれる…とな…///


「うん…まだしっかりは決められないけど…ビャッちゃんとつがいになるのも…いいかもね…?」


「そういうことなら…私ももっと好きになってもらえるようにがんばらなきゃな…///」


もうほかのオスは求められない…もうカエデしか好きになれない…


「ビャッちゃんはさ…僕とつがいになったらさ…何したいの?」


なぜ急に…


「そうだな…一緒に料理を作って…子供作って…一緒にお風呂入って…色々したいな…」


「じゃあ…もしつがいになるならそれを叶えようか…」


「あぁ…///」


夢が…叶うようにしないとな…


「…さ!終わったよ!泡、流すからね?」


「頼むぞ…?」



「よし終わったよ!」


「ありがとう…今度は私がやってやるからな…?」


ちょっとした恩返しだ…


「…ビャッちゃん?」


「どうした?」


「僕がさ?1週間の制限とか気にせずにさ?急につがいになろうって提案したらどう思う?」


…ん?今言うわけ…ないな…いやそうだったら嬉しいが…


「えっ、あ、いや…もちろん嬉しいが…」


「…そっか。ありがとね?」


「…オスって…便利だな?」


「え?なんで?」


私みたいにタオルを外さなくとも背中を流せるからな…?


「なんでって…タオル、外さなくていいからな?」


「あぁ…そういうことね?だけどつがいになったらタオルなんかつけずに入るんだよ?」


「そ…そういうものなのか…?」


「うん。だってお父さんとお母さんがそうだもんね?」


「そうなのか…なぜだ…?」


「裸の付き合いをしてるからじゃないかな?」


「あっ…そうか…だがつがいになったとしても…私は四神でカエデは普通のフレンズだから…子供は作れるのか…」


唯一の疑問。


「…ビャッちゃん?忘れてるよね?」


「僕にも神の血が流れてるんだよね?フェンリルの血がね?」


「…!そうか!ていうことは…」


「つがいになったら子供が作れるっていうことだよ?」


「なるほど…!」


「そういえばこの背中の傷はなんだ?切れたような傷だが…」


「あ、それはあのセルリアン事件の時のお父さんのセルリアンと戦ったときに背中に大太刀の先っぽが当たってね?」


「大丈夫なのか!?」


「ビャッちゃん焦りすぎだって…大丈夫じゃなかったらここにいないよ?でも今でも少しは痛みを感じやすいから…」


「そうか…じゃあ優しくするぞ…」


「ふふ…ありがとね…?」


カエデとつがいになるなら嫌なことをしないようにな…


「…そういえばオレンジの翼はどうなったんだ?」


「お父さんの翼?下の翼はフェニックスさんとオイナリさんがお父さんからいなくなったから無くなって…龍の翼があのお父さんの闇が完全に浄化されたみたいだから無くなったらしいけど…詳しいことは知らないね…」


「そうか…カエデはああいう翼は欲しいと思うのか?」


「いや?僕は欲しいとは思わないね!僕はオレンジお父さんとタイリクオオカミお母さんの間に産まれた新しいタイリクオオカミだからね!タイリクオオカミなりの個性を大切にしていきたいな!」


「…つまり普通に暮らしていたい…そういうことか?」


「うん!以前のお父さんたたみたいな能力も別にいらないよ!フレンズは個性があってこそだと思うからね!その個性を好きになれるならいいと思うな!」


「…じゃあ…聞いてもいいか?」


「ん?」


私は風を司る…カエデは風が好きなのか?風が好きならばカエデは私のことが好きということになる…のかもしれないな。


「風は…好きか?」


「風?大好きだよ!たまに風を利用したりするしその風を利用してスケボーでガタついた道も進んでるし!」


…!いいことを聞いた!


「そうなんだな?」


「なんでそんな質問したの?」


「私の近くだと風が吹き荒れることに気付いたか?」


「…確かに…ってことは!?」


「そうだ…私は風を司る力を持っていてな…」


「あれ?風が吹き荒れてるんでしょ?スカートはめくれないの?」


…オスはそういうのが目的なのか?いや、カエデなら許せるが…


「それは風の力でめくれないようにしてあるから…つまり捲れもしないってことだ。…だがそれも無意味なことになったな…」


「え?なんで?」


「私の後ろの裸は…見られたからな…///」


「…あっ、ごめんね?悪かった?」


「いや…いいんだ…私の裸はカエデなら見られてもいいって思ってるからな…///」


「そうなの?じゃあ見せてよ」


「なっ…!?///」


そ、そんな!?で、でもカエデのためなら…///


「ははは!嘘嘘!いい顔いただきましたっと!本命の正面の裸はさ?つがいになって交尾するときにじっくり見させて?」


なんだ…ついタオルを止めてある背中に手を伸ばしかけたぞ!?


「あぁ…覚えておくぞ…?」


「でも…つがいになって交尾する時にこんな綺麗なビャッちゃんの体を僕が汚すのか…なんか罪悪感」


「いや、いいんだ…」


私の体がカエデと色々やることで傷つけられるなら大歓迎だ…つがいになるためにカエデと同じ背中の傷を作られるなら喜んで作ろう…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る