第17話 真相
頼子はぽつりぽつりと語り始めた。
「全ては母の浮気から始まりました。いいえ、母はあの悪魔のような男、鳴彦叔父にたぶらかされたのです。母は叔父の子供を身籠りました。そしてその子を、父の子供としてこっそり育てたのです。それが、妹の時子です」
「父はずっと時子を我が子と信じていました。しかし母の日記を読み、真実を知ってしまったんです。父はその事実に耐えられず、母と心中を計りました。父と母は事故で亡くなったのではないのです。私は、父の遺書で全てを知りました。」
「しかし、この事実を時子に告げるのは躊躇われて。私は自分の胸のうちにしまうことにしたのです。でも…悲劇は終わりませんでした。鳴彦叔父は時子を…誘惑したのです。母の代わりにするために」
「私は鳴彦叔父を糾弾しました。が、それを知った時子は既に彼の虜となっていて、私を」
そこで、頼子は言葉を切り。悲しそうに目を伏せて。
「私を殺したのです。私が、鳴彦叔父を自分から奪おうとしたと勘違いをして」
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