「Dearest:あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ OP」 『親愛なる人へ』という歌ですわ

 唱子さんによる「アニソン版 クイズ ソラシドン!」は、まだまだ続く。


「ではわたしね。英語の歌詞しかないアニソン、どん!」

 結構被りそうなネタで、ハムちゃんが出題した。


 私「TELL ME WHY:テレビ版ベルセルク」

 亜美ちゃん「Red fraction:ブラックラグーン」

 唱子さん「INFORMATION HIGH:マクロスプラス」


「あぶねーっ! 選択するところだったよ!」

「さすがに、かわされましたか」

「でも、ヘタにメジャー方向へ行くと、今度は亜美ちゃんと被るし」

「見事な読みでしたわ、優歌さん」

 

「では、最後、カバー曲のアニソンをお答えください。OPED、どちらでもいいですわ。どうぞ!」

 

私「fragile:フラグタイム」


「ほぼ最新の映画ですわ。わたくし、この映画を三周はしていますわよ!」

 クイズの流れをぶった切って、唱子さんが鼻息を荒くする。

「うんうん。熱意はわかったから」

 

 出題者ハムちゃんは、「未来は僕等の手の中:カイジ」をチョイスした。


「ブルーハーツといえば、『ローリング・ガールズ』もオススメですわ」

「そうなのよ。でも、カイジは一曲だけだからいいかなって」


 ローリングガールズだと、ほぼ全曲網羅している。 


「歌詞に放送禁止用語があったのがねえ……」


「唱子っち、ブルーハーツって、コナンだけじゃないんだね?」

「そっちはハイロウズですわ……」

   

唱子さん「Dearest:あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ」


「あゆの歌ってアニソンなん?」


 亜美ちゃんの質問に、唱子さんは首を振った。


 やっぱり、タイトルからだと「浜崎あゆみ」氏を連想するよね。


「原曲のタイトルは、『親愛なる人へ』という歌ですわ」


 亡くなった村下孝蔵氏を偲んで、沢田聖子氏が書き上げた曲を、三重野瞳氏がカバーしたのである。


「今は、『赤尾でこ』の方が馴染みがあるでしょうか」

「どっちにしても、あたしにはわからないよ」


 三重野氏は、『赤尾でこ』という名義で脚本も手がける。


「アニメ版『恋は雨上がりのように』のシリーズ構成もやってるよ」

「それならわかる。あのアニメ好き」


 ハムちゃんに色々教わって、亜美ちゃんも深夜アニメも多少見るようになったらしい。

 こうして、ちょっとずつアニメに触れてくれるといいかな。


「思いのほか、盛り上がりましたわね」

「またやりましょ」


 知識つよつよ勢の唱子さんとハムちゃんが、次の企画を立て始めた。


「もうちょっと簡単なクイズがいいな」

「えへへ。考えておくよ」


 お開きになる直前、ハムちゃんがひと言告げる。

「ところで、どうして集まったんだったかしら?」



「あ、宿題だ!」


 冬休みの宿題を亜美ちゃんが済ませていなかったから、みんなで見張る会だったっけ。


 こうして、お泊まり会は延長戦に突入した。

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