第18話 俺にも遂にラブコメが始まる!?
やばい! マジで学の言ったようにラブコメの王道展開になって来てる……。初恋の人に9年ぶりに会ってその日に同居!? 俺は、俺の隣に光子がいる限りラブコメ展開には興味がなかった。でも、でも瞳ちゃんは……。
「やった。ありがとう。お父さんとお母さんにも連絡しなくちゃ!」
これは夢……、なのか……?
俺は自分の右頬を力一杯つねった。
イテテテテテ。夢じゃない! 夢じゃねぇーぞぉ!!
「でも私嬉しいなぁー。恋次君にこういう形で再開できて。なんだか運命感じちゃうね!」
運命……、
「お、俺もスッゲェー嬉しいよ。瞳ちゃんめちゃめちゃ可愛くなってるし……」
見たか光子、国光先輩! これが本当の運命じゃ!
「あ、ありがとう……。照れること言うね恋次君は」
あの夜の、キザな魔法はまだ解けていなかったらしい。ふと口に出した言葉は瞳ちゃんを褒める言葉だった。
「ご、ごめんいきなり! 別に下心があって言ったわけじゃなくて、本心っていうか、誠実なっていうか」
初恋の人とこれから同居する、と分かってから瞳ちゃんを意識してしまい思うように話せない。
「ふふ、下心ないって、それくらい分かってますぅ!」
瞳ちゃんの微笑みを見るだけで俺の気分も高揚する。もしやこれが、俺が長い間避けて来た恋愛の感情なのだろうか。
別荘に着くと光子達の靴も玄関にあった。
「おーい! 光子! 驚く事があるぞ!」
「瞳ちゃん! 久しぶり!」
え? なんで知ってるの?
「ワリ、先に話しちゃった」
学が光子と恋歌に話したらしい。
「久しぶりー、光子ちゃん! 元気してた?」
「してたしてた! 瞳ちゃんこそこんなに美人になられて」
「あ! 恋歌! 大きくなったねぇ」
「瞳さん! こんばんは」
「恋歌、お前瞳ちゃんの事知ってんのか?」
「え、うん。だって瞳さんたまに会ってたし、今回の沖縄も……」
「え!? 会ってた!!? なんで言ってくれなかったんだよ!」
「だっててっきりもう会ってるものかと」
瞳ちゃんと恋歌が会ってたなんて初耳だぞ!?
「ほら、私大学が東京だから、たまに見かける事があったのよ。恋次君にも何度か会いに行こうとしたんだけど、なかなか時間が取れなくて」
なるほど。てか瞳ちゃんが俺に何度か会いに来ようとしてたなんて!
俺はニヤケ顔が止まらなかった。
「何ニヤケてんのよ恋ちゃん! 気持ち悪い」
また光子に気持ち悪いがられた。でも今回はなんとも思わない、だって……、瞳ちゃんがいるんだもん!
ヘッヘッヘ、いくらでも笑うがいい光子!
「それでな、みんなに話があるんだけど」
俺はリビングでくつろいでいた五十嵐と、自分の部屋でゴロゴロしていた国光先輩をを玄関に呼んだ。
「あ、自分光子の彼氏で17歳の平吉国光って言います! よろしくお願いします」
「光子ちゃんの彼氏!? 光子ちゃんに彼氏がいるなんてビックリ! てっきり恋次君と付き合うのかと思ってたから」
「なんで私が恋ちゃんと付き合うのよ」
瞳ちゃん、そりゃねぇよ。
瞳ちゃんの言葉に光子、国光先輩、そしてなぜか五十嵐もピクリと反応していた。
「ま、まぁ全員瞳ちゃんに挨拶し終わったところで、今日からしばらくの間、瞳ちゃんがこの貸し別荘に泊まりたいらしいんだけどいいかな?」
瞳ちゃんの清楚さが際立ったのか皆んなすんなり了承してくれた。
「じゃあ改めて皆んな、よろしくね!」
瞳ちゃんも同居する事になって部屋割りが少し変わった。
光子が国光先輩と一緒の部屋で、光子の部屋に瞳ちゃんが入る。
「なぁ恋次、1個聞いていい?」
「なんだよ」
「お前絶対瞳ちゃんの事好きだろ」
「なっ! は、はぁー? んな訳ねぇじゃん。何言ってんだよ」
「はははは、本当わかりやすいなお前」
「まじ? そんな顔に出てる?」
「出てる。もしかしたら気づいてるのは親友の僕だけかもしれないけどね」
「皆んなには黙っておいてくれ! 頼む! 特に光子には!」
光子に知られると色々入れ知恵されそうで、またこの気持ちがどっかに行っちゃいそうだしな。
「別に言わないよ。それに、協力もしてあげる。僕ら親友だろ?」
「ありがとうございます学様ーー!!」
ありがとう沖縄! ありがとう別荘! ありがとうラブコメの神様!
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