7. 視覚過敏との向き合い方や対策

 視覚過敏は、気づいた時が聴覚過敏よりも更に後でした。眼鏡屋や家電量販店など光が多いところで目が痛くなることや人よりもパソコンのディスプレイやスマートフォンの画面の明るさを下げていることに気づき、「これはまさか」と思い始めたのがきっかけです。

 その後しばらくしてからサングラスを買うことに決め、目が痛くなる事を覚悟で眼鏡屋に行き、私は眼鏡を掛けていたので眼鏡の上から着けるクリップ式の偏光サングラスを購入しました。目の痛みの対策のために目が痛くなるところに行くことは違和感を覚えましたが、必要なことと割り切ります。

 外出する際などに着けてみると、目が楽になった感じがしたので、だんだんと着けるようになりました。また、視覚過敏の人の中には日中眩しいのからと電気を消してカーテンを閉め切っていたことを思い出し倣ってみたところ特に暗く感じず楽になりました。今では、暗いと感じるギリギリまで電気をつけません。何時まで電気を消しておくかを時期ごとに決めようかと思っているこの頃です。他にも、パソコンやスマートフォンのディスプレイには青っぽい色より暖かい色の光に常時なるように調節し、明るさも下げるようにしました。パソコンやスマートフォンには、他にもこういった設定(アクセシビリティ機能)が元から入っています。別で説明しようと思います。


 その後しばらくはクリップ式偏光サングラスでした。それなりに満足していましたが、パソコンのディスプレイやスマートフォンの画面を見る時は偏光レンズが干渉してしまうらしくサングラスを外さなければならないというところが難点でした。そう思っていた頃にそういった機器に詳しい人と話す機会があり、遮光眼鏡というものを紹介されました。

 遮光眼鏡というものは、眩しい光のみを遮ってくれるレンズを使った眼鏡だそうです。偏光レンズの難点だったパソコンのディスプレイ等への干渉がなく、何より様々な色があります。商品によってカラーバリエーションが違うかもしれませんが、眼鏡屋で私の勧められたり処方箋に書かれた商品だと茶色やグレーといったサングラスにありがちな色から、紫や緑色なんてのも濃淡様々にありました。人によって合う色が違うそうです。

 同じ人から眼科のロービジョン外来に行って処方箋を作ってもらい眼鏡屋で購入するのがいいと教えてもらいました。なので、地元の眼科のロービジョン外来に行き処方箋をもらいました。視力測定などから自分に合うレンズの色を見てもらうなど色々をやったせいか時間がかかりかなり疲れましたが、おすすめの眼鏡屋を教えてもらうことができたりと良くしてくれたことを覚えてます。それを頼りに眼鏡屋に行き試着を繰り返して購入を決めました。

 遮光眼鏡は、眼鏡の上から着けるタイプだと着けていたサングラスと同じクリップ式やオーバーグラス(子供用と大人用の内側に着ける眼鏡のサイズに合わせた2種類の計3種類を知りました)を紹介されました。オーバーグラスは花粉症対策の眼鏡と似た形(実際、大学の健康診断の視力測定の時に花粉症対策の眼鏡?と聞かれました)で、正面の他側面にも小さなレンズがついていて、周りから光がなるべく入ってこないようになっています。値段は度付きの眼鏡よりは安いレンズとそれよりかなり高いレンズの2つがあるらしいです。(あくまで私の行った眼鏡屋ではですが)そのレンズの違いも分かる人もいれば分からない人もいるらしく、最初だからということで安い方(それでも多少値段がつきますが)の購入になりました。

 着けてみると、やはり楽になりました。側面もカバーされているので、負担も減ったと思います。実際、目の痛みや見づらくなるといった疲れによる症状が抑えられたと感じています。パソコンのディスプレイ等も問題なく見れました。今は外出の他にも家族の感じる明るさに合わせているので眩しいと感じる自宅の食卓でも遮光眼鏡を着用しています。

 視覚過敏の対策としては、カーテンなどで光を遮る・白い壁や紙などが反射してつらい場合は壁や紙の色を変えるなどして対処する・照明を工夫するなどといった方法があると思います。照明の工夫の方法としてはオレンジ色の電球や蛍光灯に変えたり、間接照明にしたり、照明を分散させるなどといったことがあります。サングラスと遮光眼鏡のどちらがいいかと聞かれたら個人によって違うと思います。値段のこともありますし、視覚過敏の程度や苦手な光や色によっても違うでしょう。サングラスも試せると思います。

 

 このように、私は外出時大抵オーバーグラスの遮光眼鏡とノイズキャンセリングのヘッドホンを着けています。なので、目と耳をそれぞれが隠していてとても目立つ状態です。今は開き直っていますが、両方着け始めた頃はおかしく思われないか心配な時もありました。

 また、母から「部屋が暗い」など明るさについては少なからず言われることがありました。今はほとんど言われませんが、視力の低下が心配だったようです。光を全般的に過敏に感じる私にとってはそれどころではないのですが、それは本人にしか分かりません。

 視覚過敏には、「部屋暗くしてはいけない」という常識が通じません。また、感覚過敏は「我慢しなさい。そのうち慣れる」は通じません。成長と共に治る場合や多感な時期のみ現れることもあると聞いており、私も過敏がなくなる可能性もあると聞いていますが、過敏に感じる間は対策を立てない限り本人は苦しいと思います。先入観を捨てるよう気をつけ、常識を常識と思わないでほしいと私は思っています。これは他の発達障害の特性や障害・病気にも言えることだと思います。

 次は、3話で~ようですと説明した理由についてです。

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