Summer Blaze

みなづきあまね

Summer Blaze

5月も終盤。初夏が終わりを迎え、本格的な夏が来る。まだ肌寒い日があり、時にはトレンチコートが必要だが、日に日に半袖やストッキングを履くことが増えた。


よく露出が増える季節を男性は期待している、という。まあ、よく季節の変わり目に衣替えで見慣れない服を着ているのにはっとするようなものだろう。


でも、それは女性だって同じだと私は思う!


5月にしては雨が多い日が続いた翌日、久々に汗ばむ夏模様がやってきた。この日、6月に人事異動が行われるのに伴い、オフィスの掃除をすることになった。各々がそれぞれ動きやすい服装に着替え、あちこち声を掛けて動いている。


私もデスクが移動になるのに伴い、色々なものを動かしていた。すると部屋の真ん中あたりに、現れた半袖の男性が視界に入った。


あ・・・。腕が・・・。


私は心がやめろというのも聞かずに、そのたくましい腕にくぎ付けになった。浅黄色のTシャツから伸びた腕は冬の間に昨年の日焼けが緩和され、ちょうどよい色になっていた。袖とぴったりくらいの太さの腕はいかにも男らしいが、いわゆるマッチョでも細マッチョでもないちょうどいい感じ。最近短く刈り込んだ髪の毛との境のうなじが目立つ。元々運動好きということもあり、適度に鍛えているのか、シャツの上からでも胸筋の盛り上がりが少しわかった。


なんか・・・ただの変態みたい。


私はふと我に返り、頭をふりふり目をそらしたが、もう脳裏からその姿は離れない。


いつかあの腕に抱きしめられたいし、肌と肌を合わせたい。


こんなことを考えるのは邪すぎるかしら?世の中の男性だって、女性の二の腕や鎖骨、スカートから伸びた足、パンツルックのお尻、そんなものを見て、多少そういうことは考えるんだろうから、これくらい許してほしい。


ああ、これから夏がやってくる。今年の猛暑日はどれくらいあるのだろうか?少なくとも私にとっては心が焦がされそうな日が増えそうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Summer Blaze みなづきあまね @soranomame

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ