第11話 ニートスクールへ行く
元瀬は部屋を出てスクールに向かっていった。彼女が申し込んだプログラミングスクールは『
元々は夜間の社会人向けプログラミングスクールだったが、今回昼間のコースが開講してプログラミングスクール。夜間と違い日中にスクールがあるのが辛いところだが3ヶ月で一人前のエンジニアになれることを謳っているスクールだ。
元瀬は渋谷に着いたが現在時刻は9時前である。スクールの開始時刻は11時であった…
そんな彼女は家を早めに出たのはパチンコを打つためだ。折角、渋谷まで出たのだからと彼女はパチンコ店に向かうのであった。
(久しぶりの渋谷なんだから打たないと勿体無い)
元瀬はそう思ったのだろう、パチンコ店に吸い込まれたのであった。
幸か不幸か元瀬は今日はついていた。入ってから当たりが続いているが現在時刻は11時前…スクールの開始時刻直前である。元瀬は当たりを捨てスクールに行くか悩む…
決断した。すぐ様、玉を景品に変えてパチンコ店を出てスクールに向かった。
だが、元瀬の本質は怠惰だ。決して走らない、急がない、自分を疲れさせたくないのだろう。
当然遅刻した。スクールのドアを開けたら既に講師が来て説明をしてたようだ。
「すいません、遅れました〜」
明らかに謝意を感じられない声である。
「遅れないように気をつけてください。空いてる席について」
講師はムッとした顔して元瀬に注意をし、元瀬は促されるままに空いてる前列の席に座った。
元瀬は遅れては来たが講師の話を真面目に聞いていた。だが、すぐに話を聞くのをやめてしまったのだ。
それは講師が説明している内容は既に申込時に来ていた資料などで確認出来る事なのだ。元瀬は怠惰だがちゃんと事前に調査や資料の読み込みを怠らない。これはパチスロで生き残るために身に着けたものだ。
一時間もの元瀬にとって無駄な説明が終わった。元瀬は来なければ良かったと既に思っていた。
「ご飯行かない?」
「あ、行きましょう」
隣の男性二人が喋っている。
「あの、私もついてっていいですか?」
元瀬は二人の会話を聞いて即座に同じ駆け出し同士で情報を共有するのはある程度は有意義であると思った。
「いいですよ」
二人は顔を見合わせてから言い出しっぺの男が答えたのだ。
三人で近くの定食屋に入った。
「煙草良いですか?」
店は珍しく喫煙可能な定食屋、元瀬は二人に聞いた。
「あ、僕も吸っていいですか?」
「どうぞ」
もう一人の男性も胸から煙草を出し吸い始めた。二人が一口吸い、煙を吐き出すと煙草を吸わない男性が自己紹介を始めた。
「僕、黒澤って言います。色々と職を転々をしてプログラミングに興味を持ってエンジニアを目指す事にしました。」
「僕は掛田 翔太郎です。元々は工場で働いていましたがスキルが身につかなかったので、スクール入ってエンジニア目指しています。」
「私は元瀬って言います。パチスロニートしてましたが今回スクールに通うことにしました。スクールに通ってる間はニートの許可が降りたのでね」
三者三様。理由は様々である。人の数だけ人生があるのだと感じさせられる。
三人は食事をしつつ色々と話した。業界未経験の三人が話せることと言ってもネット上に転がっている程度の話だが、お互いに情報共有出来るのは嬉しい事だ。
最後に連絡先を交換した。黒澤と掛田はスクールに自習のために戻ったが、元瀬は先程のパチンコ店に戻った。
「パチンコ店に行く」
そう言ったら二人には唖然とされたが、元瀬は申込み後に渡されたカリキュラムを一人進めていたのだ。
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