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空行アリの読みやすさについて考えてみた

web小説の多くは、空行のよく入る書き方をされています。

その理由は「読みやすいから」なのですが、


 読者『空行のあるほうが読みづらい』

 作者『書籍と同じ書き方でいいじゃん』


という意見もあるので、その辺りを深掘りしてみようと思います。




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Q.web小説は、どうして空行を入れたほうが「読みやすい」と言われるのか?

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◆◇ A1.目がすべりにくいから。



行間を調整して読める公開場所ならまだいいのですが、そうでない場合は特に〈目がすべる〉――【同じ行を読んでしまったり次の行を読み飛ばしてしまったり】しやすいです。


 「んなもん、しねぇよ」とか思ったアナタはお若いですね。


20代後半に入ると急激に加速していく「目の疲れ・かすみ」は、ときに【3行くらい軽く読み飛ばしてしまう事故】を引き起こします。(著者の実体験)


ブルーライトに日々傷つけられている目で、書籍と同じ〝ゼロ空行〟で書かれたものをスマホやタブレットで読むのは、思った以上にツライです。


私みたいな「ど近眼×疲れ目」の読者に、空行という名の愛をください。切に。




◆◇ A2.圧迫感が減るから。



書籍を読むのには抵抗があるけどweb小説は読める、なぁーんて人、けっこう居るんじゃないでしょうか。


 校正や編集の手が入ってるかどうか?

 文章が上手いか下手か? 有料か無料か?


いえいえ。web小説にだって、プロ顔負けの物語を紡ぐ語り部テイラーは居るでしょうし、文章がそれほどたくみではなくても面白いお話だってザラにあるでしょう。


そう考えると、抵抗感の要因はそこじゃなくて、やはり「文字量=文字の密度」にあるのではないかと。



 文字量の多さに対する苦手意識は、なかなかぬぐえないものです。



「文字の圧迫感を減らすだけで読者が増える(あるいは逃げない)」のだとすれば、ちょちょいと増やす手間くらい、惜しんでちゃモッタイナイではありませんか。


――とは言え、こだわりを持ってゼロ空行で書いているのなら、誰にとやかく言われたところで変えなくていいと思います。


こだわりは、貫いてこそ輝きにけるっ!




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Q.どうして「読みやすい」と感じるのか?

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◆◇ A.媒体の特徴に合った書き方だから。



〝視界に入る情報量〟は、多くても少なくても「読みにくい」と感じるものです。


web小説(小説以外でも)で【空行が必要とされるのは、多い情報量を減らす為】で、書籍で空行がほとんど使われないのは、そもそも「ページで区切られていて目に入る情報量が少ない」ため、空行で工夫する必要が無いから、と言えます。


――ここで、書籍(紙でも電子でも)とweb小説の特徴を考えてみましょう。



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▼ 書籍

・組版(くみはん)されている

・ページの始まりから終わりまでが短い

(ページ全体が視界に収まる)

・ページの周囲に、常に余白がある


▼ web小説

・スクロール式である

・ページの始まりから終わりまでが長い

(ページ全体が視界に収まらない)

・読んでいる途中、余白が減る

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ポイントは、情報量――【見えている文字の割合】です。


1つのページが長ければ長いほど、ゼロ空行では情報量が多くなり、多いがゆえに注視(集中)しづらくなります。


web小説を書籍の情報量に近づけるには、「ページを細かく分ける」か「擬似的にページを作り出す」しかありません。


前者は言葉のままですが、じゃあ後者は具体的にどうするのか?


――そうです。空行を駆使くしするのです。




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Q.余談だけど、謎の字下げや改行がされてるのはどうして?

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◆◇ A.【強調表現】として使ってるからですねー。



さすがの私も小説では安易に使いませんけど、これはあくまで講座コラムであり、エッセイであり、我がポンコツ脳内の整理も目的としています。


なので、【理解の一助となる表現】は、クドくなりすぎない程度にドンドンしていきたい所存デストロイヤー☆


――大事なのは、「ルール付けがキチンとされているか」「その気配を感じられるかどうか」だと、私は思うのです。




強調表現の詳細については改めて書く予定でいるので省きますが、【結果「読みづらい」ようであれば、応援コメントにてご一報くださると幸い】です。

m(_ _)m



〔2017.09.15 作/2024.07.02 カクヨム公開〕

※ 旧題:空行ナシのほうが読みやすい?

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