5.聴覚過敏の対策
聴覚過敏への対策については、端的には聴覚(耳)を保護することです。耳栓・ノイズキャンセリング(通称ノイキャン)機能付きのイヤホンやヘッドホン・イヤーマフなどがあります。今まで手に入るものを色々試したので、それぞれどのような効果があるのかその中からどう選んでいくか紹介しようと思います。
色々対策をしてきましたが、私はノイキャンヘッドホン・イヤホンがおすすめします。その中でも聴覚過敏の対策として最初におすすめするのは、デジタル耳栓です。
まずノイズキャンセリング(ノイキャン)機能について説明します。ノイズキャンセリング機能とは、音の音波と逆の周波数の音波を出して騒音を低減する機能のことです。詳しいことは省きますが、その機能がついたヘッドホン・イヤホンを着けると周りの音が静かになり、物事に集中しやすくなります。
個人的な感覚になりますが、私の持っているノイキャンヘッドホンを着けるとそこまで大きくないけど常時鳴っている音は小さくあるいはなくなり、大きな音はほぼそのまま聞こえます。私は家のキッチンに立つと冷蔵庫の作動音と思われる低音が移動時は電車の走行音耳を刺すように、都市部に出ると様々な音がざわざわと耳につきます。何かの理由で車で移動中にヘッドホンを外すと、様々な轟音(車の走行音)が聞こえてきて思わず車が壊れたか舗装されていない道を走っているのかと思ってしまうことが多々あります。それらが低減されるので、私はノイキャンヘッドホンが命綱の1つです。聴覚過敏を持っている方だったら、大抵はおすすめします。聴覚過敏を持っていない人であまり差を感じづらいという人はいますが、大抵は効果があると思います。
ですが、音楽鑑賞用のノイキャンヘッドホン・イヤホンは多少なりとも値が張り、試しに買う値段ではないもの多いと思います。そのため私が最初におすすめできるのが「デジタル耳栓」です。
デジタル耳栓はノイズキャンセリング機能だけを使ったもので、騒音・雑音対策専用と言っていいイヤホンです。2020年5月時点で電池式と充電式の2種類が発売されています。電池式の方は音楽鑑賞用ノイキャンヘッドホン・イヤホンよりも試しやすい値段だと思います。
しかし、電池式の方はコードが長い分そのコードが何かに触れて発生するタッチノイズと呼ばれる音が気になる場合があります。充電式はイヤホン一体型で首にかける物なのでタッチノイズがかなりなくなると思いますが値段が少し高くなります。また、感覚過敏でイヤホンが全く着けられないもしくは物によって着けられないものと着けられるものがあるという人もいると思います。購入を検討するか・購入する場合どちらを選ぶかはそれぞれの場合によって違ってくると思います。このデジタル耳栓を使ってみて、もっと遮音性の高い物が欲しいとなった時に私は一般向けの音楽鑑賞用ノイキャンヘッドホン・イヤホンの検討をおすすめします。
音楽鑑賞用ノイキャンヘッドホン・イヤホンは、基本的に値段と遮音性が比例しています。個々人の需要と値段と性能と着け心地をにらめっこしながら検討すると良いと思います。大抵は家電量販店で試着出来るので、実際に行って試着することもおすすめします。聴覚過敏の当事者にとっては家電量販店は大型な程音が多く苦手だと思いますが、(私には視覚過敏も相まって軽く天敵です)より納得のいく物を購入するための投資だと思うと良いかもしれません。
ここまでで、ノイズキャンセリング機能は必要な音は聞こえるのかというところについて詳しく知りたいという人もいると思います。私は一定以上の大きさの声や音は聞こえたので、聞こえなければいけない声はだいたい聞こえました。少なくともアナウンスやマイク越しのような大きさの声は着けたままでも聞こえると思います。それより小さい音は、私は内容まで分かるところから声が聞こえるが何を話しているのか分からないところまでありますが、これはそれぞれの性能によると思います。
デジタル耳栓のデメリットとしては、コードのタッチノイズや感覚過敏の人の中には苦手な人もいることを先程挙げたと思います。デジタル耳栓を含むノイキャンヘッドホン・イヤホンのデメリットとしては、有線の場合タッチノイズがあること、感覚過敏がある人は特に着け心地などによって難しい場合があること、そしてホワイトノイズが気になる場合があること、値段が高いものが多いことや精密機器であるため扱いに多少の注意が必要なことなどです。ホワイトノイズとは、サーというようなノイズキャンセリング機能によって起こる小さな音で、これが気になる人もいます。私はそれよりも周囲の音の方が大きいので、ほとんど気になりません。
次はその他の防音機器について説明しようと思います。
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