13.マルチタスクが苦手と視野が狭いという特性について

 マルチタスクとは、この場合は複数のことを同時並行しながら作業することです。電話しながらメモを取る、あることをやりながら別の話を聞くといったことです。このマルチタスクが苦手(=同時並行で作業ができない)特性を持つ当事者は多いのではないかとあくまで個人的には思います。

 この特性を持った人がマルチタスクをしようとするとどうなるでしょうか。

 私の実体験としては、どちらかを途中で忘れてしまったり大小のミスを連発します。また、簡単なことならやっているものの負担がかかっている可能性ががあります。他にも、複雑なマルチタスクをしようとするともう脳がパンクするのか分からなくなります。結論としてはなるべく避けるに限るということだろうと思ってます。

 私がやっている対策としては、まずメモを取るなどして外部に残しておくことです。1つの作業をしている時に別の作業をする必要が出た場合は優先順位を決めて優先順位の低い方をメモしておきます。そうしてなるべく避けることも大事だと思います。また、理解してくれそうな環境では周囲に説明して理解をしてもらうという方法もあります。


 私は視野が狭いという特性も指摘されています。一回こうだと思ったら他の考え方がしづらいといった物事への思い込みが激しいこと(頑固とも言えます)や、自分中心に物事を見てしまうことです。

 いまは無意識か意識的にかは分かりませんが気をつけることができるようになり、幾分かは改善されていると思ってます。それでも、極端なマイナス思考の思い込みをするといったことがあります。スポーツの団体競技は中学以来やっていませんが、競技によってははあらゆる方向からボールなどが飛んでくるので結構トラウマになりました。視野自体は障害はないのですが、おそらく健常者と同じように視野全体に意識を向けることが難しいもしくは負担がかかりやすいと感じていて、予測のつかない方向からの情報は気づきにくかったり反応が遅くなるように感じています。

 また、自宅では気が緩むらしく、この特性を連発します。例えば、こんな会話があります。

菜月(私)「このマスク誰の?」

母「私のだね」

この場合、「このマスク」は母の物だと分かります。しかし、菜月も1人称で「私」と話します。そこで「私の」と言われて、自分(菜月)を指していると思ってしまいました。書き出して視覚化することで自分の視野の狭さを改めて理解しました。

 この後私である菜月は母が「菜月のもの」と言ったことに違和感を感じて確認したことで間違って認識していたことに気付き、笑い話で終わります。これと似たようなことが、よく家庭内で起こっています。

 対策としては、まず何がいけなかったのか明確にしてその上でどうしたらよかったか分かるようにすることが大事だと思っています。起こった後にその相手などに何がいけなかったのかどうしてほしいのか聞いてみるといいかもしれません。私はよくそうやって聞き、改善しようとしています。支援者など周囲の人の場合は、会話を工夫するという方法もあると思います。固有名詞や具体的に話すなど、少し工夫するだけでもいいと思います。


次は、聴覚情報の理解が苦手という特性について説明しようと思います。

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